CrossHealth / 薬局持久度レポート

県の平均はほぼ横ばい。でも7医療圏のうち4圏は、もう減っている

広島県7の二次医療圏の薬局を、供給・高齢化・需要で見える化。地図の医療圏をクリックすると、市区町村まで下りたレポートへ進めます。

対象 広島県 7二次医療圏・30市区町村期間 2025年 → 2045年概要版・無料

この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。

広島県の調剤薬局は1,551軒。高齢化で処方せんの需要は今後20年、県全体で+2.9%——ほぼ横ばいです。ですがこれは平均の話で、医療圏に割ると-18.9%(備北)から+13.6%(広島)まで32.5ポイント開きます。7医療圏のうち4圏がマイナスで、そこに薬局が419軒——県内の27.0%があります。65歳以上人口がすでに2025年でピークを打っている医療圏も3つ(備北・呉・尾三)あり、そこの薬局は346軒(22.3%)です。一方で薬局の48.4%は広島医療圏の15市区町村に集まっています。広島県は「県全体ではまだ持つ/県北と県南ではもう減っている/薬局は県の真ん中に集まっている」という三層の県です。

+3%
処方せん需要の変化(2025→2045・県全体)
1,551
県内の薬局数
39
直近12ヶ月に閉じた薬局(承継・移転を除く)
4/7
需要がマイナスになる医療圏

地図 ── クリックで深掘り薬局1軒あたり処方せんの、医療圏ごとの将来

色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化。薬局の数がいまのままだと仮定して、高齢化で処方せんがどう動くかを示しています。いちばん厳しいのが備北医療圏(-18.9%)、いちばん伸びるのが広島医療圏(+13.6%)。医療圏をクリックすると、その中の市区町村差まで下りられます。

備北:薬局49軒/1軒あたり処方せん(→2045) -18.9%備北呉:薬局145軒/1軒あたり処方せん(→2045) -17.6%尾三:薬局152軒/1軒あたり処方せん(→2045) -16.1%尾三広島:薬局751軒/1軒あたり処方せん(→2045) +13.6%(クリックで詳細)広島広島中央:薬局113軒/1軒あたり処方せん(→2045) +10.2%広島中央広島西:薬局73軒/1軒あたり処方せん(→2045) -1.7%広島西福山・府中:薬局268軒/1軒あたり処方せん(→2045) +1.7%福山・府中
色=薬局1軒あたり処方せんの変化(→2045)
減る(-19%)増える(+14%)
医療圏そのものの形で塗り分けています。
Requestまだ公開されていない地域も、リクエストできます公開されたら、メールでお知らせします(無料)。 今すぐ必要な方は会員の優先生成へ。
Lv1のこの色は絶対値(その医療圏の処方せんが実際に増えるか)です。医療圏ページ(Lv2)の色は圏内でのシェア移動を示す相対値で、意味が違います。各ページの凡例に従ってお読みください。また広島県の地図では、面積と薬局の数が比例しません。広島医療圏は県の面積の29.6%ですが薬局の48.4%があり、逆に備北医療圏は面積23.9%に対して薬局は3.2%です。広島県は瀬戸内の有人島と中国山地を併せ持つ県で、同じ縮尺の1枚では島しょ部の細かさが読み取れなくなります。

広さ ── 圏の平均では見えないもの薬局1軒あたりの面積は、圏によって13.3倍違う

広島県の面積は8,480km²。薬局1,551軒で割ると1軒あたり5.5km²です。ただしこれも平均で、呉医療圏の3.1km²から備北医療圏の41.3km²まで13.3倍開きます。市区町村まで下りるともっと極端で、神石高原町は薬局2軒に対して1軒あたり191km²——円に直すと半径約8kmです。薬局が1軒も無い自治体は広島県にはありません(この項目を公開している既刊11県のうち、0軒の自治体を持たないのは静岡県の1県だけです)。ただし薬局が8軒に満たない市区町村は6——県内30市区町村の20%で、ここに県内の65歳以上の3.1%が住んでいます。※この面積の指標は行政区域ポリゴンの幾何だけから出したもので、道路・公共交通・島しょ間の航路は含みません。250mメッシュ人口を使った徒歩アクセス率(千葉県版で出したもの)は、広島県分のメッシュが未投入のため出せていません。

