青森県 › 上十三地域(二次医療圏)
CrossHealth / 薬局持久度レポート
院外処方率が、県内でいちばん低い圏です
上十三地域(8市町村・薬局62軒)の薬局を、供給・高齢化・需要で見える化。
この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。
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上十三医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)
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上十三地域の調剤薬局は62軒。処方せんが薬局に出る割合(院外処方率)は79.8%で県内6圏の最低です——ただし全国335医療圏の中では低いほうから154番目で、全国の真ん中より上です。65歳以上人口は2025→2045で-7.2%(県全体は-8.0%)。圏の中には三沢市(+7.1%・ピーク2040年)という、県内でも数少ない「まだ増える市」があります。
この圏の1軒あたり処方せん(18,638枚)が厚く見える背景には、薬局が62軒と少ないことに加えて、院外処方率79.8%という「まだ院内にとどまっている処方」の存在があります。8市町村のうち6つは薬局6軒以下で、十和田市(29軒)と三沢市(13軒)に供給が寄っています。65歳以上人口のピークは三沢市と六ヶ所村が2040年で、残る6市町は2025年——同じ圏の中に、減る側と増える側が同居しています。既定窓(8ヶ月)の真の閉局は3件(七戸町・野辺地町・十和田市に1件ずつ)です。
地図 ── 地域差を見る圏の中の、需要の移りかた
色は圏内での薬局1軒あたり処方せんのシェア移動です。圏の処方せん総量を65歳以上人口で按分しているので、圏の中で相対的にどちらへ動くかを示します。最も下がるのが七戸町(-16.7%)、最も上がるのが三沢市(+15.4%)で、その差は32.1ポイントです。
人口動態 ── 圏の中の落差8市町村のうち6は、もうピークを過ぎています
圏全体では総人口が157,872→116,947人(-25.9%)、65歳以上人口が56,396→52,315人(-7.2%)。高齢化率は35.7%→44.7%です。市町村で見ると65歳以上人口のピークは六ヶ所村が2040年/三沢市が2040年で、残る6市町は2025年——起点です。65歳以上人口の変化は-22.7%(七戸町)から+7.1%(三沢市)まで29.8ポイント開きます。
広さと徒歩圏 ── 「近くの薬局」の実像徒歩10分圏に住む人は37.7%(直線近似)
上十三地域の面積は2,050.8km²で、薬局62軒で割ると1軒あたり33.1km²です。250mメッシュ人口(2025年推計)で見ると、最寄り薬局まで徒歩10分圏に住む人は圏の37.7%(県全体52.4%)、徒歩20分圏で64.2%です。徒歩10分圏カバー率を市町村別に見ると、六ヶ所村の0.0%から三沢市の51.2%まで開きます。※この徒歩分は直線距離×迂回係数1.3÷分速80mの近似で、実際の道路網(OSRM)による実測ではありません。実測化すると数ポイント下がる傾向があり、雪道・冬期の通行止め・公共交通も含みません。最寄りは市町村・医療圏の境界を越えて県内593店から探しています(県境は越えません)。
1軒あたり ── 厚さの分布いちばん厚いのは三沢市。ただし按分の値です
薬局1軒あたりの処方せん(2025年)は圏全体で年18,638枚。薬局8軒以上の自治体(2市)に限ると最も厚いのは三沢市の17,153枚で、最も薄いのは十和田市の14,801枚です。これは圏の処方せん総量を65歳以上人口で按分した推計であって実測ではありません。薬局が1〜4軒の町村では按分値が極端に跳ねるので(素の最大は六ヶ所村(薬局1軒)の55,916枚)、本文の「厚い/薄い」は薬局8軒以上に限って読んでください。
医療計画県の医療計画は、この圏域をどう書いているか
県が公表した保健医療計画の本文を、原文のまま引用しています(要約・言い換えはしていません)。
二次保健医療圏ごとにみると、病院では西北五、上十三地域において全国平均を上回っており、一般診療所では上十三地域において全国平均を上回っています。
青森県保健医療計画(第8次)第8次青森県保健医療計画 全文 PDF 24ページ二次保健医療圏ごとにみると、病院では全ての地域において全国平均を下回っていますが、一般診療所では八戸、青森、上十三地域において全国平均を上回っています。
青森県保健医療計画(第8次)第8次青森県保健医療計画 全文 PDF 25ページ並べているのは「県の計画にこう書いてある」という事実と、実データの数字です。計画の是非は論じません。
くわしい数字8市町村データ一覧
| 市区町村 | 薬局 | 高齢率 2025 | 1軒あたり処方せん 2025 → 2045 | 変化 |
|---|---|---|---|---|
| 十和田市 | 29 | 36.6% | 14,801 → 15,067 | +1.8% |
| 三沢市 | 13 | 29.0% | 17,153 → 19,796 | +15.4% |
| 七戸町 | 6 | 43.6% | 19,714 → 16,419 | -16.7% |
| 東北町 | 5 | 41.3% | 25,596 → 22,437 | -12.3% |
| 野辺地町 | 4 | 42.4% | 23,814 → 20,824 | -12.6% |
| 六戸町 | 3 | 35.1% | 24,144 → 25,357 | +5.0% |
| 横浜町 | 1 | 41.8% | 33,460 → 29,333 | -12.3% |
| 六ヶ所村 | 1 | 27.7% | 55,916 → 61,847 | +10.6% |
※処方せんはNDBの医療圏別実績(2023年)を65歳以上人口で按分した推計で、市町村単位の実測ではありません。薬局数は2025年時点で固定しています。閉局は2025年7月〜2026年2月(8ヶ月)の集計で、移転・承継を除いています(8ヶ月=1年ではありません)。圏内の廃止届は3件しかなく、市町村ごとの閉局率は出していません。届出率は薬局1〜4軒の町村では1店で25〜100ポイント動くため、市町村どうしの比較には使わないでください。個店のランキングは作りません。
この地図の使い方(3段階のドリルダウン)
- 青森県(Lv1)=6つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
- 上十三地域(このページ・Lv2)=圏内の8市町村で「同じ圏域の中の差」を見る。
- 市町村(Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。
医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのかこの圏は郊外型(需要減)です
薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。上十三地域医療圏にいまある62軒それぞれについて、どちらの効き方が強いかを計算し、閉局の起こりやすさで重みづけて足し上げると、競争側の比率は0.22です(0.5以上なら都市型、それ未満なら郊外型)。この地域は郊外型(需要減)にあたります。需要の側は、この地域の総人口が2025→2045で-25.9%です。社人研の推計では、この地域は減り方が急な側(20年で15%超の減少)に入ります。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。廃止届の名簿がそろっている期間が12ヶ月しかありません。この分類は2025〜26年の実績水準がこの先も続くと置いた場合の姿です。東北6県は画像PDFの廃止届が未回収で、閉局の捕捉が下限にとどまる可能性があります(統計的な下限の証拠は出ていませんが、回収の来歴から保守的に扱っています)。この県で数えられた「本当の閉局」は17件と少なく、1件の増減で率が動きます。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。
機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は93.3%です
薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。上十三地域医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は60軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 56軒=93.3%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 29軒=48.3%、在宅薬学総合体制加算 15軒=25.0%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 52軒=86.7%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。このページがこれまで載せていた届出率は、改定前の版の名簿を店名で突き合わせて数えたものでした。並べると、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)は今回48.3%/これまで56.5%(差-8.2ポイント)、地域支援・医薬品供給対応体制加算は今回93.3%/これまで21.0%(差+72.3ポイント)、在宅薬学総合体制加算は今回25.0%/これまで27.4%(差-2.4ポイント)です。差の主な理由は3つで、(1)令和8年度改定で後発医薬品調剤体制加算が地域支援・医薬品供給対応体制加算に統合されたこと(地域支援の届出率が跳ね上がる)、(2)かかりつけ薬剤師指導料が服薬管理指導料に統合され、代理指標に切り替えたこと、(3)これまでが店名の突き合わせ、今回が医療機関コードでの集計であること。どちらかが誤りという意味ではありません。これから先は、47都道府県を同じ月の版でそろえた今回の数え方を主に使います。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。
このレポートの範囲と、正直な限界
- このページの `chg` は圏内での相対値(圏内の高齢人口シェアの移動)です。県ページ(Lv1)の `chg` は絶対値で、意味が違います。
- 圏そのものの65歳以上人口は-7.2%で減る側にあります。圏内で「上がる」市町村も、県全体で見て需要が増えるとは限りません。
- 市町村別の処方せんは実測ではありません。NDBの最小公表単位が二次医療圏のため、65歳以上人口で按分した推計です。薬局が1〜4軒の町村では極端に跳ねます(素の最大は六ヶ所村=薬局1軒の55,916枚)。
- 閉局の既定窓は2025年7月〜2026年2月(8ヶ月)です。**1年ではありません。**東北厚生局の名簿は処理月2026年5月・6月の号が画像PDFで薬局の廃止行を取り込めておらず、完全にそろう連続区間がこの8ヶ月だからです。多年の推移・前年比は作れません。
- 閉局の件数は2026年7月29日時点の名簿にもとづく値です。名簿の掲載遅れにより、同じ窓の件数が今後も増える可能性があります(下限値として読んでください)。
- 圏内の廃止届は3件(真の閉局3件・移転承継0件)です。市町村ごとの閉局率は出していません。3件すべてが真の閉局(移転・承継0件)ですが、廃止届が5件未満の圏では「承継されなかった割合」は1件で大きく動く数字です。割合の比較には使わないでください。
- 圏別の閉局率・年率換算を県内の順位づけに使わないでください(各圏の真の閉局は0〜3件で、1件動くだけで順位が入れ替わります)。
- 十和田市が薬局29軒=圏内の46.8%を占めます。「8市町村のうち何割」という言い方はそのままでは意味を持たないので、本文は「十和田市/それ以外の7市町村」という2つの塊で書いています。
- 薬局が1〜4軒の町村(野辺地町/横浜町/六戸町/六ヶ所村)の届出率は1店で25〜100ポイント動きます。市町村どうしの届出率の比較はしないでください。
- 機能の届出は実測です(`func_available=True`)。東北6県のうち実測できるのは青森県だけで、他の5県と届出率を並べないでください。
- 【徒歩カバー率は直線近似】徒歩10分圏カバー率37.7%は、250mメッシュ推計人口(2025年)と県内の全薬局から直線距離×迂回係数1.3÷分速80mで近似した値です(walk_access.access_method = "fallback_haversine")。OSRM実道路網による実測ではなく、実測化すると数ポイント下がる傾向があります。県境は越えないため、県境沿いは過小に出うる値です。方式の違う県(OSRM実測)と直接比較しないでください。
- 院外処方率79.8%は「県内で最も低い」だけで、全国では真ん中より上(低いほうから154/335番目)です。「分業が遅れている地域」という断定には使わないでください。
- 六ヶ所村(薬局1軒)・横浜町(1軒)の按分値・届出率は分母1の値です。本文の主役にはしていません。
- 薬局数は2025年で固定しています。2045年の薬局店数の推計は、いまも掲載していません(参入と退出の数え方がそろわないため)。医療圏の「都市型/郊外型」の分類は、供給の統計モデルが47都道府県フル学習になったので掲載に切り替えました。
- 個店のランキング・名指しの閉局予測・出店戦略の助言は一切含みません。
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上十三医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)
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