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CrossHealth / 薬局持久度レポート
県土の39.3%に、薬局の7.9%
飛騨医療圏4市村の薬局を、供給・高齢化・経営体力で見える化。市区町村ごとの詳細レポートは順次公開します。
この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。
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飛騨医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)
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飛騨医療圏は高山・飛騨・下呂の3市と白川村からなり、面積4,178km²は岐阜県の39.3%。そこにある薬局は83軒=県の7.9%で、薬局1軒あたりの面積50.3km²は県平均(10.1km²)の5倍です。それでも薬局1軒あたりの人口は1,530人と県内5圏でいちばん少ない(=人口あたりでは県内でいちばん厚い)——この圏の薄さは、軒数ではなく距離です。処方せん需要は-13.7%と、県内でいちばん深く縮みます。
飛騨医療圏は、高山市(薬局53軒。面積2,178km²は日本の市でいちばん広い)を中心に、飛騨市・下呂市・白川村が並ぶ圏域です。白川村には薬局が1軒もありません(人口1,380人・面積356.6km²)。人口は12.7万→8.9万人(-29.7%)と県内5圏でいちばん深く減り、65歳以上も4.9万→4.2万人(-13.7%)と減ります。4市村すべてで65歳以上人口のピークは2025年——圏のどこにも「これから増える場所」がありません。圏内の落差も残ります。高山市は経営体力+8.0%と持ちこたえる側、飛騨市(-10.9%)・下呂市(-10.1%)は65歳以上が2割以上減る側です。機能の届出では、かかりつけ薬剤師の届出率49.4%が県内5圏でいちばん低く、下呂市は35.3%です。閉局の面では、4年間(2022-05-01〜2026-04-30)の廃止届が圏全体で1件(高山市の移転・承継1件)だけ——ただしこの少なさは名簿の捕捉率の低さも含む下限値で、「閉局が起きない圏」という意味ではありません。
地図 ── 地域差を見る薬局1軒あたり処方せんの、市町村ごとの将来
色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化(=経営体力)。緑=圏内で相対的に増える、赤=減る。いちばん赤いのが飛騨市(-10.9%)、いちばん緑なのが高山市(+8.0%)。薬局の無い白川村は1軒あたりの値が計算できないため「データなし」の色です。
人口動態 ── 需要の源県内でいちばん深く縮む圏
飛騨医療圏全体では、総人口は12.7万→8.9万人(-29.7%)と減り、65歳以上は4.9万→4.2万人(-13.7%)。高齢化率は38.2%→47.0%へ上がり、65歳以上のピークは2025年です。圏内4市町村のうち4市町村ではそのピークがすでに2025年——これから減っていく局面に入っています。高齢化率の高いほうは下呂市の43.6%、低いほうは白川村の34.4%で、2045年にはそれぞれ53.2%・35.9%になります。65歳以上人口が2045年までに減る市町村は4あります。
地理 ── 広さは距離のものさし薬局1軒あたり50.3km²——県内5圏で最大
飛騨医療圏の面積4,178km²は岐阜県の39.3%を占め、5医療圏で最大です。薬局1軒あたりの面積は圏平均50.3km²(県内5圏の最大。最小は岐阜医療圏の2.0km²)。市村別では高山市41.1km²・下呂市50.1km²・飛騨市61.0km²、白川村は薬局0軒です。いっぽう薬局1軒あたりの人口は1,530人と県内5圏で最も少なく(最多は西濃の2,264人)、「1人あたりの軒数」で見ればこの圏は薄くありません。薄いのは「距離」です。旧町村の中心に薬局が点在し、その間の谷ぞいに集落が続きます。薬局0軒の白川村の高齢人口は、1軒あたり処方せんの按分に含まれません(圏の65歳以上の0.98%)。
徒歩圏 ── 「近くの薬局」の実像徒歩10分圏に住む人は48.1%(直線近似)
250mメッシュ人口で見ると、最寄り薬局まで徒歩10分圏に住む人は圏の48.1%(岐阜県全体59.9%)、徒歩20分圏で65.7%です。圏の人口の半分は最寄り薬局まで徒歩10.7分以内に住んでいます。市町村別では白川村の0.0%から高山市の52.9%まで開きます。薬局が1軒も無い白川村は徒歩10分圏の人口が0.0%で、最寄り薬局までの中央値は直線近似でも約385分——圏外(白川町または高山市側)の薬局まで、歩いて行ける距離ではありません。山あいの集落を多く含む圏のため、実際の道路ではこの近似よりさらに遠くなります。※この徒歩分は直線距離×迂回係数1.3÷分速80mの近似で、実際の道路網による実測ではありません(実測にすると下がる傾向があります)。最寄りは市町村・医療圏の境界を越えて探しますが、県境は越えません。
承継 ── 消えた薬局と、続いた薬局4年間の廃止届1件のうち、そのまま消えたのは0件
