島根県 › 出雲(二次医療圏)
CrossHealth / 薬局持久度レポート
県内でただひとつ、65歳以上が増える医療圏
出雲医療圏1市の薬局を、供給・高齢化・経営体力・徒歩圏で見える化。
この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。
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出雲市の薬局持久度レポート(A4・6ページ)
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出雲医療圏は、出雲市の1市からなる圏域です。薬局は85軒(島根県の26.0%・県内2位)。島根県7医療圏のうち、2045年に65歳以上人口が2025年より多いのは出雲医療圏だけです(+3.6%)。既定の12ヶ月に出た廃止届6件はすべて移転・承継で、そのまま消えた薬局は0軒でした。65歳以上人口がすでにピークを過ぎた市は、この圏にはまだありません。
出雲医療圏は出雲市ひとつでできています。圏=市なので、圏内で比べる相手がいません——このページの経営体力(薬局1軒あたり処方せんの圏内相対値)は定義上±0%になります。見るべきは絶対量のほうで、65歳以上人口は+3.6%、薬局1軒あたりの処方せんは17,369枚→17,988枚(+3.6%)と推移します(数値表の市の行にある2045年の1軒あたりは圏内相対値なので、1市しかないこの圏では2025年と同値になります)。閉局の面では、既定の集計期間(2025年6月〜2026年5月の12ヶ月)に出雲医療圏で出された廃止届は6件で、そのすべてが移転・承継——つまりそのまま消えた薬局は0軒でした。ただしこの件数は下限です。既定窓の左端(2025年6月)は名簿の号カバー率が0.8689——収集が始まる前の号が存在しないため、月初〜月中に出された廃止届を取りこぼしています。号カバー率0.996以上の2025年7月〜2026年5月の11ヶ月で数え直すと、真の閉局0軒・廃止届6件です。しかも島根県は名簿の収録が12ヶ月ぶんしかなく、複数年の推移が作れません。1年の件数で圏や市を順位づけして、それを地域の固定的な性質として読まないでください。廃止届が0件の市を「安全」と読むこともできません。
距離 ── 広がりの軸薬局1軒あたり7.3km²
出雲医療圏の面積は624km²、薬局1軒あたり7.3km²です(広い順に県内7位)。ただしこの数字は陸地の広さにすぎない幾何の指標です。道路の形も、移動の所要時間も、海も含みません。「1軒あたり◯km²」を「歩ける距離」と読み替えないでください。徒歩圏の目安は次の節で、直線近似と明記したうえで出しています。
徒歩圏 ── 「近くの薬局」の実像(直線近似)徒歩10分圏に住む人は52.4%(直線近似)
250mメッシュ人口(2025年推計)で見ると、出雲医療圏で最寄り薬局まで徒歩10分圏(直線近似)に住む人は52.4%(島根県全体48.0%・県内2位)、20分圏で75.1%です。徒歩10分圏の外には80,919人が住んでいます(人口重み付きの中央値は9.3分)。この値は直線距離×迂回係数1.3÷分速80mの近似で、OSRMの実道路網による実測ではありません(実測化すると数ポイント下がる傾向があります)。公共交通・航路・坂・積雪は含みません。最寄りの探索は県境を越えないため、県境沿いは下限気味に出ます。
人口動態 ── 需要の源出雲医療圏は「人は減るが、お年寄りは増える」
市ごとに明暗が分かれるもとをたどると、人口の動きに行き着きます。出雲医療圏全体では、総人口は17.0万→15.5万人(-8.8%)、65歳以上は5.2万→5.4万人(+3.6%)と推移します。高齢化率は30.8%→35.0%。65歳以上のピークは圏全体で2045年です。この圏は1市なので、圏の数字がそのまま出雲市の数字です。島根県全体では65歳以上が-9.4%と減る推計ですから、この圏域は県の中で逆を向いています。島根県はそもそも65歳以上人口のピークが2025年=推計の初年度という県で、「高齢化するから調剤の需要が増える」という前提が県レベルで反転しています。
機能の届出 ── かかりつけ・地域連携・在宅かかりつけの届出は圏全体で63.5%
かかりつけ薬剤師指導料の届出がある薬局は出雲医療圏で63.5%(54/85軒・県内4位)。地域連携薬局は40.0%、在宅の総合的な対応は42.4%です(島根県全体はそれぞれ62.4%・37.3%・42.8%)。届出の有無であって、実際の対応件数ではありません。島根県はGMISの機能情報が取り込まれているので、この率は実測です(未取込県のような0埋めではありません)。
地図 ── 地域差を見る出雲市ひとつの圏域です
出雲医療圏は出雲市だけで構成されるため、圏内で色を塗り分ける相手がいません(単色)。見るべきは絶対量で、65歳以上人口は+3.6%です。
医療計画からの引用県の医療計画は、この圏域をどう書いているか
「○出雲圏域は医師多数区域に入っていますが、開業医の高齢化や地域偏在等の課題を抱えており、居住の場に関わらず医療介護等のサービス提供が可能な体制構築が重要です。」
「出雲圏へ23.1%、浜田圏へ10.1%が流出しています。」
「他圏域への流出は、松江圏へ15.6%、出雲圏へ23.5%と高くなっています。」
県が公表した保健医療計画の本文を、原文のまま引用しています(要約・言い換えはしていません)。 並べているのは「県の計画にこう書いてある」という事実と、実データの数字です。計画の是非は論じません。
ランキング ── この圏では作りません圏=1市なので、圏内の順位がありません
