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世界の潮流に逆行するアフリカのタバコ栽培、健康と経済を脅かす生産増加の実態

引用元:https://www.who.int/news/item/31-08-2026-africa-tobacco-growing-increases-despite-global-decline

引用元: https://www.who.int/news/item/31-08-2026-africa-tobacco-growing-increases-despite-global-decline


世界保健機関、いわゆるWHOが発表した新しい分析によりますと、世界全体でタバコ葉の生産量が減少する一方で、アフリカ地域では生産量が増加していることが明らかになりました。

この現象は、人々の健康だけでなく、農家の暮らしや環境、さらには持続可能な開発にとっても大きな懸念材料となっています。

アフリカ諸国は、原料となるタバコ葉の生産と輸出を増やす一方で、製品としてのタバコの輸入額も大幅に増やしているという、複雑な課題に直面しているのです。

WHOの担当責任者は、これが単なるタバコ規制の問題にとどまらず、健康や貿易、開発、そして環境にまたがる重大な課題であると指摘しています。

Tobacco-leaf production is declining globally, but rising in Africa, according to a new analysis by the World Health Organization (WHO).

(Africa tobacco growing increases)

主要な論点1:生産量の増加と輸入額の急増がもたらす歪み

まず第一の論点は、アフリカにおけるタバコ葉の生産量とタバコ製品の輸入額が、ともに増加している点です。

WHOのデータによりますと、2012年から2024年の間に、世界全体のタバコ葉生産量は約19%減少しました。

それに対して、アフリカ地域での生産量は、同じ期間に約9%も増加しています。

さらに、アフリカにおけるタバコの輸入額は、8億3300万米ドルから17億7000万米ドルへと、2倍以上に膨れ上がっているのです。

このように、アフリカ諸国が安価な原料としてのタバコ葉を輸出しながら、高額な製造タバコを輸入しているという、歪んだ貿易構造が浮き彫りになっています。

The findings point to a troubling development pattern: African countries are producing and exporting increasing amounts of raw tobacco leaf, while also spending significantly more to import manufactured cigarettes.

(Africa tobacco growing increases)

主要な論点2:一部地域への生産集中と限定的な経済効果

第二の論点は、タバコ生産が特定の国々に集中しており、経済的な恩恵も限定的であるという事実です。

2024年において、アフリカは世界のタバコ葉生産の約11%を占めており、その生産量は63万9000トンを超えています。

この生産は非常に偏っており、ジンバブエ、マラウイ、タンザニア、モザンビーク、ウガンダの5カ国が大部分を占め、東アフリカだけで大陸全体の生産量の約90%に達しています。

また、タバコ産業は経済的に不可欠であると主張されることがありますが、タバコ葉の輸出が国内総生産、つまりGDPの1%を超えるのはマラウイやジンバブエなど一部の国に限られています。

多くの国にとっては、タバコ生産がもたらす健康や社会、環境へのコストの方が、限定的な経済効果をはるかに上回っているのが現状です。

The report shows that Africa accounted for around 11% of global tobacco-leaf production in 2024. Production is highly concentrated, with the five largest producers – Zimbabwe, Malawi, Tanzania, Mozambique and Uganda, in descending order – accounting for the large majority of the continent’s tobacco output. East Africa alone accounts for nearly 90% of African tobacco-leaf production.

(Africa tobacco growing increases)

主要な論点3:健康被害、環境破壊、そして児童労働の課題

第三の論点は、タバコ栽培がもたらす健康、環境、そして社会的な悪影響です。

タバコ農家は、濡れた葉に触れることでニコチンが皮膚から吸収されて起こる「グリーンタバコ病」や、農薬、タバコの粉塵による直接的な健康リスクにさらされています。

環境面では、タバコ栽培によって土壌の劣化や森林減少、さらには大量の水消費が発生し、本来は食料生産に使えるはずの土地や資源が失われています。

また、タバコ葉を乾燥させる工程では、森林伐採や温室効果ガスの排出も問題視されています。

さらに、貧困家庭の子どもたちが家族の収入を補うために、学校を休んでタバコ農場で働かざるを得ないという児童労働の問題も大きな課題です。

Tobacco farming is associated with soil degradation, pesticide exposure, deforestation and greenhouse gas emissions from the curing process. Tobacco farmers also face direct health risks. These include green tobacco sickness, caused by nicotine absorbed through the skin when handling wet tobacco leaves, as well as exposure to pesticides and tobacco dust. In some low- and- middle-income countries, children from poor households miss school to work in tobacco farming to help supplement family income.

(Africa tobacco growing increases)

結び:持続可能な開発に向けた今後の展望

このように、タバコ産業がもたらす多大なコストを削減し、持続可能な開発目標を達成するためには、貿易や開発の政策を公衆衛生と一致させる必要があります。

WHOは、加盟国に対してタバコ栽培から他の持続可能な作物への転換を支援するよう求めています。

具体的には、WHOタバコ規制枠組条約の第17条および第18条に基づき、農家が経済的に自立できる代替手段を見つけ、環境と健康を守る取り組みを進めることが推奨されています。

WHOは、タバコ依存からの脱却を目指す国々に対し、農家コミュニティの保護やタバコ規制の強化、そして貿易に伴う経済的負担の軽減に向けた強力な支援を呼びかけています。

今後、アフリカ諸国が健康被害や経済的負担を減らすために、どのような政策転換を進めていくのか、国際的な支援の動きとともに注視していく必要があります。

Under Articles 17 and 18 of the WHO Framework Convention on Tobacco Control, countries are encouraged to promote economically viable alternatives for tobacco workers and growers and to protect the environment and human health from the harms of tobacco cultivation.

(Africa tobacco growing increases)


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