中医協総会で令和8・9年度医療実態調査や新規薬価収載、経過措置ルールの見直しを承認
令和8年11月6日、中央社会保険医療協議会の第661回総会が開催されました。
今回の総会では、今後の医療政策や保険診療に直結する重要な議題が幅広く審議されました。
具体的には、診療報酬改定後の影響を調べる実態調査の計画や、新医薬品の薬価収載、費用対効果評価による価格の調整などが含まれています。
医療の質向上と持続可能な制度運用の両立に向け、活発な議論が行われました。
中央社会保険医療協議会 総会(第 661 回) 議事次第
令和8年 11 月6日(金)
調査実施小委員会終了後~
議 題
○ 入院・外来医療等の調査・評価分科会からの報告について
○ 医薬品の新規薬価収載について
○ 費用対効果評価の結果を踏まえた薬価の見直しについて
○ 薬価基準から削除する品目について
(議事次第.pdf, Page 1)
1つ目の重要な論点は、令和8年度および令和9年度に実施される「入院・外来医療等の調査」の具体的内容とスケジュールの決定です。
調査は、急性期医療や高度急性期医療、包括期医療、慢性期医療の見直しによる影響を把握することを目的としています。
さらに、医療従事者の負担軽減や働き方改革、外来機能の分化、賃上げの影響なども含む全8項目が設定されました。
令和8年10月から12月にかけて調査が実施され、集計結果の速報は令和9年3月に中医協総会へ報告される予定です。
【基本的な考え方】
• 以下に掲げる8項目について、令和8年度及び令和9年度の2か年で調査を実施する。
• 経過措置の設定の状況も踏まえながら、効果を検証するまでに一定程度の期間が必要であるもの等については令和9年度調査等の工夫を行う。
• 賃上げにかかる調査・検証については、別途、提出される「賃金改善実績報告書」で把握する。
(総-1 令和8年度調査の内容について.pdf, Page 2)
⑤ 調査票に基づき、調査実施(10月~12月)
⑥ 集計及び結果の分析(1月~2月)
⑧ 入院・外来医療等の調査・評価分科会から調査結果の報告(速報)(3月)
(総-1 令和8年度調査の内容について.pdf, Page 16)
2つ目の重要な論点は、新医薬品の薬価収載と費用対効果評価に基づく薬価の引き下げ調整です。
16成分25品目の新医薬品について、令和8年11月13日付での薬価基準収載が示されました。
あわせて、すでに収載されている認知症治療薬「ケサンラ点滴静注350mg」の費用対効果評価結果が示されました。
評価に基づき、同剤の薬価が現行の66,948円から64,315円へと引き下げ改定され、令和9年2月1日から適用されることが承認されました。
新医薬品一覧表(令和8年11月13日収載予定)
品目数 25
成分数 16
(総-2 医薬品の新規薬価収載について.pdf, Page 2)
<価格調整後の薬価>
[公的医療の立場]
No 1
銘柄名 ケサンラ点滴静注 350mg
成分名 ドナネマブ(遺伝子組換え)
規格単位 350mg20mL1 瓶
現行薬価 66,948 円
改定薬価 64,315 円
適用日 令和9年2月1日
(総-4-1 費用対効果評価の結果を踏まえた薬価の見直しについて(ケサンラ).pdf, Page 2)
3つ目の重要な論点は、薬価基準における経過措置期間の設定ルールの変更案と薬価削除対象品目の決定です。
これまで経過措置期間は最大1年間と定められていましたが、医療現場での薬剤廃棄リスクを減らすための新たな運用案が提示されました。
新ルールでは、最終ロットの使用期限満了日の年度末までを原則とし、最長で経過措置移行日から4回目の年度末まで認める方針です。
また、医療上の需要消失などを理由に、関係学会の同意を得た657品目が薬価基準から削除されることも報告されました。
○ 上記課題に対する対応として、今後、経過措置期間については、最終ロットの使用期限が満了する日の年度末までとすることを基本としてはどうか。
○ その際、むやみに経過措置期間を長くもつ品目がないよう、経過措置期間は最長でも経過措置移行日から4回目の年度末を迎える日までを認めることとしてはどうか。
(総-5-2 経過措置期間の変更について.pdf, Page 1)
○ 別添の 657 品目については、関係学会より薬価基準からの削除について了承が得られ、厚生労働省においても薬価削除して差し支えないと判断をした品目である。
(総-5-1 薬価基準から削除する品目について.pdf, Page 1)
今回合意された事項に基づき、新医薬品の収載や経過措置への移行など、具体的な手続きが進められます。
また、薬価基準削除の経過措置期間の見直しは、来年11月の告示分からの導入が検討されています。
医療機関や保険薬局における医薬品の安定供給と適正使用に向け、今後の行政動向が注目されます。
○ 上記方針でお認めいただけた場合には、来年 11 月経過措置告示分から本運用とすることで手続きを進めたい。
(総-5-2 経過措置期間の変更について.pdf, Page 1)
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