出雲医療圏は出雲市ひとつなので、圏内のランキングは存在しません。市の中をさらに割った分析はLv3(市町村詳細)の役割です。
くわしい数字1市データ一覧
| 市区町村 | 薬局 | 高齢率 2025 | 1軒あたり処方せん 2025 → 2045 | 変化 |
|---|---|---|---|---|
| 出雲市 | 85 | 30.8% | 17,369 → 17,369 | 0.0% |
※処方せん需要は出雲医療圏全体の実績(NDB 2023年)を市の65歳以上人口で按分した推計です。市町村別の実測値ではありません。かかりつけ・地域連携・在宅の届出率はGMIS(薬局機能情報提供制度)の自己申告に基づきます。閉局は件数のみを載せ、市町村単位の比率は出しません。個店のランキングは作りません。
この地図の使い方(3段階のドリルダウン)
- 島根県(ひとつ上・Lv1)=7つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
- 出雲医療圏(このページ・Lv2)=1市で「同じ圏域の中の差」を見る。
- 市町村(詳細・Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。
出雲医療圏 1市区町村すべての詳細レポート(薬局持久度レポート会員向け・有料)
医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのかこの圏は郊外型(需要減)です
薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。出雲医療圏にいまある85軒それぞれについて、どちらの効き方が強いかを計算し、閉局の起こりやすさで重みづけて足し上げると、競争側の比率は0.45です(0.5以上なら都市型、それ未満なら郊外型)。この地域は郊外型(需要減)にあたります。需要の側は、この地域の総人口が2025→2045で-8.8%です。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。名簿の欠号が45%あります。閉局の件数は下限値(実際はこれ以上)として扱ってください。中国地方は収録窓が短く、閉局率が過大側に振れている可能性があります。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。
機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は93.3%です
薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。出雲医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は89軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 83軒=93.3%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 50軒=56.2%、在宅薬学総合体制加算 38軒=42.7%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 74軒=83.1%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。このページがこれまで載せていた届出率は、改定前の版の名簿を店名で突き合わせて数えたものでした。並べると、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)は今回56.2%/これまで63.5%(差-7.3ポイント)、地域支援・医薬品供給対応体制加算は今回93.3%/これまで40.0%(差+53.3ポイント)、在宅薬学総合体制加算は今回42.7%/これまで42.4%(差+0.3ポイント)です。差の主な理由は3つで、(1)令和8年度改定で後発医薬品調剤体制加算が地域支援・医薬品供給対応体制加算に統合されたこと(地域支援の届出率が跳ね上がる)、(2)かかりつけ薬剤師指導料が服薬管理指導料に統合され、代理指標に切り替えたこと、(3)これまでが店名の突き合わせ、今回が医療機関コードでの集計であること。どちらかが誤りという意味ではありません。これから先は、47都道府県を同じ月の版でそろえた今回の数え方を主に使います。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。
このレポートの範囲と、正直な限界
- 【このレポートで言えること】地域単位(二次医療圏・市町村)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
- 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
- 【処方せんの推計方法】出雲医療圏の院外処方せん実績(NDB 2023年・年間1,476,326枚)を、市ごとの65歳以上人口シェアで按分した推計です。実際の処方せんは市町村別には公表されていません(NDBの最小公表単位が二次医療圏のため)。この圏には薬局0軒の市が無いため、市別の1軒あたり処方せんを足し戻すと圏のNDB実績に100.0%で閉じる。
- 【「経営体力の変化」の意味】圏域全体の処方せん総数を現在の水準に固定したうえで、圏内での65歳以上人口シェアの移動だけを見た相対値です。県ページ(Lv1)の同じ言葉は絶対値で、意味が違います。圏全体として処方せんが増えるか減るかは、この圏の需要指数(2025年を100として2045年に103.6)で見てください。
