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生活扶助基準の次回改定に向けた新たな議論、令和6年全国家計構造調査以降の社会経済情勢の反映方法と固定的経費割合の算出手法を検討

引用元:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75756.html

引用元: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75756.html


令和8年8月25日に、第60回社会保障審議会生活保護基準部会が開催されました。

この会議では、生活扶助基準の見直しに向けた議論が行われています。

特に、令和6年の全国家計構造調査の時点から、検証作業のとりまとめ時点までの間に生じた、社会経済情勢の変化をどのように基準に反映させるかが大きなテーマとなりました。

また、低所得世帯の消費実態を分析するための、固定的経費割合の算出方法についても、新たなアプローチが提示されました。

全体的なトーンとしては、インフレ状況下における生活保護受給世帯への影響を慎重に見極めつつ、客観的な統計データに基づいた合理的な改定手法を模索する姿勢が示されています。

社会保障審議会生活保護基準部会(第60回)

令和8年8月25日(火)15時00分~17時00分

於:AP虎ノ門11階A室

< 議 事 次 第 >

1. 開会

2. 議事

・調査実施時点以降の社会経済情勢の変化の反映方法

・固定的経費割合の算出方法について

3. 閉会

(議事次第.pdf, Page 1)

最初の重要な論点は、調査実施時点以降における社会経済情勢の変化の反映方法です。

令和6年全国家計構造調査から今回の検証時点までの間には、一定のタイムラグが存在します。

インフレが進行する状況下においては、この期間の一般低所得世帯の消費動向を適切に勘案する必要があります。

部会では、利用可能な家計調査などの推計精度を考慮した結果、世帯類型や地域によって区分を細分化せず、全世帯一律の変化率を用いて消費水準の変化を反映させることが合理的であると整理されました。

さらに、データの安定性を担保するため、特定の実施月ではなく、標準誤差率が比較的小さい年平均データを用いることが適当とされています。

全国家計構造調査の調査時点から評価時点までの生活扶助基準の水準については、利用可能な家計調査などの推計精度を勘案すると、世帯類型や地域によって区分せず、全世帯一律の変化率で消費水準の変化を反映する方法が合理的と考えられる。

家計調査などにより消費水準の変化を反映する際には、全国家計構造調査の実施月(10~11月)の消費水準の変化ではなく、標準誤差率が比較的小さい年平均データを用いることが適当と考えられる。

((資料1) 調査実施時点以降の社会経済情勢の変化の反映方法.pdf, Page 7)

次に、一般低所得世帯の消費水準の変化を反映する際に参照する、具体的な経済指標の候補が整理されました。

定期検証との整合性や、データの安定性を考慮した結果、全部で7つの指標が検討対象として示されています。

これには、家計調査の公表データから得られる「2人以上勤労者世帯の年収階級第1・十分位」や「総世帯の年収階級第1・十分位」などが含まれます。

さらに、個票データの特別集計を活用する指標や、総務省が公表している世帯消費動向指数、いわゆる「CTIミクロ」を用いる方法も候補に挙がっています。

これらの指標は、低所得世帯の消費動向を捉える力と、統計データとしての安定性や透明性のバランスにおいて、それぞれ異なる特徴と留意点を持っています。

一般低所得世帯の消費水準の変化を反映する際に参照することが考えられる7つの指標について、「定期検証との整合性」や「データの安定性」などの評価軸により、それぞれの特徴や留意点を整理したが、それを踏まえて調査実施時点以降の社会経済情勢の変化をどの指標により反映することが適当と考えられるか。

((資料1) 調査実施時点以降の社会経済情勢の変化の反映方法.pdf, Page 33)

3つ目の重要な論点は、固定的経費割合の算出方法についてです。

低所得世帯の生活水準を検証する指標の一つとして、固定的経費の支出割合が用いられています。

これまでの計算式では、分母に「消費支出全体」が用いられていましたが、教育費などの公的制度の変更による影響を強く受ける懸念が指摘されていました。

そこで今回の部会では、分母に「生活扶助相当支出額」を置き換えて算出する新たな手法が提案されました。

これに伴い、従来の「手法①」と、新しい「手法②」の2つのアプローチを用いて、各支出項目が「固定的経費」か「変動的経費」かを判定する作業が行われました。

この分析の結果、手法②を用いると「調理食品」が固定的経費に追加される一方で、「学校給食」や「自動車等維持」が固定的経費から除外されるなど、判定結果に違いが生じることが確認されました。

本部会において、「固定的経費割合を算出する計算式において、分母が消費支出全体となっているが、教育費のように公的制度の変更の影響を受けることもあるため、生活扶助相当支出額にするべきではないか。」との意見があった。

そのため、以下の2つの手法に基づき、各支出項目について固定的経費・変動的経費の判定を行う。

((資料3)固定的経費割合 of 算出方法について.pdf, Page 5)

今回の部会では、社会経済情勢の変化を反映させるための具体的な方法や、固定的経費を算出するための技術的な手法について、多角的な検討が行われました。

いずれの経済指標を参照する場合であっても、統計的な誤差が含まれることは避けられないため、慎重な見極めが必要です。

今後は、提示された複数の指標や算出手法のメリットとデメリットをさらに精査し、データの安定性を向上させるための方策についても議論が深められる予定です。

次期の生活扶助基準改定に向けて、部会がどのような結論を導き出すのか、引き続きその動向が注視されます。

整理した各評価軸に基づき、全国家計構造調査の調査時点以降の一般低所得世帯の消費水準の変化を反映する際に参照することが考えられる指標について、その特徴や課題等を整理するとともにそれらの安定性を高めるための方策について検討した結果を整理したが、いずれを参照する場合でも、統計的な誤差が含まれることは避けられない。

((資料2)一般低所得世帯の消費動向を勘案するに当たっての経済指標の整理.pdf, Page 20)


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