沖縄県八重山(二次医療圏)

CrossHealth / 薬局持久度レポート

圏の薬局の94.4%が、石垣市に集まる

八重山医療圏3市町の薬局を、供給・高齢化・経営体力で見える化。市区町村ごとの詳細レポートは順次公開します。

対象 八重山医療圏 3市町期間 2025年 → 2045年概要版・無料

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八重山医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)

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八重山医療圏は、沖縄島から南西へ約400kmの八重山列島にある3市町——石垣市・竹富町・与那国町——からなります。経度にして123.0036度から124.1652度、日本の有人島で最も西の圏です。薬局は18軒で、そのうち17軒(94.4%)が石垣市にあります。西表島・小浜島・波照間島など十余りの有人島を抱える竹富町(3,754人)には、調剤を行う薬局が1軒もありません。

3
八重山医療圏の市町
18
圏内の薬局数
94.4%
石垣市に集まる薬局の割合
1
直近12ヶ月に閉じた薬局(承継・移転を除く)

八重山医療圏の需要は、65歳以上人口が2025→2045年で+22.2%増えます。高齢化率は24.8%と県平均より低く、2045年でも31.7%——若い圏のまま高齢人口だけが積み上がっていく形です。圏の構造は一極集中です。薬局18軒のうち17軒が石垣市にあり、竹富町は0軒、与那国町は1軒。圏内で薬局8軒以上あるのは石垣市だけなので、市町どうしの1軒あたり比較は成立しません(表では参考値として示します)。閉局の面では、直近12ヶ月(2025年5月〜2026年4月)に出た廃止届は1件で、移転・承継はなく、そのまま消えました。薬局18軒の圏では1件の閉局で率が数ポイント動くため、率にして圏どうしを順位づけすることはしていません。石垣市だけを見れば、この12ヶ月の廃止届はなく、65歳以上+24.0%・総人口-3.4%と、島の中核市街の薬局は需要の裏づけを持っています。

地図 ── 地域差を見る薬局1軒あたり処方せんの、市町ごとの将来

色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化(=経営体力)。緑=圏内で相対的に増える、赤=減る。色がつくのは石垣市(+1.5%)と与那国町(-16.0%)の2つだけで、与那国町は薬局1軒の町のため1軒あたりの数値は大きく振れます。竹富町は薬局が0軒のため色がつきません(分母がないため)。

与那国町:薬局1/1軒あたり処方せん -16.0%那国町石垣市:薬局17/1軒あたり処方せん +1.5%石垣市竹富町:薬局なし竹富町
色=経営体力の変化(→2045)
減る(-16%)増える(+2%)
薬局なし(竹富町)
市区町村そのものの形で塗り分けています。
八重山医療圏は沖縄島から約400km離れた先島諸島にあり、県全体の地図では本島と縮尺の枠を分けて描いています。石垣島から与那国島まではさらに約127kmあります。地図上の距離は実距離を表しません。

徒歩圏 ── 「近くの薬局」の実像(直線近似)徒歩10分圏に住む人は60.0%(直線近似)

250mメッシュ人口(2025年推計)で見ると、八重山医療圏で最寄り薬局まで徒歩10分圏(直線近似)に住む人は60.0%(沖縄県全体67.3%)、20分圏で73.7%です。徒歩10分圏の外には21,233人が住んでいます。市町別では石垣市が65.0%、与那国町が50.2%。竹富町には薬局が無く、徒歩10分圏に住む人はいません——十余りの有人島それぞれにとって、徒歩圏より先に「その島に在るか」が効きます。圏内の薬局だけを供給点にした参考値は標準値と一致しており(island_ref照合済み)、この圏の徒歩圏は圏内の18軒で決まっています。この値は直線距離×迂回係数1.3÷分速80mの近似で、OSRMの実道路網による実測ではありません(実測化すると数ポイント下がる傾向があります)。公共交通・航路は含みません。

人口動態 ── 需要の源圏全体では+22.2%。3市町とも65歳以上は増える

八重山医療圏全体では、総人口は5.3万→5.1万人(-4.4%)とわずかに減る一方、65歳以上は1.3万→1.6万人(+22.2%)と増えます。高齢化率は24.8%→31.7%へ。65歳以上のピークは圏全体で2050年——推計期間の終わりまで増え続けます。3市町いずれも65歳以上は増えますが、総人口の向きは分かれ、与那国町は-23.1%と最も深く減ります。

総人口65歳以上
0万2万5万8万10万2025203020352040204520505万2万
実データ(社人研 将来推計人口・2023年推計)。65歳以上のピークは圏全体で2050年。

