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CrossHealth / 薬局持久度レポート
県土の19.3%に、薬局の7.6%
西部医療圏3市町の薬局を、供給・高齢化・経営体力・徒歩アクセスで見える化。市区町村ごとの詳細レポートは順次公開します。
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西部医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)
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西部医療圏は、日田市・九重町・玖珠町の3市町からなる圏域です。薬局は43軒(県内4位)。面積1,224.6km²は大分県6医療圏で最も広く、県土の19.3%を占めます。いっぽう薬局は43軒=県全体の7.6%で、薬局1軒あたり処方せん12,613枚は県内で最も少ない値です。3市町のすべてで、65歳以上人口はすでにピークを過ぎています。
経営体力(薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化・圏内での相対値)で見ると、いちばん沈むのが九重町(-16.7%)、いちばん伸びるのが日田市(+3.9%)で、その差は20.6ポイント。マイナス側は2市町です。ただしこれは圏内での取り分の話で、圏全体の65歳以上人口は-18.1%と減ります。相対的に伸びる日田市も、絶対量では-14.9%です。65歳以上人口そのものが20%以上減るのは九重町・玖珠町です。九重町は高齢化率が現時点で47.3%(2045年には52.1%)と圏内で最も高く、総人口も-38.1%と圏内でもっとも減ります。薬局がいちばん多いのは日田市の34軒で、圏内の79.1%を占めます(経営体力+3.9%)。広さの受け持ちも違います。日田市は666.3km²に34軒(19.6km²に1軒)、九重町は271.6km²に2軒(135.8km²に1軒)です。ただし九重町は薬局が8軒に満たない小さな分母で、1軒あたりの値は1店の開廃で大きく動きます。閉局の面では、2025年5月〜2026年4月(12ヶ月)にこの圏で出た廃止届は0件でした。ただし『廃止届が0件』は『薬局が閉じなかった』ことの証明ではありません(休止・届出の遅れ・名簿の捕捉率により、消えた店が名簿に載らないことがあります)。
地図 ── 地域差を見る薬局1軒あたり処方せんの、市町ごとの将来
色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化(=経営体力)。緑=圏内で相対的に増える、赤=減る。いちばん赤いのが九重町(-16.7%)、いちばん緑なのが日田市(+3.9%)で、同じ西部医療圏の中に20.6ポイントの開きがあります。この色は圏内での相対値である点にご注意ください(この圏では、緑の日田市も絶対量では-14.9%です)。
人口動態 ── 需要の源西部医療圏は「人も減り、お年寄りも減る」
なぜ市町ごとに明暗が分かれるのか。もとをたどると人口の動きです。西部医療圏全体では、総人口は7.9万→5.6万人(-29.2%)、65歳以上は3.1万→2.6万人(-18.1%)と推移します。高齢化率は39.8%→46.0%。65歳以上のピークは圏全体で2025年——つまり起点の年で、すでに減少局面です。圏内3市町のすべてで、65歳以上人口のピークは2025年(=すでに減少局面)です。薬局のある市町の高齢化率は日田市38.4%から九重町47.3%まで開いています。大分県全体(-6.2%)と同じ「減る」向きで、県平均より急な変化です。
アクセス ── 歩いて行けるか薬局まで歩いて10分の圏内に、47.9%
薬局まで歩いて10分以内に住んでいる人の割合を、250mメッシュの推計人口から出しました。西部医療圏は47.9%(20分以内なら64.8%)で、大分県全体の58.8%と比べると低い水準です。市町別に徒歩10分圏カバー率を見ると、日田市53.7%から九重町13.3%まで開きがあります。なお、この値は実際の道路網をたどった時間ではありません。最寄り薬局までの直線距離に迂回係数1.3を掛け、分速80m(時速4.8km)で割った近似値です(OSRMによる実測は次回更新の予定)。最寄り薬局は市町村・医療圏の境界を越えて探しますが、県境は越えません。福岡県・熊本県・宮崎県に接する地域では、隣県の薬局のほうが近い場合があり、その分カバー率は低めに出ます。
ランキング ── この圏では作れません市町どうしを並べられない圏です
この圏で薬局が8軒以上あるのは日田市だけで、ほかは九重町2軒・玖珠町7軒です。1軒あたりの数値は1店の開廃で大きく振れるため、市町どうしの順位づけはこの圏では行いません。圏としての事実は絶対値でお読みください(薬局1軒あたり12,613枚・1軒あたり面積28.5km²・徒歩10分圏カバー率47.9%)。
県の医療計画県の医療計画は、この圏域をどう書いているか