薬局の廃止届のうち、新しい機関コードが記載されているものは移転や承継で事業が続いた=その場所から薬局が消えてはいません。飛騨医療圏は直近12ヶ月の廃止届が1件しかなく比較になりませんので、4年(2022年5月〜2026年4月(4年))で数えました。それでも4年間の廃止届は1件(うち移転・承継1件)しかなく、承継の割合を語れる分母ではありません。件数のみを記録します。また岐阜県を含む東海北陸ブロックの廃止名簿は画像PDFから起こしたもので、他ブロックより拾えている件数が少ないことが分かっています(同じ12ヶ月で薬局1軒あたりの廃止届は東海北陸6県が1.42〜2.65%、関東信越10県が2.77〜6.62%)。件数は下限値です。他の地方の県の数字と並べないでください。圏どうしの閉局率の順位も、この下限のもとでは読まないでください。
地域の差 ── 市町村差需要が減る市町村・増える市町村
飛騨市(-10.9%)から高山市(+8.0%)まで18.9ポイントの開き。マイナスは2市町村です。飛騨医療圏に薬局8軒未満の自治体はなく、どの市町村も1軒あたりの数値が比較に耐える分母を持っています。薬局が1軒も無い白川村は、1軒あたりの数値が計算できないため地図では「データなし」です。
医療計画 ── 圏域の記述県の医療計画は、この圏域をどう書いているか
県が公表した保健医療計画の本文を、原文のまま引用しています(要約・言い換えはしていません)。
特に中濃圏域、飛騨圏域の病院薬剤師の偏在指標が低く、薬剤師の業態の差や地域差がある状況です。
岐阜県保健医療計画 第8期岐阜県保健医療計画(本編) PDF 388ページ
また、地域医師会等により、各圏域で小児を含めた対応を行う在宅当番医制がとられており、東濃及び飛騨圏域では休日夜間に限らず通年でこの体制がとられています。
岐阜県保健医療計画 第8期岐阜県保健医療計画(本編) PDF 216ページ
圏域別では、特に飛騨圏域の高齢者の割合が約36%と、他の圏域に比べ高くなっています。
岐阜県保健医療計画 第8期岐阜県保健医療計画(本編) PDF 13ページ
並べているのは「県の計画にこう書いてある」という事実と、実データの数字です。計画の是非は論じません。
くわしい数字4市町村データ一覧
| 市区町村 | 薬局 | 高齢率 2025 | 1軒あたり処方せん 2025 → 2045 | 変化 |
|---|---|---|---|---|
| 高山市 | 53 | 35.5% | 9,437 → 10,188 | +8.0% |
| 下呂市 | 17 | 43.6% | 12,462 → 11,200 | -10.1% |
| 飛騨市 | 13 | 42.1% | 11,891 → 10,591 | -10.9% |
| 白川村 | 0 | 34.4% | 薬局なし | ― |
※処方せん需要は飛騨医療圏全体の実績(NDB)を市町村の高齢人口で按分した推計です。個店のランキングは作りません。
この地図の使い方(3段階のドリルダウン)
- 岐阜県(ひとつ上・Lv1)=5つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
- 飛騨医療圏(このページ・Lv2)=4市町村で「同じ圏域の中の差」を見る。
- 市町村(詳細・Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。
機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は86.2%です
薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。飛騨医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は80軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 69軒=86.2%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 41軒=51.2%、在宅薬学総合体制加算 28軒=35.0%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 60軒=75.0%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。このページがこれまで載せていた届出率は、改定前の版の名簿を店名で突き合わせて数えたものでした。並べると、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)は今回51.2%/これまで49.4%(差+1.8ポイント)、地域支援・医薬品供給対応体制加算は今回86.2%/これまで36.1%(差+50.1ポイント)、在宅薬学総合体制加算は今回35.0%/これまで39.8%(差-4.8ポイント)です。差の主な理由は3つで、(1)令和8年度改定で後発医薬品調剤体制加算が地域支援・医薬品供給対応体制加算に統合されたこと(地域支援の届出率が跳ね上がる)、(2)かかりつけ薬剤師指導料が服薬管理指導料に統合され、代理指標に切り替えたこと、(3)これまでが店名の突き合わせ、今回が医療機関コードでの集計であること。どちらかが誤りという意味ではありません。これから先は、47都道府県を同じ月の版でそろえた今回の数え方を主に使います。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。
