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CrossHealth / 薬局持久度レポート
県の薬局の48.4%が集まる圏。その内側は72.6ポイント開いている
広島医療圏(15市区町村・薬局751軒)を市区町村まで下りて見える化。
この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。
広島医療圏には広島県の薬局1,551軒のうち751軒——48.4%があります。構成は15市区町村で、広島市の8行政区と7の市町からなります(広島県で構成市区町村が4つ以上ある医療圏はここだけです)。圏全体では65歳以上人口が+13.6%増え、薬局1軒あたり処方せんも+13.6%と伸びる側です。ですが内側を見ると、65歳以上が減る市区町村が5あり、いちばん減る安芸太田町(-39.9%)といちばん増える安佐南区(+32.7%)の差は72.6ポイント——広島県の医療圏どうしの落差(32.5ポイント)の2.2倍です。65歳以上人口がすでに2025年でピークの市区町村も5あります。
地図 ── 地域差を見る色は「圏内でのシェア移動」
色は圏の処方せんを65歳以上人口で按分したときの、市区町村ごとの1軒あたりの変化です。厳しいほうから安芸太田町(-47.0%)、伸びるほうは安佐南区(+16.9%)。
構造 ── 圏の中の三層政令市8区に薬局88.9%、周辺7市町に11.1%
広島医療圏の薬局751軒のうち668軒が広島市の8行政区にあります。最大は中区の145軒(圏内の19.3%)。残り7市町には83軒です。65歳以上人口の向きで分けると、増える10市区町村(薬局653軒)と、減る5市区町村(薬局98軒=圏内の13.0%)に分かれます。減る側には広島市の区もひとつ入っています——安佐北区(-6.7%・薬局64軒)。高齢化率も安佐南区の22.2%から安芸太田町の53.5%まで開きます。
閉局 ── 圏内でどこが動いたか直近12ヶ月で真の閉局21件・廃止届71件
広島医療圏では廃止届が71件出ており、うち21件が真の閉局(新しい機関コードの発行を伴わない)です。これは広島県全体の真の閉局39件の53.8%にあたります。廃止届が1件も出ていない市区町村は3(安芸太田町・北広島町・坂町)ですが、これは「安全」という意味ではありません——窓が12ヶ月しかなく、しかも先頭の1ヶ月は名簿の号が手元に無くて下限になっており、広島県では多年の窓が作れないためです。完全に埋まっている11ヶ月だけで数えると圏の真の閉局は20件です。また移転・承継50件のうち20件は法人の一斉付け替えで、差し引くと「引き継がれなかった割合」は29.6%→41.2%に上がります。
機能 ── 届出の厚みかかりつけ届出率は圏平均61.4%
圏内の届出率は、かかりつけ薬剤師が安芸太田町80.0% 〜 坂町40.0%、在宅が安芸太田町60.0% 〜 北広島町28.6%。広島県は1,551店すべてにGMISの機能情報があり欠測はありません(分母=薬局数)。ただし安芸太田町5軒・北広島町7軒・坂町5軒は1店の届出で十数ポイント動く分母です。届出はGMISの自己申告であり、実際の提供実績とは別です。
1軒あたり ── 経営体力の目安圏平均は年13,648枚。市区町村では3.94倍
圏のNDB実績(2023年・10,249,799枚)を65歳以上人口で按分し、市区町村の薬局数で割ると、熊野町の27,035枚から中区の6,858枚まで3.94倍開きます。薬局8軒以上の12市区町村に限っても3.94倍です。これは実測ではありません——NDBの最小公表単位が二次医療圏なので、圏の実績を高齢人口で割り振った推計です。
医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのかこの圏は都市型(競争淘汰)です
薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。広島医療圏にいまある751軒それぞれについて、どちらの効き方が強いかを計算し、閉局の起こりやすさで重みづけて足し上げると、競争側の比率は0.83です(0.5以上なら都市型、それ未満なら郊外型)。この地域は都市型(競争淘汰)にあたります。需要の側は、この地域の総人口が2025→2045で-9.9%です。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。
機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は89.9%です
薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。広島医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は713軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 641軒=89.9%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 431軒=60.4%、在宅薬学総合体制加算 312軒=43.8%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 597軒=83.7%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。このページがこれまで載せていた届出率は、改定前の版の名簿を店名で突き合わせて数えたものでした。並べると、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)は今回60.4%/これまで61.4%(差-1.0ポイント)、地域支援・医薬品供給対応体制加算は今回89.9%/これまで42.5%(差+47.4ポイント)、在宅薬学総合体制加算は今回43.8%/これまで46.1%(差-2.3ポイント)です。差の主な理由は3つで、(1)令和8年度改定で後発医薬品調剤体制加算が地域支援・医薬品供給対応体制加算に統合されたこと(地域支援の届出率が跳ね上がる)、(2)かかりつけ薬剤師指導料が服薬管理指導料に統合され、代理指標に切り替えたこと、(3)これまでが店名の突き合わせ、今回が医療機関コードでの集計であること。どちらかが誤りという意味ではありません。これから先は、47都道府県を同じ月の版でそろえた今回の数え方を主に使います。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。
このレポートの範囲と、正直な限界
- 【この色は相対値】市区町村の色は圏内でのシェア移動です。県ページ(Lv1)の色は絶対値(その医療圏の処方せんが実際に増えるか)で、意味が違います。
- 【直近12ヶ月の先頭1ヶ月は下限】中国四国厚生局の名簿は2025年8月号〜2026年7月号の12号しか手元になく、完全に埋まっている廃止月は2025年7月〜2026年5月の11ヶ月が最長です。既定窓の先頭(2025年6月)はカバー率86.3%=下限です。**多年窓は作れません。**廃止届が0件の市区町村を「安全」と読まないでください。
- 【他ブロックと閉局率を並べない】厚生局ごとに名簿の捕捉率が違い、中国四国は収録期間そのものが短いためです。比較は中国5県の中だけで行っています。
- 【承継の数字は2通り】移転・承継50件のうち20件は法人の一斉付け替え(同じ日に同じ屋号がまとめて機関コードを付け替えたもの)です。引き継がれなかった割合は差し引く前29.6%・差し引くと41.2%。真の閉局と真の閉局率は影響を受けません。
- 【市区町村別の処方せんは実測ではない】NDBの最小公表単位が二次医療圏のため、圏の実績を65歳以上人口で按分した推計です。この圏には薬局0軒の市区町村が無いため、市区町村別の1軒あたり処方せんを足し戻すと圏のNDB実績に100.0%で閉じる。
- 薬局8軒未満の市区町村(安芸太田町5軒・北広島町7軒・坂町5軒)は、届出率も1軒あたり処方せんも1店で大きく動く。率の順位づけには使わないこと。
- 【薬局数は2025年で固定】将来の開局・閉局は織り込んでいません。
- 【2045年の薬局店数の推計は、いまも掲載していません(参入と退出の数え方がそろわないため)。医療圏の「都市型/郊外型」の分類は、供給の統計モデルが47都道府県フル学習になったので掲載に切り替えました。
- 【徒歩アクセスはまだ出していません】mesh_backbone_250m に広島県分が33141セル投入済み(2026-07-28時点)です。メッシュはありますが、千葉県版の250mメッシュ徒歩10分カバー率の算出は本レポートにはまだ入れていません=次回更新で追加予定です。面積の指標は行政区域ポリゴンの幾何だけで、道路・公共交通を含みません。
- 【機能の届出はGMISの自己申告】届出があることと実際に提供していることは別です。
- 【言えないこと】なぜこの圏に薬局が集まるのか、なぜ特定の市区町村で閉局が多いのかは、このデータからは分かりません。因果には踏み込んでいません。個々の薬局の将来・ランキング・出店の助言は一切含みません。地域単位の事実だけです。
- 【ジオコードの注意】広島市中心部に、届出住所と座標が食い違う薬局が2店だけ載るフォールバック点があります(届出は呉市・福山市)。本分析は届出住所を正としておりこの圏の薬局数には影響しませんが、座標で割り当てる方式にするとこの圏の薬局が2軒増えてしまいます。
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