宮崎県西諸(二次医療圏)

CrossHealth / 薬局持久度レポート

徒歩10分圏に届かない人が、63.6%

西諸医療圏3市町の薬局を、供給・高齢化・経営体力・徒歩アクセスで見える化。市区町村ごとの詳細レポートは順次公開します。

対象 西諸医療圏 3市町期間 2025年 → 2045年概要版・無料

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西諸医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)

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西諸医療圏は、小林市・えびの市・高原町の3市町からなる圏域です。薬局は38軒(県内5位)。最寄りの薬局まで徒歩10分以内に住む人は36.4%(直線近似・64,752人ベース)。薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化-21.2%は県内7医療圏で2番目に深い縮小です。3市町のすべてで、65歳以上人口はすでにピークを過ぎています。

3
西諸医療圏の市町
38
圏内の薬局数
36.4%
徒歩10分圏カバー率(直線近似)
-12〜+6%
経営体力の変化レンジ(市町差)

経営体力(薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化・圏内での相対値)で見ると、いちばん沈むのがえびの市(-11.8%)、いちばん伸びるのが小林市(+6.3%)で、その差は18.1ポイント。マイナス側は2市町です。ただしこれは圏内での取り分の話で、圏全体の65歳以上人口は-21.2%と減ります。相対的にいちばん伸びる小林市も、絶対量では-16.2%です。いっぽう65歳以上人口そのものが25%以上減るのはえびの市・高原町です。えびの市は高齢化率が現時点で46.0%(2045年には50.0%)と圏内で最も高く、総人口も-36.0%と圏内でもっとも減ります。薬局がいちばん多いのは小林市の24軒で、圏内の63.2%を占めます(経営体力+6.3%)。いまの1軒あたり処方せんはえびの市の13,751枚から高原町の25,287枚まで1.84倍開きます(ただし高原町は薬局3軒の小さい分母です)。閉局の面では、既定の2025年5月〜2026年4月(12ヶ月)に西諸医療圏で出た廃止届は1件。移転・承継は1件も無く、その1件はそのまま消えました(えびの市に出ています)。ただし単年の件数はごくわずかで、窓の取り方ひとつで圏ごとの順位が入れ替わります。承継の議論は5年窓で行います。2021年5月〜2026年4月(5年)に出た廃止届9件のうち4件は移転・承継で事業が続き、そのまま消えたのは5軒でした。引き継がれなかった割合は55.6%で、宮崎県全体(37.5%)を上回ります。ただし件数そのものが9件しかないため、1件で11.1ポイント動く数字です。しかもこの5年ぶんの件数は下限です——名簿に2024年の7ヶ月ぶんに影響する号の欠落があり、60ヶ月のうち7ヶ月は取りこぼしている可能性があります。最後に距離の話をします。この圏で最寄りの薬局まで徒歩10分以内に住む人は36.4%、20分以内で56.3%です(250mメッシュ人口64,752人ベース・直線距離に迂回係数1.3をかけた近似で、OSRM実道路網による実測ではありません)。市町ごとに見るとえびの市の39.8%から高原町の15.6%まで開きます。

地図 ── 地域差を見る薬局1軒あたり処方せんの、市町ごとの将来

色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化(=経営体力)。緑=圏内で相対的に増える、赤=減る。いちばん赤いのがえびの市(-11.8%)、いちばん緑なのが小林市(+6.3%)で、同じ西諸医療圏の中に18.1ポイントの開きがあります。この色は圏内での相対値である点にご注意ください(圏全体では処方せん需要が-21.2%と減る推計なので、緑の市町も絶対量では楽になりません)。

えびの市:薬局11/1軒あたり処方せん -11.8%びの市高原町:薬局3/1軒あたり処方せん -5.1%高原町小林市:薬局24/1軒あたり処方せん +6.3%小林市
色=経営体力の変化(→2045・圏内での相対値)
減る(-12%)増える(+6%)
市区町村そのものの形で塗り分けています。

人口動態 ── 需要の源西諸医療圏は「人も減り、お年寄りも減る」

なぜ市町ごとに明暗が分かれるのか。もとをたどると人口の動きです。西諸医療圏全体では、総人口は6.5万→4.7万人(-27.8%)、65歳以上は2.7万→2.1万人(-21.2%)と推移します。高齢化率は41.9%→45.8%。65歳以上のピークは圏全体で2025年——つまり起点の年で、すでに減少局面です。圏内3市町のすべてで、65歳以上人口のピークは2025年(=すでに減少局面)です。宮崎県全体(-5.3%)と同じ向きで、県平均より深い変化です。

総人口65歳以上
0万2万5万8万10万2025203020352040204520504万2万
実データ(社人研 将来推計人口・2023年推計)。65歳以上のピークは2025年(=起点年)。

