秋田県大仙・仙北(二次医療圏)

CrossHealth / 薬局持久度レポート

承継の8件すべてが、同じ日の一括付け替え

大仙・仙北医療圏3市町の薬局を、供給・高齢化・経営体力で見える化。市区町村ごとの詳細レポートは順次公開します。

対象 大仙・仙北医療圏 3市町期間 2025年 → 2045年概要版・無料

この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。

大仙・仙北医療圏は、仙北市・美郷町・大仙市の3市町からなる圏域です。薬局は68軒(秋田県の13.7%)。この11ヶ月の承継8件は、すべて同じ日に新機関コードが連番で発番された一括の付け替えでした。処方せん需要は2045年までに-21.3%と減る推計で、65歳以上人口のピークは圏全体で2025年=すでに減少局面です。

3
大仙・仙北医療圏の市町
68
圏内の薬局数
1
11ヶ月に閉じた薬局(承継・移転を除く)
-8〜+3%
経営体力の変化レンジ(自治体差)

この圏域は3市町でできています。経営体力(薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化・圏内での相対値)を並べると、いちばん沈むのが仙北市(-8.0%)、いちばん保つのが大仙市(+3.2%)で、開きは11.2ポイントです。ここで注意していただきたいのは、この色が圏内での相対値だということです。大仙市の+3.2%は「圏内で相対的に保つ」という意味で、絶対値で見ると65歳以上人口は-18.8%です。圏全体では-21.3%減ります。現在の水準では、薬局1軒あたりの処方せんは大仙市の11,099枚から仙北市の16,387枚まで開きます(薬局8軒以上の自治体での比較)。素の最大は美郷町の35,535枚ですが、これは薬局4軒に自治体ぶんの処方せんを按分した計算値で、実測ではありません。閉局については、この11ヶ月に出た廃止届9件のうち8件は移転・承継で事業が続き、そのまま消えたのは1軒でした。ただし承継8件のうち8件は、同じ日(2025年6月30日)に新しい機関コードが連番でまとめて発番された分です。個々の薬局の代替わりが活発だったという意味ではありません。差し引くと「引き継がれなかった割合」は11.1%→100.0%になります。なお、かかりつけ・地域連携・在宅の届出率は、秋田県ではデータの取り込みが済んでおらず算出していません(下の注記)。(→ この波で、厚生局の施設基準届出受理医療機関名簿で数え直した届出率をこのページに載せました。GMISの自己申告からは算出できないという直前の説明は、GMISについてはいまも有効です。)

地図 ── 地域差を見る薬局1軒あたり処方せんの、自治体ごとの将来

色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化(=経営体力)。緑=圏内で相対的に増える、赤=減る。いちばん緑なのが大仙市(+3.2%)、いちばん赤いのが仙北市(-8.0%)で、同じ大仙・仙北医療圏の中に11.2ポイントの開きがあります。この色は圏内での相対値である点にご注意ください。圏全体では処方せん需要は-21.3%と減る推計です。

仙北市:薬局12/1軒あたり処方せん -8.0%仙北市美郷町:薬局4/1軒あたり処方せん -1.9%美郷町大仙市:薬局52/1軒あたり処方せん +3.2%大仙市
色=経営体力の変化(→2045・圏内での相対値)
減る(-8%)増える(+3%)
市区町村そのものの形で塗り分けています。

徒歩圏 ── 「近くの薬局」の実像(直線近似)徒歩10分圏に住む人は30.7%(直線近似)

250mメッシュ人口(2025年推計)で見ると、大仙・仙北医療圏で最寄り薬局まで徒歩10分圏(直線近似)に住む人は30.7%(県全体50.1%)、20分圏で46.0%です。徒歩10分圏の外には76,253人が住んでいます。市町村別では大仙市の36.4%から美郷町の17.3%まで開きます。この値は直線距離×迂回係数1.3÷分速80mの近似で、OSRMの実道路網による実測ではありません(実測化すると数ポイント下がる傾向があります)。冬期の積雪・通行止め・公共交通は含みません。