地域の差 ── 市町差3市町の一覧——ただし比較できるのは石垣市だけ

経営体力の値があるのは石垣市(+1.5%)と与那国町(-16.0%)の2つだけで、与那国町は薬局1軒の町のため、この差を順位として読むことはできません。竹富町は薬局0軒で1軒あたりが計算できず、表では「—」としています。圏内で薬局8軒以上あり比較に耐えるのは石垣市だけです。

与那国町
-16.0%
──── ここから需要が増える地域────
石垣市
+1.5%
薬局0の自治体(竹富町)はランキング対象外です

県の医療計画県の医療計画は、この圏域をどう書いているか

県が公表した保健医療計画の本文を、原文のまま引用しています(要約・言い換えはしていません)。

3医療圏別の状況人口10万人あたりの病院の病床数は、県全体では全国を上まわっていますが、二次医療圏ごとにみると、中部、八重山圏域については全国を下回っています。

沖縄県医療計画 第2章 沖縄県の医療の現状 PDF 23ページ

八重山圏域では、二次診察が必要な場合は、他医療機関の精神保健指定医を確保しなければなりません。

沖縄県医療計画 第4章 疾病対策 PDF 102ページ

宮古、八重山圏域については、島内の医療機関までの距離が近く、搬送にそれほど時間はかかっていません。

沖縄県医療計画 第5章 医療施策 1/2 PDF 12ページ

並べているのは「県の計画にこう書いてある」という事実と、実データの数字です。計画の是非は論じません。

くわしい数字3市町データ一覧

市区町村薬局高齢率
2025
1軒あたり処方せん
2025 → 2045
変化
石垣市1724.8%15,091 → 15,314+1.5%
与那国町124.1%8,106 → 6,810-16.0%
竹富町025.8%薬局なし

※処方せん需要は八重山医療圏全体の実績(NDB)を市町の高齢人口で按分した推計です。かかりつけ・地域連携・在宅の届出率は、沖縄県では元データが未取込のため掲載していません。(→ この波で、厚生局の施設基準届出受理医療機関名簿で数え直した届出率をこのページに載せました。GMISの自己申告からは算出できないという直前の説明は、GMISについてはいまも有効です。)個店のランキングは作りません。

この地図の使い方(3段階のドリルダウン)

  • 沖縄県(ひとつ上・Lv1)=5つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
  • 八重山医療圏(このページ・Lv2)=3市町で「同じ圏域の中の差」を見る。
  • 市町村(詳細・Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。

八重山医療圏 3市区町村すべての詳細レポート(薬局持久度レポート会員向け・有料)

医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのかこの圏は郊外型(需要減)に寄りますが、軒数が少なく目安です

薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。八重山医療圏にいまある18軒それぞれについて、どちらの効き方が強いかを計算し、閉局の起こりやすさで重みづけて足し上げると、競争側の比率は0.29です(0.5以上なら都市型、それ未満なら郊外型)。この地域は郊外型(需要減)にあたります。需要の側は、この地域の総人口が2025→2045で-4.4%です。ただしこの圏にある薬局は18軒と少なく、比率は1軒の性格に引きずられます。目安として読んでください。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。

機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は95.2%です

薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。八重山医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は21軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 20軒=95.2%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 7軒=33.3%、在宅薬学総合体制加算 5軒=23.8%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 14軒=66.7%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。

