青森県 › 津軽地域(二次医療圏)
CrossHealth / 薬局持久度レポート
かかりつけも在宅も、届出の率は県内でいちばん低い圏です
津軽地域(8市町村・薬局153軒)の薬局を、供給・高齢化・需要で見える化。
この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。
津軽地域の調剤薬局は153軒で、青森県593軒の25.8%——県内2番目の規模です。うち118軒(77.1%)が弘前市にあります。機能の届出を見ると、かかりつけ52.9%・在宅18.3%はどちらも県内6圏で最も低い率です(県平均はかかりつけ58.9%・在宅28.2%)。65歳以上人口は2025→2045で-8.4%(県全体は-8.0%)。
届出率は薬局の「実力」の直接の物差しではありません。それでも、153軒という県内2番目の分母を持つ圏で、かかりつけ52.9%・在宅18.3%がそろって県内最低であることは、1〜2店のブレでは説明できません。弘前市自体はピーク2030年でまだ増える側(65歳以上-4.8%)にあり、需要が残っているうちに在宅対応の受け皿がどれだけ育つかが、この圏を読む軸になります。既定窓(8ヶ月)の真の閉局は3件で、板柳町・黒石市・弘前市に1件ずつ——特定の町に固まってはいません。西目屋村と田舎館村には薬局がありません。
地図 ── 地域差を見る圏の中の、需要の移りかた
色は圏内での薬局1軒あたり処方せんのシェア移動です。圏の処方せん総量を65歳以上人口で按分しているので、圏の中で相対的にどちらへ動くかを示します。最も下がるのが大鰐町(-22.5%)、最も上がるのが弘前市(+3.9%)で、その差は26.4ポイントです。
人口動態 ── 圏の中の落差8市町村のうち7は、もうピークを過ぎています
圏全体では総人口が256,198→185,451人(-27.6%)、65歳以上人口が92,353→84,562人(-8.4%)。高齢化率は36.0%→45.6%です。市町村で見ると65歳以上人口のピークは弘前市が2030年で、残る7市町村は2025年——起点です。65歳以上人口の変化は-37.4%(西目屋村)から-4.8%(弘前市)まで32.6ポイント開きます。
広さと徒歩圏 ── 「近くの薬局」の実像徒歩10分圏に住む人は54.2%(直線近似)
津軽地域の面積は1,596.3km²で、薬局153軒で割ると1軒あたり10.4km²です。250mメッシュ人口(2025年推計)で見ると、最寄り薬局まで徒歩10分圏に住む人は圏の54.2%(県全体52.4%)、徒歩20分圏で71.8%です。徒歩10分圏カバー率を市町村別に見ると、西目屋村の0.0%から弘前市の67.4%まで開きます。※この徒歩分は直線距離×迂回係数1.3÷分速80mの近似で、実際の道路網(OSRM)による実測ではありません。実測化すると数ポイント下がる傾向があり、雪道・冬期の通行止め・公共交通も含みません。最寄りは市町村・医療圏の境界を越えて県内593店から探しています(県境は越えません)。
1軒あたり ── 厚さの分布いちばん厚いのは平川市。ただし按分の値です
薬局1軒あたりの処方せん(2025年)は圏全体で年14,149枚。薬局8軒以上の自治体(3市)に限ると最も厚いのは平川市の25,327枚で、最も薄いのは弘前市の10,807枚です。これは圏の処方せん総量を65歳以上人口で按分した推計であって実測ではありません。薬局が1〜4軒の町村では按分値が極端に跳ねるので(素の最大は藤崎町(薬局4軒)の28,187枚)、本文の「厚い/薄い」は薬局8軒以上に限って読んでください。
医療計画県の医療計画は、この圏域をどう書いているか
県が公表した保健医療計画の本文を、原文のまま引用しています(要約・言い換えはしていません)。
②入院小児救急(二次救急)県内における入院小児救急については、津軽地域において、病院小児科が毎日交替で対応する小児二次輪番体制がとられ、その他の地域では、それぞれの病院小児科が小児科医の当直や呼び出しで対応しています。
青森県保健医療計画(第8次)第8次青森県保健医療計画 全文 PDF 213ページ二次保健医療圏毎の人口10万人に対する助産師数は、津軽地域では全国平均を上回っていますが、他の圏域は少ない現状となっています。
青森県保健医療計画(第8次)第8次青森県保健医療計画 全文 PDF 307ページ二次保健医療圏ごとにみると、病院では津軽地域において全国平均を下回っており、一般診療所では全ての地域において全国平均を下回っています。
青森県保健医療計画(第8次)第8次青森県保健医療計画 全文 PDF 25ページ並べているのは「県の計画にこう書いてある」という事実と、実データの数字です。計画の是非は論じません。