人口動態 ── 需要の源3市町すべてが、もうピークを過ぎている

なぜ地域で差が出るのか。もとをたどると人口の動きです。大仙・仙北医療圏全体では、総人口は11.0万→7.3万人(-33.5%)と減り、65歳以上も4.7万→3.7万人(-21.3%)と減ります。高齢化率は42.6%→50.4%へ。65歳以上のピークは圏全体で2025年です。圏内3市町はすべて、65歳以上人口が2025年でピークを打っています。ピークがこれから来る自治体はひとつもなく、2050年になっても増え続ける自治体もありません。2045年までに65歳以上が減るのは、全自治体です。

総人口65歳以上
0万5万10万15万20万2025203020352040204520506万3万
実データ(社人研 将来推計人口・2023年推計)。総人口も65歳以上人口も、2025年から減少局面。

ランキング ── 自治体の差相対的に保つ市・先に細る町

仙北市(-8.0%)から大仙市(+3.2%)まで11.2ポイントの開き。マイナスは2、プラスは1(大仙市)です。分母の小ささにはご注意ください。圏内には薬局8軒未満の自治体が1あり(美郷町)、そこでは1軒あたりの数値が大きく振れます。

仙北市
-8.0%
──── ここから経営が楽になる地域(需要増)────
美郷町
-1.9%
大仙市
+3.2%

医療計画県の医療計画は、この圏域をどう書いているか

この圏域を名指しした記述は、収録済みの計画本文からは見つかりませんでした。

くわしい数字3市町データ一覧

市区町村薬局高齢率
2025
1軒あたり処方せん
2025 → 2045
変化
大仙市5241.1%11,099 → 11,452+3.2%
仙北市1246.5%16,387 → 15,082-8.0%
美郷町443.8%35,535 → 34,866-1.9%

※処方せん需要は大仙・仙北医療圏全体の実績(NDB)を自治体の高齢人口で按分した推計です。閉局は圏の合計としてのみお読みください(市町村別は件数が少なすぎます)。機能の届出率は秋田県では算出していません(GMIS未取込)。(→ この波で、厚生局の施設基準届出受理医療機関名簿で数え直した届出率をこのページに載せました。GMISの自己申告からは算出できないという直前の説明は、GMISについてはいまも有効です。)個店のランキングは作りません。

この地図の使い方(3段階のドリルダウン)

  • 秋田県(ひとつ上・Lv1)=8つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
  • 大仙・仙北医療圏(このページ・Lv2)=3市町で「同じ圏域の中の差」を見る。
  • 市町村(詳細・Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。

医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのかこの圏は郊外型(需要減)です

薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。大仙・仙北医療圏にいまある68軒それぞれについて、どちらの効き方が強いかを計算し、閉局の起こりやすさで重みづけて足し上げると、競争側の比率は0.47です(0.5以上なら都市型、それ未満なら郊外型)。この地域は郊外型(需要減)にあたります。需要の側は、この地域の総人口が2025→2045で-33.5%です。社人研の推計では、この地域は減り方が急な側(20年で15%超の減少)に入ります。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。廃止届の名簿がそろっている期間が15ヶ月しかありません。この分類は2025〜26年の実績水準がこの先も続くと置いた場合の姿です。東北6県は画像PDFの廃止届が未回収で、閉局の捕捉が下限にとどまる可能性があります(統計的な下限の証拠は出ていませんが、回収の来歴から保守的に扱っています)。この県で数えられた「本当の閉局」は19件と少なく、1件の増減で率が動きます。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。

機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は91.0%です

薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。大仙・仙北医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は67軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 61軒=91.0%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 27軒=40.3%、在宅薬学総合体制加算 11軒=16.4%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 52軒=77.6%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。