人口動態 ── 需要の源県の平均が横ばいなのは、都市圏が北と南の減少を打ち消しているから

広島県全体では、総人口は270万→233万人(-13.9%)と減ります。65歳以上は83万→85万人(+2.9%)で、20年でほとんど増えません。高齢化率は30.7%→36.7%へ上がりますが、それは主に分母(総人口)が減るからです。県全体の65歳以上のピークは2040年。医療圏で見ると、7圏のうち3圏(備北・呉・尾三)がすでに2025年でピークを打っており、そこには薬局が346軒(県内の22.3%)あります。市区町村まで下りると30のうち17が2025年ピークで、そこにある薬局は508軒=県内の32.8%。「圏では横ばい/市区町村では17が減る/そこに薬局が32.8%ある」という三層構造です。

総人口65歳以上
0万70万140万210万280万202520302035204020452050223万83万
実データ(社人研 将来推計人口・2023年推計)。総人口は右肩下がり、65歳以上人口のピークは2040年です。

集中 ── 広島県のかたち薬局48.4%・65歳以上44.8%が広島医療圏に

広島県の薬局1,551軒のうち751軒=48.4%が広島医療圏(15市区町村)にあります。65歳以上人口で見ても44.8%、面積では県の29.6%です。県を4つの地方で畳むと、広島都市圏(西部・中央)(薬局937軒・+11.7%)・県東部(備後)(薬局420軒・-4.6%)・県南部(呉・芸予)(薬局145軒・-17.6%)・県北部(備北)(薬局49軒・-18.9%)。県北部(備北)と県南部(呉・芸予)は65歳以上人口が2割近く減る側で、合わせて薬局194軒(県内の12.5%)です。なお広島医療圏の内側も一様ではありません。圏内でいちばん需要が増える安佐南区(+32.7%)と、いちばん減る安芸太田町(-39.9%)の差は72.6ポイント——県の医療圏どうしの落差(32.5ポイント)の2.2倍です。

閉局 ── 名簿から分かること/分からないこと直近12ヶ月で39軒が閉じ、103件が承継・移転された

中国四国厚生局の保険薬局廃止情報から、広島県で廃止届が出た142件を数えました(2025年6月〜2026年5月(直近12ヶ月・先頭1ヶ月は下限))。このうち39件が新しい機関コードの発行を伴わない真の閉局=その場所から薬局が無くなった件数で、残り103件は移転・承継です。薬局1,551軒に対する真の閉局は2.51%。ただしこの件数は下限です。中国四国厚生局の名簿は手元に12号しか無く、窓の先頭にあたる2025年6月ぶんを運ぶ号(2025年7月号)が手元にありません(カバー率86.3%)。完全に埋まっている11ヶ月だけで数えると真の閉局は36軒(2.32%)です。また他ブロックの県と閉局率を並べることはできません(厚生局が違えば名簿の捕捉率も違います)。同じ中国5県のなかでは、広島県の真の閉局率は2位です。また移転・承継103件のうち36件は、同じ日に同じ屋号がまとめて機関コードを付け替えた法人の一斉付け替えでした。これを差し引くと「引き継がれなかった割合」は27.5%→36.8%に上がります。両方を載せています。

機能 ── 届出の厚みかかりつけ薬剤師の届出率は県平均61.5%

広島県の薬局1,551軒すべてにGMISの機能情報があり(欠測0件)、かかりつけ薬剤師指導料の届出は61.5%、地域連携薬局は40.9%、在宅患者訪問薬剤管理の届出は44.0%です。医療圏では広島中央の69.9%から備北の55.1%まで開きます。在宅は呉47.6% 〜 備北34.7%。兵庫県では在宅届出率の順位が需要の順位と8圏すべてで一致しましたが、広島県で一致するのは1圏だけで、順位相関は0.214です。届出はGMISの自己申告であり、実際の提供実績とは別物です。

1軒あたり ── 経営体力の目安県平均は年12,893枚。圏では1.2倍の差

NDBの2023年実績(院外処方せん19,997,624枚)を薬局数で割ると、広島県の薬局1軒あたりは年12,893枚です。医療圏では広島の13,648枚から備北の11,369枚まで1.2倍。市区町村まで下りると神石高原町の39,876枚から中区の6,858枚まで開きますが、市区町村の値は実測ではありません——NDBの最小公表単位が二次医療圏なので、圏の実績を65歳以上人口で按分した推計です。薬局が少ない町では極端に振れます。