距離 ── 広がりと、歩ける範囲徒歩10分圏に36.4%、薬局1軒あたり24.5km²

西諸医療圏の面積は932.0km²、薬局1軒あたり24.5km²です(県内4位の広さ)。市町ごとに見ると小林市の23.7km²から高原町の28.7km²まで開きます。ただし面積は陸地の広さにすぎない幾何の指標で、道路の形も、人の住み方も含みません。そこで今回から、250mメッシュの人口を使った徒歩カバー率を載せました。最寄りの薬局まで徒歩10分以内に住む人は36.4%(県内6位)、20分以内で56.3%。人口の中央値でみると16.4分です。徒歩10分より遠いところに41,182人が住んでいます。市町ごとの落差は24.2ポイントと大きく、えびの市の39.8%に対して高原町は15.6%です(人口の中央値で25.1分)。この徒歩分は直線距離に迂回係数1.3を掛け、分速80mで割った近似値で、OSRMの道路網による実測ではありません。実測にすると数ポイント下がる傾向があります(大阪・千葉での新旧比較より)。山地の勾配・公共交通・医療機関の送迎は含みません。県境は越えていないため、隣県の薬局が近い県境沿いは過小に出ます。

ランキング ── 市町差圏内で相対的に厚くなる市町・薄くなる市町

えびの市(-11.8%)から小林市(+6.3%)まで18.1ポイントの開き。マイナスは2市町です。ただしこの順位は、そのまま「いまの厚さ」ではありません。いま薬局1軒あたりの処方せんがいちばん少ないのはえびの市の13,751枚、いちばん多いのが高原町の25,287枚です。分母が小さいほど1軒あたりは大きく振れるので、薬局8軒以上ある2市町に限ると13,751〜14,272枚(1.04倍)に収まります。なお高原町は薬局が8軒に満たないため、1軒あたりの数値は振れやすい点にご注意ください。

えびの市
-11.8%
──── ここから経営が楽になる地域(需要増)────
高原町
-5.1%
小林市
+6.3%

県の医療計画県の医療計画は、この圏域をどう書いているか

この圏域を名指しした記述は、収録済みの計画本文からは見つかりませんでした。

くわしい数字3市町データ一覧

市区町村薬局高齢率
2025
1軒あたり処方せん
2025 → 2045
変化
小林市2439.6%14,272 → 15,176+6.3%
えびの市1146.0%13,751 → 12,129-11.8%
高原町345.4%25,287 → 24,008-5.1%

※処方せん需要は西諸医療圏全体の実績(NDB)を市町の高齢人口で按分した推計です。徒歩10分圏カバー率は直線近似(OSRM実測ではありません)。かかりつけ・地域連携・在宅の届出率は、宮崎県では元データが未取込のため掲載していません(0%ではありません)。(→ この波で、厚生局の施設基準届出受理医療機関名簿で数え直した届出率をこのページに載せました。GMISの自己申告からは算出できないという直前の説明は、GMISについてはいまも有効です。)閉局は圏の合計としてのみお読みください(市町別は件数が少なすぎます)。個店のランキングは作りません。

この地図の使い方(3段階のドリルダウン)

  • 宮崎県(ひとつ上・Lv1)=7つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
  • 西諸医療圏(このページ・Lv2)=3市町で「同じ圏域の中の差」を見る。
  • 市町(詳細・Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。

西諸医療圏 3市区町村すべての詳細レポート(薬局持久度レポート会員向け・有料)

医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのかこの圏は郊外型(需要減)です

薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。西諸医療圏にいまある38軒それぞれについて、どちらの効き方が強いかを計算し、閉局の起こりやすさで重みづけて足し上げると、競争側の比率は0.29です(0.5以上なら都市型、それ未満なら郊外型)。この地域は郊外型(需要減)にあたります。需要の側は、この地域の総人口が2025→2045で-27.8%です。社人研の推計では、この地域は減り方が急な側(20年で15%超の減少)に入ります。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。

機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は85.7%です

薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。西諸医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は35軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 30軒=85.7%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 22軒=62.9%、在宅薬学総合体制加算 11軒=31.4%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 32軒=91.4%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。