このレポートの範囲と、正直な限界

  • 【このレポートで言えること】地域単位(二次医療圏・市区町村)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
  • 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
  • 【処方せんの推計方法】大仙・仙北医療圏の院外処方せん実績(NDB 2023年・年間915,944枚)を、市町村ごとの65歳以上人口シェアで按分した推計です。実際の処方せんは市町村別には公表されていません(NDBの最小単位が二次医療圏のため)。
  • 【NDBは院外だけを数えています】大仙・仙北医療圏の院外処方率は89.3%で、処方せんのおよそ11%は病院・診療所の中で渡されています。この分は上の推計に入っていません。秋田県内では北秋田医療圏が最も高く(99.2%)、能代・山本医療圏が最も低い(72.5%)です。
  • 【「経営体力の変化」の意味】圏域全体の処方せん総数を現在の水準に固定したうえで、圏内での高齢人口シェアの移動だけを見た相対値です。プラスでも、その市町村の処方せんが絶対量で増えるという意味ではありません。圏全体として処方せんが増えるか減るかは、ひとつ上の階層(秋田県=Lv1)の需要指数で別に示しています(この圏域は2025年を100として2045年に78.7)。
  • 【薬局数は2025年で固定】市町村別の推計では、薬局の数はいまのまま変わらないと置いています。新規開局・閉局による将来の店舗数の変化は含みません。
  • 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。
  • 【★閉局の数え方と集計期間】東北厚生局の保険薬局廃止情報のうち、移転・承継を除いた「真の閉局」だけを数えています(大仙・仙北医療圏で1件)。廃止届は全部で9件出ていますが、そのうち8件は新しい機関コードが記載されており、別の担い手が事業を引き継いだ=その場所から薬局が消えてはいない、と読めます。**集計期間は2025年4月〜2026年2月(11ヶ月)で、1年ぶんではありません。**秋田県では処理月2025年11月の一覧表がスキャン画像のPDFで文字が取り出せず、データベースに1行も入っていませんでした。県全体では該当ページの目視で2件を復元しましたが、この圏域に復元行はありません(DBの値がそのまま既定値です)。率を他県と並べるときは年率換算(圏の年率1.6%)を使い、換算値であることを明示してください。件数は2026年7月時点の名簿による値で、名簿の掲載遅れにより今後も増える可能性があります。**年ごとの推移はこの県では作れません。**
  • 【承継には一括の付け替えが混ざります】この圏域の承継8件のうち8件は、同じ日に新しい機関コードが連番でまとめて発番された分です。地域から薬局が消えたわけでも、新しい担い手が個別に見つかったわけでもありません。差し引くと「引き継がれなかった割合」は11.1%→100.0%になります。真の閉局とその率は、この調整の影響を受けません。
  • 【閉局は市町村別に読まないでください】この圏域の真の閉局1件は秋田県全体でも17件しかない事象の一部です。市町村ごとに割ると0〜1件となり、1件の増減で率が数ポイント動きます。市町村別の閉局数はJSONには入れていますが、市町村どうしの順位づけや「この市は閉局が多い」という読み方には使えません。
  • 【機能の届出率】厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」(8厚生局・47都道府県を同じ月の版でそろえたもの)で数え直し、掲載に切り替えました。分母は名簿に載る67軒で、地域支援・医薬品供給対応体制加算91.0%/かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定)40.3%/在宅薬学総合体制加算16.4%/電子的調剤情報連携体制整備加算(推定)77.6%です。かかりつけ薬剤師と電子的調剤情報連携体制の2項目は、令和8年度改定で届出名称が変わったため代理指標を用いた推定です(本文に明記)。届出は「その体制をとると届け出た」記録で、提供実績ではありません。
  • 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません。位置は届出上の市区町村コードで割り当てています(秋田県は全店に市区町村コードがあり、座標による補完は0件でした)。
  • 【★徒歩カバー率は直線近似】徒歩10分圏カバー率30.7%は、250mメッシュ推計人口(2025年・109,977人)と県内の薬局から、直線距離×迂回係数1.3÷分速80mで近似した値です(walk_access.access_method = "fallback_haversine")。OSRM実道路網による実測ではなく、実測化すると数ポイント下がる傾向があります(河川・線路・冬期条件で迂回が生じるため)。最寄り薬局は市町村・医療圏の境界を越えて探しています(越境あり・県境は越えません)。公開済みの秋田周辺Lv2にはまだこの軸が無く、次回更新で8圏そろえる予定です。
  • 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。
  • 【いま出していない数字】2045年の薬局店数の推計は、いまも出していません(参入と退出の数え方がそろわず、そのまま回すと全国で薬局が2割以上増える計算になってしまうため)。医療圏の「都市型/郊外型」分類は、供給の統計モデルが47都道府県フル学習になったので掲載に切り替えました。

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