このレポートの範囲と、正直な限界

  • 【このレポートで言えること】地域単位(二次医療圏・市町村)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
  • 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
  • 【地域の背景には踏み込みません】人口動態や閉局件数の背景にある歴史的・社会的な事情は、当データベースからは判定できません。本レポートは件数と推計人口の並置にとどめ、理由の断定は一切しません。
  • 【処方せんの推計方法】八重山医療圏の院外処方せん実績(NDB 2023年・年間285,612枚)を、市町村ごとの65歳以上人口シェアで按分した推計です。実際の処方せんは市町村別には公表されていません(NDBの最小単位が二次医療圏のため)。離島の住民が島の外の医療機関を受診して島の外の薬局で調剤を受けた場合、その処方せんは按分では島側に配分されます。実際の受療動向とはずれる可能性があります。
  • 【「経営体力の変化」の意味】圏域全体の処方せん総数を現在の水準に固定したうえで、圏内での高齢人口シェアの移動だけを見た相対値です。圏全体として処方せんが増えるか減るかは、ひとつ上の階層(沖縄県=Lv1)の需要指数で別に示しています(この圏域は2025年を100として2045年に122.2=実数としては増えます)。
  • 【薬局数は2025年で固定】市町村別の推計では、薬局の数はいまのまま変わらないと置いています。新規開局・閉局による将来の店舗数の変化は含みません。
  • 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。沖縄県は高齢化率が全国で2番目に低い県であり、高齢者以外の受診が需要に占める割合が他県より大きい可能性があります。この点は本推計では扱えていません。
  • 【閉局の数え方と集計期間】九州厚生局の保険薬局廃止情報のうち、移転・承継を除いた「真の閉局」だけを数えています(八重山医療圏で1件)。廃止届は全部で1件出ていますが、そのうち0件は新しい機関コードが記載されており、別の担い手が事業を引き継いだ=その場所から薬局が消えてはいない、と読めます(内訳は clo_gross / clo_relo として別に保持)。集計期間は直近12ヶ月(2025年5月〜2026年4月)で、兵庫・京都・滋賀・北海道・神奈川・富山・岐阜・三重・石川・静岡の公開値と同じ期間です。福岡県・大阪府・千葉県の公開値(暦年2025)とは期間が異なります(参考として暦年2025の値は真の閉局3件・廃止届3件)。
  • 【閉局件数は2026年5月末時点の名簿にもとづく下限値】名簿には廃止日から掲載までのタイムラグがあり、集計期間内の件数もこの後静かに積み増される可能性があります。また名簿には2024年の5つの号が欠けており(当データベースの収集の穴)、年別内訳(clo_by_year)のうち廃止日2023年12月〜2024年7月の8ヶ月分は実際より少なく数えられています。既定の集計期間(2025年5月〜2026年4月)はこの欠けの影響を受けていないことを号の復元で確認済みです。
  • 【機能の届出率】厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」(8厚生局・47都道府県を同じ月の版でそろえたもの)で数え直し、掲載に切り替えました。分母は名簿に載る21軒で、地域支援・医薬品供給対応体制加算95.2%/かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定)33.3%/在宅薬学総合体制加算23.8%/電子的調剤情報連携体制整備加算(推定)66.7%です。かかりつけ薬剤師と電子的調剤情報連携体制の2項目は、令和8年度改定で届出名称が変わったため代理指標を用いた推定です(本文に明記)。届出は「その体制をとると届け出た」記録で、提供実績ではありません。
  • 【徒歩圏カバー率は直線近似】徒歩分は最寄り薬局までの直線距離×迂回係数1.3÷分速80mで計算しており、OSRM実道路網による実測ではありません(walk_access.access_method = "fallback_haversine")。実測化すると数ポイント下がる傾向があります。最寄りは市町村・医療圏の境界を越えて県内の薬局から探します。直線は海をまたぎますが、徒歩10分=直線約615mを動かす海またぎは実際に架橋済みの水路にほぼ限られます。八重山医療圏は圏まるごと先島諸島のため、圏内の薬局だけを供給点にした参考値(area_island_ref)を併記しており、標準値と一致します=本島の薬局が直線近似で紛れ込んではいません。竹富町は島内に薬局が無く、徒歩の指標そのものが成立しません。
  • 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません。薬局の位置は届出上の市町村コードで割り当てています(未割当0件)。
  • 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。
  • 【小さすぎる分母】与那国町は薬局数が8軒に満たない自治体です。1軒あたりの数値は1店の開廃で大きく振れるため、傾向としてのみお読みください。また竹富町の1自治体には調剤を行う薬局が0軒で、1軒あたりの数値そのものが計算できません。その高齢人口分(圏の按分需要の一部)はどの薬局にも按分されないため、圏内の按分合計は圏実績よりわずかに小さくなります。
  • 【地図の縮尺】八重山医療圏は沖縄島から約400km離れた先島諸島にあります。県全体の地図では本島と縮尺の枠を分けて描いており、圏内も石垣島から与那国島まで約127km離れています。地図上の距離は実距離を表しません。
  • 【いま出していない数字】2045年の薬局店数の推計は、いまも出していません(参入と退出の数え方がそろわず、そのまま回すと全国で薬局が2割以上増える計算になってしまうため)。医療圏の「都市型/郊外型」分類は、供給の統計モデルが47都道府県フル学習になったので掲載に切り替えました。

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薬局の分布と、同じ医療圏の市区町村どうしの落差を1冊にまとめました。出典と作成時点を入れてあるので、そのまま社内やご相談の資料にお使いいただけます。受け取る地域をお選びください。

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似ている地域

類似圏は見つかりませんでした。同一県を除いた全国330圏あまりの中に、5軸すべてが許容幅(ロバストz 0.75以内)に収まる圏がありません。この圏は全国的に特異です(無理に近い圏を当てはめない方針)。

もっとも近かったのは京都府山城南ですが、「1軒あたり面積」が基準を超えました。

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自治体・薬剤師会・研究者の方へ。この地域のより詳しい分析や、地域医療構想調整会議・研修でそのまま使える資料の作成を承ります(圏域ブリーフ ¥100,000〜)。個店のランキングや出店指南は行いません。

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