このレポートの範囲と、正直な限界

  • 【直近12ヶ月の先頭1ヶ月は下限】中国四国厚生局の保険薬局廃止名簿は、src_pdfから号を復元したところ手元にあるのは2025年8月号〜2026年7月号の12号だけでした(欠号は0)。掲載遅れは1ヶ月13.0%・2ヶ月以内98.3%なので、完全に埋まっている廃止月は2025年7月〜2026年5月の11ヶ月が最長です。既定窓(2025年6月〜2026年5月)の先頭月はカバー率86.3%で、**この窓の件数は下限**です。完全な11ヶ月の値も併記しています。
  • 【他ブロックとの閉局比較はできない】厚生局ごとに名簿の捕捉率が構造的に違ううえ、中国四国は収録期間そのものが短いためです。閉局率・承継率の県間比較は中国5県(鳥取・島根・岡山・広島・山口)の中だけで行っています。徳島県・高知県は名簿に1件も収録がなく(構造的欠測)、香川県・愛媛県は別ソース系列で復元した号に16号の欠けがあるため、順位づけには使っていません。
  • 【多年の推移が出せない】名簿の収録が2025年8月号からなので、2024年以前の広島県の行は2件しかありません。既刊の「暦年4年」「5暦年の推移」に相当する分析は広島県では作れません。単年(11ヶ月)の圏域ランキングを地域の固定的な性質として読まないでください。
  • 【承継の数字は2通りある】移転・承継100件のうち36件は法人の一斉付け替え(同じ日に同じ屋号がまとめて機関コードを付け替えたもの)です。『引き継がれなかった割合』は差し引く前26.5%・差し引くと36.0%。真の閉局と真の閉局率は定義上この調整の影響を受けません。
  • 【供給動学は出していない】将来の店数(stock_2045)・将来ハザード・機構分類は、モデルが近畿6府県のみを学習しており広島県が学習外のため差し止めています。加えて広島県は名簿の収録が11ヶ月ぶんしかなく、ハザードの時系列を推定できるだけの期間がそもそも存在しません。
  • 【市区町村別の処方せんは実測ではない】NDBの最小公表単位が二次医療圏のため、圏の実績を65歳以上人口で按分した推計です。薬局が少ない市町では極端に振れます。また瀬戸内の島しょ部の住民が本土側で受診・調剤する分は、按分では島側に配分されます。
  • 【薬局数は2025年で固定】将来の開局・閉局は織り込んでいません。1軒あたり処方せんの変化は「いまの店数のまま高齢化が進んだら」の話です。
  • 【小さい分母】備北医療圏は薬局49軒、広島西医療圏は73軒です。市区町村では薬局8軒未満が6つ(神石高原町2軒・大崎上島町3軒・坂町5軒・安芸太田町5軒・世羅町6軒・北広島町7軒)あり、率の順位づけには使えません。薬局が1軒も無い自治体は広島県にはありません。
  • 【徒歩アクセスの軸が無い】mesh_backbone_250m に広島県分が0件のため、千葉県版の250mメッシュ徒歩10分カバー率は出せていません。代わりに面積の指標を置いていますが、これは行政区域ポリゴンの幾何だけで、道路・公共交通・島しょ間の航路を含みません。**徒歩カバー率の代用ではありません。**
  • 【機能の届出はGMISの自己申告】広島県は1,551店すべてに機能情報があり欠測はありませんが、届出があることと実際に提供していることは別です。
  • 【言えないこと】なぜ広島県の県北・県南で人が減るのか、なぜ薬局が広島医療圏に集まるのかは、このデータからは分かりません。因果には踏み込んでいません。個々の薬局の将来・ランキング・出店の助言は一切含みません。地域単位の事実だけです。
  • 【ジオコードの注意】広島市中心部に、届出住所と座標が食い違う薬局が2店だけ載る『フォールバック点』があります(届出は呉市・福山市)。本分析は届出住所を正としており影響を受けませんが、座標で医療圏を割り当てる方式に切り替えると2圏から2店が広島医療圏へ移ります。

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