山形県最上医療圏

CrossHealth / 薬局持久度レポート

8市町村のうち7つが、薬局3軒以下

山形県最上医療圏 8市町村の薬局を、圏内での需要シェアの移動で見える化。

対象 山形県 最上医療圏 8市町村期間 2025年 → 2045年概要版・無料

この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。

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最上医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)

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最上医療圏の調剤薬局は36軒——山形県全体610軒の5.9%で、4医療圏で最少です。しかも新庄市に26軒(圏の72.2%)が集まり、残る7市町村は薬局3軒以下(0軒の村が1つ・注記参照)。65歳以上人口は20年で-19.0%と県内でいちばん深く減り、徒歩10分圏カバー率(直線近似)34.8%も県内でいちばん低い圏です。

36
最上医療圏の薬局数
8
構成市町村
25.5pt
圏内の落差(需要シェアの移動)
8/8
65歳以上がすでにピークの自治体

最上医療圏は8市町村で構成されますが、薬局の分布は新庄市への一極集中です。新庄市以外の7市町村の薬局は合計10軒しかなく、市町村どうしを比べるLv2本来の見方が、この圏では事実上成立しません。1〜2軒の町村では「1軒あたり」がそのまま個店の数字になってしまうため、本文では市町村間の比較をせず、圏全体の数字だけを扱います。圏全体では、65歳以上人口が2045年までに-19.0%減り(8市町村すべてが2025年ピーク)、高齢化率は40.9%→50.9%へ上がります。号がそろっている7ヶ月の廃止届は0件でしたが、これは「安全」ではなく「この7ヶ月に出なかった」だけです。この圏に、65歳以上人口が2045年まで増える自治体はありません(県内で増える3市はすべて村山医療圏)。

地図 ── 地域差を見る圏の中で、処方せんはどこへ動くか

色は圏内での需要シェアの移動です。最上医療圏の処方せん総量を65歳以上人口のシェアで自治体に分け直し、2025年と2045年で比べています。プラスは「圏の中での取り分が増える」、マイナスは「取り分が減る」という意味で、その自治体の処方せんが実際に増えることを意味しません。圏全体では65歳以上が-19.0%減るので、プラスの自治体でも実量は減るか横ばいだと考えてください。絶対値は県のページ(Lv1)の色をご覧ください。

この圏ページ(Lv2)の色は圏内での相対値です。県ページ(Lv1)の色は絶対値で意味が違います。各ページの凡例に従ってお読みください。

徒歩圏 ── 「近くの薬局」の実像(直線近似)徒歩10分圏に住む人は34.8%(直線近似)

250mメッシュ人口(2025年推計)で見ると、最上医療圏で最寄り薬局まで徒歩10分圏(直線近似)に住む人は34.8%(山形県全体55.0%)、20分圏で50.6%です。徒歩10分圏の外には41,438人が住んでいます。市町村別では新庄市の55.3%から舟形町の15.8%まで開きます。薬局0軒の村と、薬局の位置情報が使えず算出できない村が1つずつあります(下の注記)。この値は直線距離×迂回係数1.3÷分速80mの近似で、OSRMの実道路網による実測ではありません(実測化すると数ポイント下がる傾向があります)。冬期の積雪・通行止め・公共交通は含みません。また、座標が使えない24店を県内の供給点から除いて計算した下限値です(下の注記)。

人口動態 ── 需要の源8市町村すべてが、もうピークを過ぎています

最上医療圏の総人口は63,554人→41,426人(-34.8%)、65歳以上人口は26,023人→21,067人(-19.0%)。圏内8市町村はすべて、65歳以上人口が2025年でピークを打っています。ピークがこれから来る自治体はひとつもありません。高齢化率は圏全体で40.9%→50.9%へ、薬局のある自治体別では新庄市の36.8%から舟形町の46.8%までの幅があります(2025年)。

総人口65歳以上
0万2万5万8万10万2025203020352040204520504万2万
実データ(社人研 将来推計人口・2023年推計)。圏全体の65歳以上のピークは2025年。

ランキング ── 1軒あたりの厚み市町村間の「1軒あたり」比較は、この圏ではできません

薬局1軒あたりの処方せん(2025年推計)は、圏全体で年13,045枚。ただし1軒あたりの水準を比較できる規模(薬局8軒以上)の自治体は新庄市だけ(7,939枚)で、残る7市町村は薬局が3軒以下しかありません。数軒しかない町村の「1軒あたり」は事実上その1〜数軒の数字になるため、この圏では市町村間の比較・レンジを出していません(表には注記付きで載せています)。広さで見ると、薬局1軒あたりの面積は圏全体で50.1km²と県内で最も広く、山形県平均15.3km²の3倍を超えます。

