沖縄県中部(二次医療圏)

CrossHealth / 薬局持久度レポート

需要の伸びが、県内でいちばん大きい

中部医療圏11市町村の薬局を、供給・高齢化・経営体力で見える化。市区町村ごとの詳細レポートは順次公開します。

対象 中部医療圏 11市町村期間 2025年 → 2045年概要版・無料

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中部医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)

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中部医療圏は、沖縄市・うるま市・宜野湾市など沖縄島中部の11市町村からなります。圏内11市町村はすべて沖縄島の上にあり、離島の自治体をひとつも含みません(うるま市の島しょ部など、市町村の中の島は含みます)——県内5圏で唯一です。薬局は127軒——県内440軒の28.9%。65歳以上人口の伸び+35.0%は県内5圏で最も大きく、沖縄県という「全国でいちばん需要が増える側の県」の、さらに増える側を代表する圏です。

11
中部医療圏の市町村
127
圏内の薬局数
2
直近12ヶ月に閉じた薬局(承継・移転を除く)
+35.0%
65歳以上人口の伸び(→2045・県内最大)

中部医療圏の65歳以上人口は2025→2045年で+35.0%増えます。総人口も-0.1%とほぼ維持され、圏内11市町村のすべてで65歳以上人口が増えます(減る自治体はありません)。それでも圏内には向きの差があります。経営体力(薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化・圏内での相対値)は金武町(-18.4%)から中城村(+12.8%)まで31.2ポイント開き、マイナス側は6自治体。需要の絶対量はどこでも増えるのに、圏内シェアの移動で「相対的に細る」市町村が出る——増える県の圏でも内側の差は消えません。沖縄市は薬局54軒で圏内の42.5%を占めます。閉局の面では、直近12ヶ月(2025年5月〜2026年4月)に出た廃止届7件のうち5件は移転・承継で事業が続き、そのまま消えたのは2軒(北谷町・沖縄市で各1軒)でした。県全体の真の閉局18軒のうち、件数として意味がある規模で出ているのは南部13軒と中部2軒だけです。

地図 ── 地域差を見る薬局1軒あたり処方せんの、市町村ごとの将来

色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化(=経営体力)。緑=圏内で相対的に増える、赤=減る。いちばん赤いのが金武町(-18.4%)、いちばん緑なのが中城村(+12.8%)です。ただし金武町は薬局1軒の町で、1軒あたりの数値は大きく振れます。

中部医療圏の11市町村はすべて沖縄島の上にあり、1枚の地図に同じ縮尺で収まります(先島・大東を含む圏とは異なります)。

徒歩圏 ── 「近くの薬局」の実像(直線近似)徒歩10分圏に住む人は60.4%(直線近似)

250mメッシュ人口(2025年推計)で見ると、中部医療圏で最寄り薬局まで徒歩10分圏(直線近似)に住む人は60.4%(沖縄県全体67.3%)、20分圏で84.4%です。徒歩10分圏の外には206,633人が住んでいます。市町村別では宜野湾市の77.9%が最も高く、沖縄市は77.5%、恩納村は7.3%まで下がります。宜野座村は薬局が2軒ありますが、徒歩10分圏(直線近似)に住む人はいません——薬局の位置と集落の位置が離れているためで、「薬局がある」ことと「歩いて行ける」ことは別物です。この値は直線距離×迂回係数1.3÷分速80mの近似で、OSRMの実道路網による実測ではありません(実測化すると数ポイント下がる傾向があります)。公共交通・航路は含みません。

人口動態 ── 需要の源65歳以上+35.0%——全11市町村で増える

中部医療圏全体では、総人口は52.2万→52.1万人(-0.1%)とほぼ維持され、65歳以上は12.4万→16.7万人(+35.0%)と大きく増えます。高齢化率は23.7%→32.0%へ。65歳以上のピークは圏全体で2050年——推計期間の終わりまで増え続けます。2025年がピークの自治体も、65歳以上が減る自治体も、この圏にはひとつもありません。既刊の他県レポートで必ず現れた「もう増えない地域」が、この圏には存在しないのです。

総人口65歳以上
0万15万30万45万60万20252030203520402045205051万17万
実データ(社人研 将来推計人口・2023年推計)。65歳以上のピークは圏全体で2050年。

地域の差 ── 市町村差需要が減る市町村・増える市町村

金武町(-18.4%)から中城村(+12.8%)まで31.2ポイントの開き。マイナスは6自治体です。なお金武町・嘉手納町・恩納村・宜野座村・北谷町・北中城村・中城村は薬局が8軒に満たないため、1軒あたりの数値は振れやすい点にご注意ください。