県が公表した保健医療計画の本文を、原文のまま引用しています(要約・言い換えはしていません)。
○地域小児科センターが存在しない南部及び西部医療圏については、既存の医療機関による連携や当番制、又は各事業の効果的な組み合わせ等によって、圏域内における小児救急医療体制の整備・拡充を図ります。
大分県医療計画(第8次) 第8次大分県医療計画(全体) PDF 86ページ
西部医療圏は、全国の二次医療圏の下位1/3(223位以下)に該当することから、医師少数区域と設定します。
大分県医療計画(第8次) 第8次大分県医療計画(全体) PDF 212ページ
並べているのは「県の計画にこう書いてある」という事実と、実データの数字です。計画の是非は論じません。
くわしい数字3市町データ一覧
| 市区町村 | 薬局 | 高齢率 2025 | 1軒あたり処方せん 2025 → 2045 | 変化 |
|---|---|---|---|---|
| 日田市 | 34 | 38.4% | 11,384 → 11,829 | +3.9% |
| 玖珠町 | 7 | 41.4% | 13,166 → 12,508 | -5.0% |
| 九重町 | 2 | 47.3% | 31,586 → 26,319 | -16.7% |
※処方せん需要は西部医療圏全体の実績(NDB)を市町の高齢人口で按分した推計です。閉局は圏の合計としてのみお読みください(市町別は件数が少なすぎます)。かかりつけ・地域連携・在宅の届出率は、大分県では元データが未取込のため算出できません(0%ではありません)。(→ この波で、厚生局の施設基準届出受理医療機関名簿で数え直した届出率をこのページに載せました。GMISの自己申告からは算出できないという直前の説明は、GMISについてはいまも有効です。)徒歩10分圏カバー率は直線距離からの近似値です。個店のランキングは作りません。
この地図の使い方(3段階のドリルダウン)
- 大分県(ひとつ上・Lv1)=6つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
- 西部医療圏(このページ・Lv2)=3市町で「同じ圏域の中の差」を見る。
- 市区町村(詳細・Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。
医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのかこの圏は郊外型(需要減)です
薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。西部医療圏にいまある43軒それぞれについて、どちらの効き方が強いかを計算し、閉局の起こりやすさで重みづけて足し上げると、競争側の比率は0.36です(0.5以上なら都市型、それ未満なら郊外型)。この地域は郊外型(需要減)にあたります。需要の側は、この地域の総人口が2025→2045で-29.2%です。社人研の推計では、この地域は減り方が急な側(20年で15%超の減少)に入ります。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。
機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は95.3%です
薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。西部医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は43軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 41軒=95.3%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 12軒=27.9%、在宅薬学総合体制加算 7軒=16.3%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 34軒=79.1%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。
このレポートの範囲と、正直な限界
- 【このレポートで言えること】地域単位(二次医療圏・市区町村)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
- 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
- ★【かかりつけ・地域連携・在宅の届出率は出していません(0%ではありません)】薬局機能情報提供制度(GMIS)の機能フラグが、大分県では県内の薬局に1件も立っていません。データが県まるごと未取込である、という意味です。「届出率0.0%」と書くと事実と違うことを公開してしまうため、この3軸はページから外しています。取り込まれ次第、他県と同じ軸を追加します。(同じ状態の都道府県が全国で14県あります。)