くわしい数字8市町村データ一覧
| 市区町村 | 薬局 | 高齢率 2025 | 1軒あたり処方せん 2025 → 2045 | 変化 |
|---|---|---|---|---|
| 弘前市 | 118 | 34.6% | 10,807 → 11,232 | +3.9% |
| 黒石市 | 14 | 37.4% | 18,518 → 18,185 | -1.8% |
| 平川市 | 10 | 37.7% | 25,327 → 24,113 | -4.8% |
| 板柳町 | 4 | 41.3% | 27,408 → 24,749 | -9.7% |
| 藤崎町 | 4 | 34.9% | 28,187 → 29,005 | +2.9% |
| 大鰐町 | 3 | 46.5% | 27,855 → 21,589 | -22.5% |
| 西目屋村 | 0 | 40.8% | 薬局なし | ― |
| 田舎館村 | 0 | 37.6% | 薬局なし | ― |
※処方せんはNDBの医療圏別実績(2023年)を65歳以上人口で按分した推計で、市町村単位の実測ではありません。薬局数は2025年時点で固定しています。閉局は2025年7月〜2026年2月(8ヶ月)の集計で、移転・承継を除いています(8ヶ月=1年ではありません)。圏内の廃止届は3件しかなく、市町村ごとの閉局率は出していません。届出率は薬局1〜4軒の町村では1店で25〜100ポイント動くため、市町村どうしの比較には使わないでください。個店のランキングは作りません。
この地図の使い方(3段階のドリルダウン)
- 青森県(Lv1)=6つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
- 津軽地域(このページ・Lv2)=圏内の8市町村で「同じ圏域の中の差」を見る。
- 市町村(Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。
医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのかこの圏は都市型(競争淘汰)です
薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。津軽地域医療圏にいまある153軒それぞれについて、どちらの効き方が強いかを計算し、閉局の起こりやすさで重みづけて足し上げると、競争側の比率は0.59です(0.5以上なら都市型、それ未満なら郊外型)。この地域は都市型(競争淘汰)にあたります。需要の側は、この地域の総人口が2025→2045で-27.6%です。社人研の推計では、この地域は減り方が急な側(20年で15%超の減少)に入ります。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。廃止届の名簿がそろっている期間が12ヶ月しかありません。この分類は2025〜26年の実績水準がこの先も続くと置いた場合の姿です。東北6県は画像PDFの廃止届が未回収で、閉局の捕捉が下限にとどまる可能性があります(統計的な下限の証拠は出ていませんが、回収の来歴から保守的に扱っています)。この県で数えられた「本当の閉局」は17件と少なく、1件の増減で率が動きます。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。
機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は91.8%です
薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。津軽地域医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は158軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 145軒=91.8%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 71軒=44.9%、在宅薬学総合体制加算 24軒=15.2%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 142軒=89.9%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。このページがこれまで載せていた届出率は、改定前の版の名簿を店名で突き合わせて数えたものでした。