このレポートの範囲と、正直な限界

  • 【このレポートで言えること】地域単位(二次医療圏・市町村)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
  • 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
  • 【処方せんの推計方法】西諸医療圏の院外処方せん実績(NDB 2023年・年間569,655枚)を、市町ごとの65歳以上人口シェアで按分した推計です。実際の処方せんは市町村別には公表されていません(NDBの最小単位が二次医療圏のため)。
  • 【院内処方は含みません】この圏域では年間113,132枚が院内で出ており、院外処方せん率は83.4%です(宮崎県計83.5%・全国80.7%)。上の枚数はすべて院外=薬局に来た分だけの数字です。分業率が動くかどうかは制度と地域の医療提供体制の問題で、本レポートはその是非を判断しません。
  • 【「経営体力の変化」の意味】圏域全体の処方せん総数を現在の水準に固定したうえで、圏内での高齢人口シェアの移動だけを見た相対値です。プラスでも、その市町の処方せんが絶対量で増えるという意味ではありません。圏全体として処方せんが増えるか減るかは、ひとつ上の階層(宮崎県=Lv1)の需要指数で別に示しています(この圏域は2025年を100として2045年に78.8)。
  • 【薬局数は2025年で固定】市町別の推計では、薬局の数はいまのまま変わらないと置いています。新規開局・閉局による将来の店舗数の変化は含みません。
  • 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。
  • 【閉局の数え方と集計期間】九州厚生局の保険薬局廃止情報のうち、移転・承継を除いた「真の閉局」だけを数えています(西諸医療圏で1件)。既定の集計期間は2025年5月〜2026年4月(12ヶ月)で、廃止届は1件・うち移転承継0件。窓を1ヶ月ずらしても県計の件数が変わらないことを確認済みです。2021年5月〜2026年4月(5年)の値(真の閉局5件・廃止届9件)も併記しています。福岡県・東京都など暦年2025で公開している県と並べるときは、参考値の暦年2025(この圏域は真の閉局3件・廃止届4件)を使ってください。なお名簿の掲載遅れ(廃止日からDBに載るまでのタイムラグ)により、固定窓の件数は生成後も静かに増えることがあります(2026-07-29時点の値)。
  • 【★5年ぶんの数字は「下限」です】九州厚生局の廃止名簿は、生CSVの src_pdf から号を復元すると5号が欠落している(2024-02・2024-03・2024-05・2024-06・2024-08号)。廃止月は号の1〜3ヶ月後に載るため、2023-12・…・2024-06 の7ヶ月は3号のうち一部しか取り込めておらず(号カバー率0.101〜0.718)、廃止届が過少に数えられている。5年窓(2021-05〜2026-04)はこの7ヶ月を含むので、真の閉局42件・廃止届112件・年率1.52%はいずれも**下限**として読むこと。該当7ヶ月に宮崎県で記録できている届は12件(うち真の閉局7件)で、実際はこれより多い。既定の12ヶ月窓は薄い月を1つも含まず無傷(True)。
  • 【★閉局データの限界】同じ12ヶ月窓で薬局1軒あたりの廃止届を数えると、九州8県は3.78〜9.55%で、東海北陸6県(1.42〜2.65%)とは1点も重なりません=地方厚生局ブロックごとにレンジがまとまります。この圏域や宮崎県の閉局率を、他の地方の都道府県と直接比べてはいけません。宮崎県内の医療圏どうしは同じ名簿なので比較できますが、件数が少ないため本文では順位づけをしていません。
  • 【閉局は市町別に読まないでください】この圏域の真の閉局1件は、宮崎県全体でも10件しかない事象の一部です。市町ごとに割ると1件の増減で率が数ポイント動きます。市町別の閉局数はJSONには入れていますが、市町どうしの順位づけや「この市町は閉局が多い」という読み方には使えません。なお宮崎県では閉局136件すべてに座標があり、市町に配れない廃止届は0件でした。
  • 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません。薬局の位置は届出上の市町村コードで割り当てています(未割当0件)。
  • 【★徒歩カバー率は直線近似です】徒歩10分圏カバー率(この圏域36.4%)は、250mメッシュごとに最寄りの薬局までの直線距離に迂回係数1.3を掛け、分速80m(時速4.8km)で割った近似で求めています。OSRM(道路網)による実測ではありません。実測にすると数ポイント下がる傾向があります。最寄り薬局は市町村・医療圏の境界を越えて探していますが県境は越えないため、県境沿いは過小に出ます。座標が信用できない薬局8店(県庁のフォールバック点に落ちたもの等)は供給点から除いてあり、その分もカバー率は控えめに出ます。公開済みの西都児湯医療圏のページとLv1(宮崎県)にはこの軸がまだ無く、様式が一時的に非対称です(次回更新で解消予定)。
  • 【機能の届出率】厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」(8厚生局・47都道府県を同じ月の版でそろえたもの)で数え直し、掲載に切り替えました。分母は名簿に載る35軒で、地域支援・医薬品供給対応体制加算85.7%/かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定)62.9%/在宅薬学総合体制加算31.4%/電子的調剤情報連携体制整備加算(推定)91.4%です。かかりつけ薬剤師と電子的調剤情報連携体制の2項目は、令和8年度改定で届出名称が変わったため代理指標を用いた推定です(本文に明記)。届出は「その体制をとると届け出た」記録で、提供実績ではありません。
  • 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。
  • 【いま出していない数字】2045年の薬局店数の推計は、いまも出していません(参入と退出の数え方がそろわず、そのまま回すと全国で薬局が2割以上増える計算になってしまうため)。医療圏の「都市型/郊外型」分類は、供給の統計モデルが47都道府県フル学習になったので掲載に切り替えました。
  • 【★小さすぎる分母】高原町は薬局数が8軒に満たない自治体です(1市町)。1軒あたりの数値は1店の開廃で大きく振れるため、傾向としてのみお読みください。この圏域で薬局8軒以上あるのはえびの市・小林市(合わせて35軒)です。

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西諸医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)

薬局の分布と、同じ医療圏の市区町村どうしの落差を1冊にまとめました。出典と作成時点を入れてあるので、そのまま社内やご相談の資料にお使いいただけます。受け取る地域をお選びください。

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