- 【薬局数は2025年で固定】市町村別の推計では、薬局の数はいまのまま変わらないと置いています。新規開局・閉局による将来の店舗数の変化は含みません。
- 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。
- 【閉局の数え方と集計期間】中国四国厚生局の保険薬局廃止情報のうち、移転・承継を除いた「真の閉局」だけを数えています。既定の集計期間は直近12ヶ月(2025年6月〜2026年5月)で、これは中国5県ブロックの名簿の収録範囲そのものです(2025年7月号からの収集のため、他の窓の選びようがない)。この期間の出雲医療圏の廃止届は6件・真の閉局は0件です。
- 【件数は下限です】2026年7月29日時点の値。名簿の掲載遅れ(廃止日から一覧表に載るまでのタイムラグ)により、この件数は今後も静かに増える可能性があります(METHODS.md 9-2)。加えて既定窓の左端2025年6月は号カバー率0.8689=収集開始前の号が無いための取りこぼしがあり、件数は下限です。号カバー率0.996以上の2025年7月〜2026年5月の11ヶ月で数え直すと、真の閉局0件・廃止届6件です。
- 【暦年トレンドは出せません】名簿の収録が12ヶ月ぶんしかなく、前年同期が存在しないため、島根県では「増えている/減っている」という時間の主張を一切作っていません。単年の件数で圏や市町村を順位づけして、地域の固定的な性質として読まないでください。廃止届が0件でも「安全」という意味ではありません。
- 【他の地方と閉局率を並べないでください】厚生局ごとに名簿の捕捉率・収録期間が構造的に違います。比較は中国5県(鳥取・島根・岡山・広島・山口)の中だけで行っています。大阪府・千葉県の公開値(暦年2025)とは窓が違うので比べられません。
- 【市町村単位の閉局は件数だけ】市町村ごとの閉局は件数のみを示し、比率は出しません。また薬局8軒未満の市については、本文で市町村名と閉局を結びつけた記述をしていません(分母が小さく、個々の店の記述に近づくため)。
- 【徒歩圏カバー率は直線近似】直線距離×迂回係数1.3÷分速80mによる近似で、OSRM実道路網の実測ではない。実測化すると数ポイント下がる傾向がある(大阪・千葉での新旧比較より)。最寄りは市町村・医療圏の境界を越えて探す(越境あり)が、県境は越えない(広島県・山口県・鳥取県側の店は候補にしないため、県境沿いは過小に出うる)。公共交通・坂・冬期の積雪は含まない。(access_method: fallback_haversine)250mメッシュ人口(mesh_backbone_250m・2025年推計)を分子分母にしています。
- 【面積は幾何の指標】1軒あたり面積は行政区域ポリゴンの陸地の広さだけで、道路・公共交通・航路・その便数・欠航を含みません。徒歩圏カバー率の代わりにはなりません。
- 【機能の届出はGMISの自己申告】かかりつけ・地域連携・在宅の届出は薬局機能情報提供制度の自己申告に基づきます。島根県は機能情報が取込済みで、率が低くてもそれは実測です(未取込県の0埋めではありません)。届出があることと、実際の提供実績は別です。(→ この波で、厚生局の施設基準届出受理医療機関名簿で数え直した届出率を本文に載せました。GMISの自己申告からは算出できないという上の説明は、GMISについてはいまも有効です。)
- 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。
- 【いま出していない数字】2045年の薬局店数の推計は、いまも出していません(参入と退出の数え方がそろわず、そのまま回すと全国で薬局が2割以上増える計算になってしまうため)。医療圏の「都市型/郊外型」分類は、供給の統計モデルが47都道府県フル学習になったので掲載に切り替えました。
- 【島根県という県の前提】島根県は65歳以上人口のピークが2025年=推計の初年度で、2045年までに-9.4%(全国4番目に大きい減り方)。一方で総人口の減り-18.0%は全国19位=中位です。「高齢化するから需要が増える」という骨格が県レベルで反転している県であることを前提に読んでください。
- 【承継について】この圏の移転・承継6件に、法人の一斉付け替え(同じ日に同じ屋号がまとめて機関コードを付け替えたもの)と判定されたものはありません。なお「同じ日に固まっている」ことは一斉付け替えの証拠ではありません——廃止届の日付はもともと月末に集中します(中国5県の承継の80.0%が月末日)。
- 【この圏は1市です】出雲医療圏は出雲市ひとつで構成されるため、圏内比較(地図の塗り分け・ランキング)が原理的に成立しません。圏内相対値(chg)は定義上±0%になります。見るべきは絶対量(65歳以上人口+3.6%・1軒あたり処方せん17,369枚→17,988枚)のほうです。数値表の市の行にある2045年の1軒あたりは圏内相対値のため、1市しかないこの圏では2025年と同値になります(バグではありません)。
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出雲市の薬局持久度レポート(A4・6ページ)
薬局の分布と、同じ医療圏の市区町村どうしの落差を1冊にまとめました。出典と作成時点を入れてあるので、そのまま社内やご相談の資料にお使いいただけます。
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