並べると、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)は今回44.9%/これまで52.9%(差-8.0ポイント)、地域支援・医薬品供給対応体制加算は今回91.8%/これまで24.2%(差+67.6ポイント)、在宅薬学総合体制加算は今回15.2%/これまで18.3%(差-3.1ポイント)です。差の主な理由は3つで、(1)令和8年度改定で後発医薬品調剤体制加算が地域支援・医薬品供給対応体制加算に統合されたこと(地域支援の届出率が跳ね上がる)、(2)かかりつけ薬剤師指導料が服薬管理指導料に統合され、代理指標に切り替えたこと、(3)これまでが店名の突き合わせ、今回が医療機関コードでの集計であること。どちらかが誤りという意味ではありません。これから先は、47都道府県を同じ月の版でそろえた今回の数え方を主に使います。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。
このレポートの範囲と、正直な限界
- このページの `chg` は圏内での相対値(圏内の高齢人口シェアの移動)です。県ページ(Lv1)の `chg` は絶対値で、意味が違います。
- 圏そのものの65歳以上人口は-8.4%で減る側にあります。圏内で「上がる」市町村も、県全体で見て需要が増えるとは限りません。
- 市町村別の処方せんは実測ではありません。NDBの最小公表単位が二次医療圏のため、65歳以上人口で按分した推計です。薬局が1〜4軒の町村では極端に跳ねます(素の最大は藤崎町=薬局4軒の28,187枚)。
- 閉局の既定窓は2025年7月〜2026年2月(8ヶ月)です。**1年ではありません。**東北厚生局の名簿は処理月2026年5月・6月の号が画像PDFで薬局の廃止行を取り込めておらず、完全にそろう連続区間がこの8ヶ月だからです。多年の推移・前年比は作れません。
- 閉局の件数は2026年7月29日時点の名簿にもとづく値です。名簿の掲載遅れにより、同じ窓の件数が今後も増える可能性があります(下限値として読んでください)。
- 圏内の廃止届は3件(真の閉局3件・移転承継0件)です。市町村ごとの閉局率は出していません。3件すべてが真の閉局(移転・承継0件)ですが、廃止届が5件未満の圏では「承継されなかった割合」は1件で大きく動く数字です。割合の比較には使わないでください。
- 圏別の閉局率・年率換算を県内の順位づけに使わないでください(各圏の真の閉局は0〜3件で、1件動くだけで順位が入れ替わります)。
- 弘前市が薬局118軒=圏内の77.1%を占めます。「8市町村のうち何割」という言い方はそのままでは意味を持たないので、本文は「弘前市/それ以外の7市町村」という2つの塊で書いています。
- 薬局0軒は西目屋村/田舎館村です。東北厚生局の現存保険薬局一覧でも0軒で一致しましたが、「空白地」という断定はしません。
- 薬局が1〜4軒の町村(大鰐町/板柳町/藤崎町)の届出率は1店で25〜100ポイント動きます。市町村どうしの届出率の比較はしないでください。
- 機能の届出は実測です(`func_available=True`)。東北6県のうち実測できるのは青森県だけで、他の5県と届出率を並べないでください。
- 【徒歩カバー率は直線近似】徒歩10分圏カバー率54.2%は、250mメッシュ推計人口(2025年)と県内の全薬局から直線距離×迂回係数1.3÷分速80mで近似した値です(walk_access.access_method = "fallback_haversine")。OSRM実道路網による実測ではなく、実測化すると数ポイント下がる傾向があります。県境は越えないため、県境沿いは過小に出うる値です。方式の違う県(OSRM実測)と直接比較しないでください。
- 届出率が低いことは「働きが悪い」ことの証明ではありません。GMISの自己申告にもとづく届出の率であり、届け出ていないだけの店もありえます。それでも県内6圏を同じ物差しで並べたときの差として読めます。
- 薬局数は2025年で固定しています。2045年の薬局店数の推計は、いまも掲載していません(参入と退出の数え方がそろわないため)。医療圏の「都市型/郊外型」の分類は、供給の統計モデルが47都道府県フル学習になったので掲載に切り替えました。
- 個店のランキング・名指しの閉局予測・出店戦略の助言は一切含みません。
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似ている地域
全国335の二次医療圏から、人口規模・高齢化率・薬局の薄さ・医薬分業率で似ている圏を、同じ県を除いて探しました。
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