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CrossHealth / 薬局持久度レポート
処方せん需要が、県内でいちばん深く縮む
曽於医療圏3市町の薬局を、供給・高齢化・経営体力で見える化。市区町村ごとの詳細レポートは順次公開します。
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曽於医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)
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曽於医療圏は、曽於市・志布志市・大崎町の3市町からなる圏域です。薬局は29軒(県内8位)。薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化は-26.5%で、鹿児島県9医療圏でいちばん深い縮小です。3市町のすべてで、65歳以上人口はすでにピークを過ぎています。
経営体力(薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化・圏内での相対値)で見ると、いちばん沈むのが曽於市(-4.3%)、いちばん伸びるのが志布志市(+5.3%)で、その差は9.6ポイント。マイナス側は1市町です。ただしこれは圏内での取り分の話で、圏全体の65歳以上人口は-26.5%と減ります。相対的に伸びる志布志市も、絶対量では-22.6%です。65歳以上人口そのものが25%以上減るのは曽於市・大崎町です。曽於市は高齢化率が現時点で45.9%(2045年には49.8%)と圏内で最も高く、総人口も-35.3%と圏内でもっとも減ります。薬局がいちばん多いのは志布志市の14軒で、圏内の48.3%を占めます(経営体力+5.3%)。いまの1軒あたり処方せんは志布志市の10,577枚から大崎町の34,749枚まで3.29倍開きます(ただし大崎町は薬局2軒の小さい分母です)。閉局の面では、既定の直近12ヶ月(2025年5月〜2026年4月)に曽於医療圏で出た廃止届は4件。うち2件は移転・承継で事業が続き、そのまま消えたのは2軒でした。ただし単年の件数はごくわずかで、窓の取り方ひとつで圏ごとの順位が入れ替わります。承継の議論は4年窓で行います。4年(2022年1月〜2025年12月)に出た廃止届10件のうち3件は移転・承継で事業が続き、そのまま消えたのは7軒でした。この7軒は3市町(曽於市・大崎町・志布志市)に出ています。引き継がれなかった割合は70.0%で、鹿児島県全体(48.9%)を上回ります。ただし件数そのものが10件しかないため、1件で10.0ポイント動く数字です。しかもこの4年ぶんの件数は下限です——名簿に2024年の5号ぶんの欠落があり、48ヶ月のうち8ヶ月は取りこぼしている可能性があります。
地図 ── 地域差を見る薬局1軒あたり処方せんの、市町ごとの将来
色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化(=経営体力)。緑=圏内で相対的に増える、赤=減る。いちばん赤いのが曽於市(-4.3%)、いちばん緑なのが志布志市(+5.3%)で、同じ曽於医療圏の中に9.6ポイントの開きがあります。
人口動態 ── 需要の源曽於医療圏は「人も減り、お年寄りも減る」
なぜ市町ごとに明暗が分かれるのか。もとをたどると人口の動きです。曽於医療圏全体では、総人口は6.8万→4.7万人(-30.5%)、65歳以上は2.9万→2.1万人(-26.5%)と推移します。高齢化率は42.5%→44.9%。65歳以上のピークは圏全体で2025年——つまり起点の年で、すでに減少局面です。圏内3市町のすべてで、65歳以上人口のピークは2025年(=すでに減少局面)です。鹿児島県全体(-5.9%)と同じ向きで、県平均より深い変化です。
面積 ── 広がりの軸薬局1軒あたり26.9km²
曽於医療圏の面積は781.5km²、薬局1軒あたり26.9km²です(県内3位の広さ)。市町ごとに見ると志布志市の20.7km²から大崎町の50.4km²まで開きます。ただしこの数字は陸地の広さにすぎない幾何の指標です。道路の形も、移動の所要時間も含みません。「1軒あたり◯km²」を「歩ける距離」と読み替えないでください。徒歩圏カバー率は、250mメッシュ人口は投入済みですが算出が未実装のため、本レポートでは出していません(次回更新で追加予定)。
ランキング ── 市町差経営がしんどくなる市町・楽になる市町
曽於市(-4.3%)から志布志市(+5.3%)まで9.6ポイントの開き。マイナスは1市町です。なお大崎町は薬局が8軒に満たないため、1軒あたりの数値は振れやすい点にご注意ください。
県の医療計画県の医療計画は、この圏域をどう書いているか
この圏域を名指しした記述は、収録済みの計画本文からは見つかりませんでした。
くわしい数字3市町データ一覧
| 市区町村 | 薬局 | 高齢率 2025 | 1軒あたり処方せん 2025 → 2045 | 変化 |
|---|---|---|---|---|
| 志布志市 | 14 | 38.8% | 10,577 → 11,138 | +5.3% |
| 曽於市 | 13 | 45.9% | 14,999 → 14,356 | -4.3% |
| 大崎町 | 2 | 42.5% | 34,749 → 35,000 | +0.7% |
※処方せん需要は曽於医療圏全体の実績(NDB)を市町の高齢人口で按分した推計です。かかりつけ・地域連携・在宅の届出率は、鹿児島県では元データが未取込のため掲載していません。(→ この波で、厚生局の施設基準届出受理医療機関名簿で数え直した届出率をこのページに載せました。GMISの自己申告からは算出できないという直前の説明は、GMISについてはいまも有効です。)個店のランキングは作りません。
この地図の使い方(3段階のドリルダウン)
- 鹿児島県(ひとつ上・Lv1)=9つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
- 曽於医療圏(このページ・Lv2)=3市町で「同じ圏域の中の差」を見る。
- 市町村(詳細・Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。
医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのかこの圏は郊外型(需要減)です
薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。曽於医療圏にいまある29軒それぞれについて、どちらの効き方が強いかを計算し、閉局の起こりやすさで重みづけて足し上げると、競争側の比率は0.00です(0.5以上なら都市型、それ未満なら郊外型)。この地域は郊外型(需要減)にあたります。需要の側は、この地域の総人口が2025→2045で-30.5%です。社人研の推計では、この地域は減り方が急な側(20年で15%超の減少)に入ります。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。
機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は93.1%です
薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。曽於医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は29軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 27軒=93.1%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 17軒=58.6%、在宅薬学総合体制加算 10軒=34.5%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 25軒=86.2%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。
このレポートの範囲と、正直な限界
- 【このレポートで言えること】地域単位(二次医療圏・市町村)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
- 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
- 【処方せんの推計方法】曽於医療圏の院外処方せん実績(NDB 2023年・年間412,554枚)を、市町ごとの65歳以上人口シェアで按分した推計です。実際の処方せんは市町村別には公表されていません(NDBの最小単位が二次医療圏のため)。
- 【「経営体力の変化」の意味】圏域全体の処方せん総数を現在の水準に固定したうえで、圏内での高齢人口シェアの移動だけを見た相対値です。圏全体として処方せんが増えるか減るかは、ひとつ上の階層(鹿児島県=Lv1)の需要指数で別に示しています(この圏域は2025年を100として2045年に73.5=実数としては減ります)。
- 【薬局数は2025年で固定】市町村別の推計では、薬局の数はいまのまま変わらないと置いています。新規開局・閉局による将来の店舗数の変化は含みません。
- 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。
- 【閉局の数え方と集計期間】九州厚生局の保険薬局廃止情報のうち、移転・承継を除いた「真の閉局」だけを数えています。既定の集計期間は直近12ヶ月(2025年5月〜2026年4月)で、九州厚生局管轄8県で統一した窓です(2025-05-01〜2026-04-30)。この期間の曽於医療圏の廃止届は4件・真の閉局は2件です。全国比較(大阪府・千葉県・東京都は暦年2025)には参考窓 clo_alt を使ってください(曽於医療圏は廃止届4件・真の閉局1件)。ただし圏単位の単年は件数が少ないため、本文の承継の議論は4年(2022年1月〜2025年12月)の窓(廃止届10件・真の閉局7件)で行っています。この4年の値を他県の単年値と並べないでください。
- 【4年窓の件数は下限値です】4年窓の件数は【下限値】。九州の廃止名簿に2024年の5号(2024-02・2024-03・2024-05・2024-06・2024-08)の欠落が確定しており(大分係の発見・本レポートでも build_issue_coverage.py で号を復元して再確認)、廃止月は掲載遅れ1〜3ヶ月でm+1〜m+3号に載るため、4年窓48ヶ月のうち8ヶ月(2023-11〜2024-06)は号カバー率が80%未満=過少計上のおそれがある。**既定窓(2025-05〜2026-04)にカバー率の薄い月は無く、影響を受けない。**欠号は九州8県に等しくかかるため、薄い月を全県から除いた集計でも鹿児島県の順位は変わらない(clo_4y_coverage.rank_* を参照)。
- 【機能の届出率】厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」(8厚生局・47都道府県を同じ月の版でそろえたもの)で数え直し、掲載に切り替えました。分母は名簿に載る29軒で、地域支援・医薬品供給対応体制加算93.1%/かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定)58.6%/在宅薬学総合体制加算34.5%/電子的調剤情報連携体制整備加算(推定)86.2%です。かかりつけ薬剤師と電子的調剤情報連携体制の2項目は、令和8年度改定で届出名称が変わったため代理指標を用いた推定です(本文に明記)。届出は「その体制をとると届け出た」記録で、提供実績ではありません。
- 【徒歩圏カバー率も掲載していません】250mメッシュ人口は鹿児島県分が投入済みですが、カバー率の算出は本レポートにはまだ入れていません=次回更新で追加予定です。面積の数字は載せていますが、これは徒歩圏カバー率の代わりにはなりません(道路も、島と島を結ぶ航路も、その便数も、欠航も含まない幾何の数字です)。
- 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません。薬局の位置は届出上の市町村コードで割り当てています(未割当0件)。
- 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。
- 【いま出していない数字】2045年の薬局店数の推計は、いまも出していません(参入と退出の数え方がそろわず、そのまま回すと全国で薬局が2割以上増える計算になってしまうため)。医療圏の「都市型/郊外型」分類は、供給の統計モデルが47都道府県フル学習になったので掲載に切り替えました。
- 【小さすぎる分母】大崎町は薬局数が8軒に満たない自治体です(1市町)。1軒あたりの数値は1店の開廃で大きく振れるため、傾向としてのみお読みください。市町村単位の閉局は件数のみを示し、比率は語りません。
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