真室川町
-12.6%
最上町
-11.0%
大蔵村
-11.0%
──── ここから経営が楽になる地域(需要増)────
戸沢村
-7.7%
金山町
-7.2%
新庄市
+12.9%
薬局0の自治体(鮭川村)はランキング対象外です

医療計画県の医療計画は、この圏域をどう書いているか

県が公表した保健医療計画の本文を、原文のまま引用しています(要約・言い換えはしていません)。

・在宅重症難病患者への地域連携支援体制や大規模災害時対応策について、最上地域難病対策協議会を開催し検討を進めます。

山形県保健医療計画(第8次)第8次山形県保健医療計画 全体版 PDF 302ページ

医療機関数・医師数の少ない最上地域においては特に、今後の新興感染症等の発生に備え、平時からの関係機関の連携、医療提供体制の構築が必要です。

山形県保健医療計画(第8次)第8次山形県保健医療計画 全体版 PDF 289ページ

○令和5年10月に県立新庄病院総合患者サポートセンターに設置した最上地域の在宅医療・介護連携拠点「@ほーむもがみ」において、広域的に取り組む必要のある事業等を支援します。

山形県保健医療計画(第8次)第8次山形県保健医療計画 全体版 PDF 301ページ

並べているのは「県の計画にこう書いてある」という事実と、実データの数字です。計画の是非は論じません。

くわしい数字8市町村データ一覧

市区町村薬局高齢率
2025
1軒あたり処方せん
2025 → 2045
変化
新庄市2636.8%7,939 → 8,963+12.9%
真室川町345.4%17,379 → 15,196-12.6%
最上町245.2%29,534 → 26,294-11.0%
大蔵村243.9%10,575 → 9,407-11.0%
舟形町146.8%37,844 → 34,620-8.5%
戸沢村144.9%30,156 → 27,843-7.7%
金山町141.5%33,766 → 31,343-7.2%
鮭川村046.1%薬局なし

市町村別の詳細ページ(Lv3)新庄市金山町最上町舟形町真室川町大蔵村鮭川村戸沢村

※処方せんはNDBの医療圏別実績(2023年)を65歳以上人口で按分した推計で、市町村別の実測値ではありません。薬局が8軒以上あるのは新庄市だけなので、市町村間の「1軒あたり」比較はしていません。閉局は件数のみ・率は非公開機能の届出率は未算出(0%ではありません)。徒歩カバー率は直線近似の下限値です。

閉局 ── 件数だけ、7ヶ月ぶんです圏ごとの閉局率は出していません

他県版の圏ページには「圏内でこの1年に何軒閉じたか」という率があります。山形県では圏ごとの率を出していません。厚生局が毎月出す廃止機関一覧表のうち3号が画像のPDFで、集計用データに変換する私たちの側の工程が読み飛ばしていたため、もれなく数えられるのは7ヶ月ぶんだけだからです(厚生局はきちんと公表しています。落としていたのは私たちです)。しかもこの7ヶ月は連続しておらず、2025年5〜8月と2025年12月〜2026年2月の2つの区間に分かれています。その7ヶ月の最上医療圏では、廃止届は0件でした。山形県全体では廃止届11件・真の閉局8軒です。0件は「この圏の薬局が安全」という意味ではありません。数えられる期間が7ヶ月しかなく、名簿の掲載遅れで後から件数が立つ可能性もあります。「引き継がれなかった割合」も分子分母が存在しないため定義できません(0%ではありません)。

機能の届出 ── これも出せませんかかりつけ・地域連携・在宅の届出率は未算出です

薬局機能情報提供制度(GMIS)の機能情報が山形県ではほぼ取り込まれておらず、9つの届出項目のどれかに「あり」が立っている薬局は県全体610店中14店しかありません。3指標とも未算出(null)としています。0%ではありません。この圏の薬局がこれらの機能を担っていない、という意味には一切なりません。

医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのかこの圏は郊外型(需要減)です

薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。最上医療圏にいまある36軒それぞれについて、どちらの効き方が強いかを計算し、閉局の起こりやすさで重みづけて足し上げると、競争側の比率は0.47です(0.5以上なら都市型、それ未満なら郊外型)。この地域は郊外型(需要減)にあたります。需要の側は、この地域の総人口が2025→2045で-34.8%です。社人研の推計では、この地域は減り方が急な側(20年で15%超の減少)に入ります。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。廃止届の名簿がそろっている期間が15ヶ月しかありません。この分類は2025〜26年の実績水準がこの先も続くと置いた場合の姿です。東北6県は画像PDFの廃止届が未回収で、閉局の捕捉が下限にとどまる可能性があります(統計的な下限の証拠は出ていませんが、回収の来歴から保守的に扱っています)。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。

機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算は、名簿の全店が届け出ています

薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。最上医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は33軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 33軒すべて、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 20軒=60.6%、在宅薬学総合体制加算 13軒=39.4%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 28軒=84.8%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。