- 【処方せんの推計方法】西部医療圏の院外処方せん実績(NDB 2023年・年間542,371枚)を、市町ごとの65歳以上人口シェアで按分した推計です。実際の処方せんは市区町村別には公表されていません(NDBの最小単位が二次医療圏のため)。この圏の院外処方率は70.5%です。
- 【「経営体力の変化」の意味】圏域全体の処方せん総数を現在の水準に固定したうえで、圏内での高齢人口シェアの移動だけを見た相対値です。圏全体として処方せんが増えるか減るかは、ひとつ上の階層(大分県=Lv1)の需要指数で別に示しています(この圏域は2025年を100として2045年に81.9=実数としては減ります)。
- 【薬局数は2025年で固定】市区町村別の推計では、薬局の数はいまのまま変わらないと置いています。新規開局・閉局による将来の店舗数の変化は含みません。
- 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。
- 【閉局の数え方と集計期間】九州厚生局の保険薬局廃止情報のうち、移転・承継を除いた「真の閉局」だけを数えています(西部医療圏で0件)。廃止届は全部で0件出ており、うち0件は新しい機関コードが記載されていて、別の担い手が事業を引き継いだ=その場所から薬局が消えてはいない、と読めます。集計期間は2025年5月〜2026年4月(12ヶ月)です。
- 【閉局の件数は2026年7月29日時点の値です】名簿への掲載遅れ(廃止日から実際に名簿へ載るまでのタイムラグ)があるため、同じ期間の件数が今後も増える可能性があります。上の件数は「少なくともこれだけ」という読み方をしてください。
- ★【この閉局率を、他の地方の県と比べないでください】九州厚生局の廃止名簿は厚生局サイト本体からの収集で、捕捉率が構造的に高いことが分かっています。同じ12ヶ月窓で薬局1軒あたりの廃止届の数を都道府県別に出すと、九州8県は3.78〜9.55%で、東海北陸6県(1.42〜2.65%)をブロックごと上回ります(2026年7月時点の既刊県で見たときの話です)。大分県・この医療圏の閉局率を、東海北陸や近畿の地域と直接比べることはできません。比べられるのは同じ厚生局(福岡・佐賀・長崎・熊本・宮崎・鹿児島・沖縄)までです。また『廃止届が0件』は『薬局が閉じなかった』ことの証明ではありません。
- 【長い窓の件数は下限です】4年窓・全期間窓の件数は、廃止名簿の号が2024年に5号ぶん取り込まれていない(2024-02・2024-03・2024-05・2024-06・2024-08)ため、過少計上のおそれがあります。既定の2025年5月〜2026年4月(12ヶ月)はこの穴の外で、影響を受けません。
- ★【徒歩10分圏カバー率は直線距離からの近似値です】最寄り薬局までの直線距離に迂回係数1.3を掛け、分速80m(時速4.8km)で割って「徒歩◯分」としています。OpenStreetMapの道路網をたどった実測ではありません(実測は次回更新の予定)。実際の道は直線より遠回りになるので、この値は実測より高めに出る傾向があります。人口は250mメッシュの2025年推計(大分県分21,665セル)、最寄り薬局は市町村・医療圏の境界を越えて県内568店から探しています(県境は越えません)。
- 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません。薬局の位置は届出上の市区町村コードで割り当てています(大分県は全店に市区町村コードがあり、未割当0件です)。
- 【面積の使い方】面積は国土数値情報の行政区域(2024年1月1日)から算出しています。1軒あたり面積は「その地域の面積÷薬局数」で、実際に住民が歩く距離ではありません(歩ける距離の話は徒歩10分圏カバー率のほうです)。
- 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。
- 【いま出していない数字】2045年の薬局店数の推計は、いまも出していません(参入と退出の数え方がそろわず、そのまま回すと全国で薬局が2割以上増える計算になってしまうため)。医療圏の「都市型/郊外型」分類は、供給の統計モデルが47都道府県フル学習になったので掲載に切り替えました。
- 【この圏は既定窓の廃止届が0件です】そのため「引き継がれなかった割合」は算出できず null にしています(0%ではありません)。また0件は安全を意味しません(掲載遅れで後から立ちうるほか、休止や届出の遅れで名簿に載らない場合があります)。
- 【小さすぎる分母】九重町・玖珠町は薬局数が8軒に満たない自治体です。1軒あたりの数値は1店の開廃で大きく振れるため、傾向としてのみお読みください。閉局の比率もこの市町については出していません。
- 【この圏では市町どうしの順位を作っていません】薬局8軒以上の自治体が1つしかなく、残りは分母が小さすぎるためです(様式はフルですが、ランキング節だけ「作れません」に差し替えています)。
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