金武町
-18.4%
嘉手納町
-15.3%
恩納村
-3.7%
宜野座村
-3.1%
北谷町
-3.0%
──── ここから需要が増える地域────
宜野湾市
+2.2%
沖縄市
+3.5%
中城村
+12.8%

県の医療計画県の医療計画は、この圏域をどう書いているか

県が公表した保健医療計画の本文を、原文のまま引用しています(要約・言い換えはしていません)。

また、医療圏別では人口が集中している南部及び中部医療圏の搬送人数が多く、令和3年の県内の救急搬送人員数のうち、南部が49.5%、中部が34.7%を占めています。

沖縄県医療計画 第5章 医療施策 1/2 PDF 4ページ

圏域別でみると、診療所は全ての圏域で全国平均を下回っており、その中でも中部圏域は人口10万人あたりの数が45.3施設で最も少なくなっています。

沖縄県医療計画 第5章 医療施策 2/2 PDF 78ページ

並べているのは「県の計画にこう書いてある」という事実と、実データの数字です。計画の是非は論じません。

くわしい数字11市町村データ一覧

市区町村薬局高齢率
2025
1軒あたり処方せん
2025 → 2045
変化
沖縄市5423.6%12,933 → 13,390+3.5%
うるま市2624.7%25,268 → 24,553-2.8%
宜野湾市1921.6%24,181 → 24,705+2.2%
読谷村824.4%26,456 → 26,528+0.3%
北中城村725.4%14,101 → 14,202+0.7%
北谷町422.7%33,497 → 32,479-3.0%
中城村320.9%33,525 → 37,813+12.8%
嘉手納町226.5%36,168 → 30,629-15.3%
宜野座村227.4%17,209 → 16,668-3.1%
金武町128.4%63,956 → 52,198-18.4%
恩納村125.9%60,018 → 57,783-3.7%

※処方せん需要は中部医療圏全体の実績(NDB)を市町村の高齢人口で按分した推計です。かかりつけ・地域連携・在宅の届出率は、沖縄県では元データが未取込のため掲載していません。(→ この波で、厚生局の施設基準届出受理医療機関名簿で数え直した届出率をこのページに載せました。GMISの自己申告からは算出できないという直前の説明は、GMISについてはいまも有効です。)個店のランキングは作りません。

この地図の使い方(3段階のドリルダウン)

  • 沖縄県(ひとつ上・Lv1)=5つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
  • 中部医療圏(このページ・Lv2)=11市町村で「同じ圏域の中の差」を見る。
  • 市町村(詳細・Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。

中部医療圏 11市区町村すべての詳細レポート(薬局持久度レポート会員向け・有料)

医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのかこの圏は郊外型(需要減)です

薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。中部医療圏にいまある127軒それぞれについて、どちらの効き方が強いかを計算し、閉局の起こりやすさで重みづけて足し上げると、競争側の比率は0.39です(0.5以上なら都市型、それ未満なら郊外型)。この地域は郊外型(需要減)にあたります。需要の側は、この地域の総人口が2025→2045で-0.1%です。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。

機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は94.1%です

薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。中部医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は169軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 159軒=94.1%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 63軒=37.3%、在宅薬学総合体制加算 47軒=27.8%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 138軒=81.7%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。