このレポートの範囲と、正直な限界
- 【このレポートで言えること】地域単位(二次医療圏・市区町村)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
- 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
- 【処方せんの推計方法】飛騨医療圏の院外処方せん実績(NDB 2023年・年間875,145枚)を、市町村ごとの65歳以上人口シェアで按分した推計です。実際の処方せんは市町村別には公表されていません(NDBの最小単位が二次医療圏のため)。またNDBの院外処方せん枚数は処方せんを発行した医療機関の所在地で数えたもので、どこの薬局で調剤されたかではありません。
- 【「経営体力の変化」の意味】圏域全体の処方せん総数を現在の水準に固定したうえで、圏内での高齢人口シェアの移動だけを見た相対値です。圏全体として処方せんが増えるか減るかは、ひとつ上の階層(岐阜県=Lv1)の需要指数で別に示しています(この圏域は2025年を100として2045年に86.3)。
- 【薬局数は2025年で固定】市町村別の推計では、薬局の数はいまのまま変わらないと置いています。新規開局・閉局による将来の店舗数の変化は含みません。
- 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。
- 【閉局の数え方と集計期間】東海北陸厚生局の保険薬局廃止情報のうち、移転・承継を除いた「真の閉局」だけを数えています。既定の12ヶ月(2025年5月〜2026年4月(12ヶ月))では飛騨医療圏の廃止届が1件しかなく率で語れないため、本文の承継の議論は4年(2022年5月〜2026年4月(4年))の値(廃止届1件・真の閉局0件)を使っています。4年ぶんの値を、他県の単年の値と並べないでください。
- 【閉局の件数は下限値】2026年7月号までの名簿にもとづく2026年7月29日時点の値です。名簿への掲載には遅れがあるため、同じ集計期間の件数が今後も増える可能性があります。「この期間の閉局はこれだけ」ではなく「少なくともこれだけ」とお読みください。
- 【★閉局データの限界】東海北陸厚生局の廃止名簿は画像PDF(OCR)から起こしたもので、他ブロックより拾えている件数が少ない可能性が高いことを確認しています。同じ12ヶ月窓で薬局1軒あたりの廃止届を数えると、東海北陸6県が1.42〜2.65%であるのに対し、関東信越10県は2.77〜6.62%、近畿6府県は3.62〜7.51%です。岐阜県の閉局率・承継率を、他の地方の都道府県と直接比べてはいけません。また件数が下限値であるため、岐阜県内の医療圏どうしでも、閉局率の高い・低いを順位として読むことはお勧めしません(本文でも書いていません)。
- 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません。薬局の位置は届出上の市区町村コードで割り当てています。
- 【面積】国土数値情報の市区町村境界(2024年1月1日)から計算した値です(圏計4,178km²)。道路網・標高・公共交通は含みません。広さは「距離のものさし」であって、住民が実際にどれだけ移動するかではありません。
- 【徒歩カバー率は直線近似】徒歩10分圏カバー率48.1%は、250mメッシュ推計人口(2025年)と県内の全薬局から、直線距離×迂回係数1.3÷分速80mで近似した値です(walk_access.access_method = "fallback_haversine")。OSRM実道路網による実測ではなく、実測にすると数ポイント下がる傾向があります。最寄り薬局は市町村・医療圏の境界を越えて探しますが、県境は越えません。隣県の薬局が実際には近い県境の集落では、実態より遠く(カバー率は低く)出ます。冬期の通行止め・公共交通は含みません。
- 【機能の届出率】かかりつけ薬剤師指導料などの届出状況は薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告に基づき、申告データのある83店を分母にしています(圏内全83店のうち)。届出=実際の提供実績ではありません。
- 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。
- 【医療圏の区分】国土数値情報A38由来の医療圏マスタ(NDBの335圏と一致・第8次医療計画準拠)に従っています。岐阜県は岐阜・西濃・中濃・東濃・飛騨の5圏です。
- 【いま出していない数字】2045年の薬局店数の推計と、医療圏の「都市型/郊外型」分類は掲載していません。供給の統計モデルは47都道府県すべてを学習しましたが、岐阜県は閉局名簿の側の条件(収録期間・欠号)が足りず、適用可否表で「不可」と判定されているためです。他県で学習した値の流用はしません。
- 【薬局0軒の白川村】1軒あたりの数値が計算できないため、地図・表では「データなし」です。白川村の高齢人口(圏の65歳以上の0.98%)は処方せんの按分に含まれていません。徒歩10分圏カバー率は0.0%で、最寄り薬局までの直線近似の中央値は約385分です。
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