このレポートの範囲と、正直な限界

  • この圏ページの `chg` は圏内での相対値(圏の処方せん総量を65歳以上人口のシェアで分け直したときの移動)。県ページ(Lv1)の `chg` は絶対値で意味が違う。
  • 最上医療圏の65歳以上人口は20年で-19.0%。圏内でプラスの自治体でも、実量が増えるという意味ではない。
  • 薬局数は `ds_only=0`=36軒。ドラッグストア専業は含まない。
  • 市町村→医療圏の対応は `medical_area_master` が唯一の正。
  • ★機能の届出率(かかりつけ・地域連携・在宅)は未算出(null)。GMISの機能情報が山形県ではほぼ未取込で、9項目のどれかに「あり」が立つ薬局は県全体610店中14店しかない。(→ この波で、厚生局の施設基準届出受理医療機関名簿で数え直した届出率をこのページに載せました。GMISの自己申告からは算出できないという直前の説明は、GMISについてはいまも有効です。)0%ではない。
  • ★閉局は件数のみ。圏・市町村の率(閉局率・承継率)は算出していない。号がそろっている7ヶ月の県計が廃止届11件しかないため。
  • ★閉局の件数は7ヶ月ぶんで、しかも連続していない2区間(2025年5〜8月・2025年12月〜2026年2月)の合算。他県版の「直近12ヶ月」「暦年」とは期間が違うので、そのまま並べてはいけない。東北6県の間でも号のそろい方が違い、閉局率の県間比較はできない。
  • ★閉局の件数は2026年7月28日時点の名簿による値。名簿には掲載遅れ(廃止からデータベースに載るまでのタイムラグ)があり、件数は今後も増える可能性がある=下限値として読むこと。
  • ★画像PDF3号(2025-11・2026-05・2026-06)から目視・OCRで復元した5件(真の閉局3・承継2)は、廃止月がすべて既定窓の外なので、この圏ページの件数には影響しない。県の全収録期間の値はデータベース由来のみ(廃止届29件)と復元込み(30件)の両方を`closure_pref_totals` に併記した。どちらも下限値。
  • 市町村別の処方せんは実測ではない。NDBの最小公表単位が二次医療圏なので、65歳以上人口で按分した推計。分母の小さい町村では極端に跳ねる(薬局8軒以上の自治体が新庄市しかないため、本文では市町村間の「1軒あたり」比較をしていない)。
  • 薬局1〜2軒の自治体が5ある(最上町・大蔵村・舟形町・戸沢村・金山町)。市町村単位の集計がそのまま個店の記述になるため、Lv3の対象から外す。
  • 最上医療圏でDB上の薬局が0軒の自治体は鮭川村。人口規模からは0軒があり得る水準だが、薬局の名簿はGMISの自己申告が出所で、古い独立店が欠落しうる。実地の裏取りができるまで「空白地」とは断定しない。また薬局0軒の自治体の高齢人口(圏の6.2%)はどの薬局にも按分されないため、市町村の「1軒あたり×薬局数」を圏内で合計しても圏のNDB実績の100%には閉じず、93.8%に閉じる。
  • 薬局数は2025年時点で固定。将来の開局・閉局は含まない。
  • ★徒歩カバー率は直線近似の下限値。徒歩10分圏カバー率34.8%は、250mメッシュ推計人口(2025年・圏内63,554人)と県内の薬局から、直線距離×迂回係数1.3÷分速80mで近似した値(walk_access.access_method = "fallback_haversine")。OSRM実道路網による実測ではなく、実測化すると数ポイント下がる傾向がある。最寄り薬局は市町村・医療圏の境界を越えて探す(越境あり・県境は越えない)。さらに山形県では、ジオコードに失敗して同一のフォールバック座標に固まった24店(村山圏23・最上圏1)を供給点から除外しているため、除外店の実位置の近隣では実際のカバー率がこの値より高い=下限値である。公開済みの村山Lv2にはまだこの軸が無く、次回更新で4圏そろえる予定。戸沢村は唯一の薬局の座標がこのフォールバック点しかないため、市町村別のカバー率を算出していない(null・0%ではない)。圏の値には戸沢村の住民も分母として含まれており、その分も過小になりうる。
  • 個店のランキング・名指しの閉局予測・出店戦略の助言は含まない。
  • 言えないこと: この圏でどの市町村の閉局が多いか、どの市町村の届出が進んでいるか、将来この圏の薬局が何軒になるか。いずれもデータからは判断できない。

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最上医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)

薬局の分布と、同じ医療圏の市区町村どうしの落差を1冊にまとめました。出典と作成時点を入れてあるので、そのまま社内やご相談の資料にお使いいただけます。受け取る地域をお選びください。

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