このレポートの範囲と、正直な限界

  • 【このレポートで言えること】地域単位(二次医療圏・市町村)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
  • 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
  • 【地域の背景には踏み込みません】人口動態や閉局件数の背景にある歴史的・社会的な事情は、当データベースからは判定できません。本レポートは件数と推計人口の並置にとどめ、理由の断定は一切しません。
  • 【処方せんの推計方法】中部医療圏の院外処方せん実績(NDB 2023年・年間2,590,435枚)を、市町村ごとの65歳以上人口シェアで按分した推計です。実際の処方せんは市町村別には公表されていません(NDBの最小単位が二次医療圏のため)。離島の住民が島の外の医療機関を受診して島の外の薬局で調剤を受けた場合、その処方せんは按分では島側に配分されます。実際の受療動向とはずれる可能性があります。
  • 【「経営体力の変化」の意味】圏域全体の処方せん総数を現在の水準に固定したうえで、圏内での高齢人口シェアの移動だけを見た相対値です。圏全体として処方せんが増えるか減るかは、ひとつ上の階層(沖縄県=Lv1)の需要指数で別に示しています(この圏域は2025年を100として2045年に135.0=実数としては増えます)。
  • 【薬局数は2025年で固定】市町村別の推計では、薬局の数はいまのまま変わらないと置いています。新規開局・閉局による将来の店舗数の変化は含みません。
  • 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。沖縄県は高齢化率が全国で2番目に低い県であり、高齢者以外の受診が需要に占める割合が他県より大きい可能性があります。この点は本推計では扱えていません。
  • 【閉局の数え方と集計期間】九州厚生局の保険薬局廃止情報のうち、移転・承継を除いた「真の閉局」だけを数えています(中部医療圏で2件)。廃止届は全部で7件出ていますが、そのうち5件は新しい機関コードが記載されており、別の担い手が事業を引き継いだ=その場所から薬局が消えてはいない、と読めます(内訳は clo_gross / clo_relo として別に保持)。集計期間は直近12ヶ月(2025年5月〜2026年4月)で、兵庫・京都・滋賀・北海道・神奈川・富山・岐阜・三重・石川・静岡の公開値と同じ期間です。福岡県・大阪府・千葉県の公開値(暦年2025)とは期間が異なります(参考として暦年2025の値は真の閉局4件・廃止届6件)。
  • 【閉局件数は2026年5月末時点の名簿にもとづく下限値】名簿には廃止日から掲載までのタイムラグがあり、集計期間内の件数もこの後静かに積み増される可能性があります。また名簿には2024年の5つの号が欠けており(当データベースの収集の穴)、年別内訳(clo_by_year)のうち廃止日2023年12月〜2024年7月の8ヶ月分は実際より少なく数えられています。既定の集計期間(2025年5月〜2026年4月)はこの欠けの影響を受けていないことを号の復元で確認済みです。
  • 【機能の届出率】厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」(8厚生局・47都道府県を同じ月の版でそろえたもの)で数え直し、掲載に切り替えました。分母は名簿に載る169軒で、地域支援・医薬品供給対応体制加算94.1%/かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定)37.3%/在宅薬学総合体制加算27.8%/電子的調剤情報連携体制整備加算(推定)81.7%です。かかりつけ薬剤師と電子的調剤情報連携体制の2項目は、令和8年度改定で届出名称が変わったため代理指標を用いた推定です(本文に明記)。届出は「その体制をとると届け出た」記録で、提供実績ではありません。
  • 【徒歩圏カバー率は直線近似】徒歩分は最寄り薬局までの直線距離×迂回係数1.3÷分速80mで計算しており、OSRM実道路網による実測ではありません(walk_access.access_method = "fallback_haversine")。実測化すると数ポイント下がる傾向があります。最寄りは市町村・医療圏の境界を越えて県内の薬局から探します。直線は海をまたぎますが、徒歩10分=直線約615mを動かす海またぎは実際に架橋済みの水路にほぼ限られます。中部医療圏に沖縄島と橋でつながっていない自治体は無いため、island_ref の対象はありません(うるま市津堅島など自治体内の離島は市町村の値に含まれます)。
  • 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません。薬局の位置は届出上の市町村コードで割り当てています(未割当0件)。
  • 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。
  • 【小さすぎる分母】金武町・嘉手納町・恩納村・宜野座村・北谷町・北中城村・中城村は薬局数が8軒に満たない自治体です。1軒あたりの数値は1店の開廃で大きく振れるため、傾向としてのみお読みください。
  • 【地図の縮尺】中部医療圏の11市町村はすべて沖縄島の上にあり、1枚の地図に同じ縮尺で収まります。地図上の距離は実距離を表しません。
  • 【いま出していない数字】2045年の薬局店数の推計は、いまも出していません(参入と退出の数え方がそろわず、そのまま回すと全国で薬局が2割以上増える計算になってしまうため)。医療圏の「都市型/郊外型」分類は、供給の統計モデルが47都道府県フル学習になったので掲載に切り替えました。

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中部医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)

薬局の分布と、同じ医療圏の市区町村どうしの落差を1冊にまとめました。出典と作成時点を入れてあるので、そのまま社内やご相談の資料にお使いいただけます。受け取る地域をお選びください。

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もっとも近かったのは宮崎県西都児湯ですが、「高齢化率」が基準を超えました。

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自治体・薬剤師会・研究者の方へ。この地域のより詳しい分析や、地域医療構想調整会議・研修でそのまま使える資料の作成を承ります(圏域ブリーフ ¥100,000〜)。個店のランキングや出店指南は行いません。

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