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超高齢社会を守る薬剤耐性対策へ日本医療政策機構が高齢者施設での七つの論点と四つの視点を公表

引用元:https://hgpi.org/research/amr-20261023.html

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【論点整理】健康長寿時代に求められるAMR対策―超高齢社会における高齢者の安心と安全な暮 ...>>

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引用元: https://hgpi.org/research/amr-20261023.html


日本医療政策機構は高齢者施設における薬剤耐性(AMR)対策についての論点整理を取りまとめました。

日本は世界に先駆けて超高齢社会を迎えており2040年には高齢化率が35%に達すると予測されています。

高齢者は加齢に伴い免疫力が低下するため感染症にかかりやすい特徴を持っています。

国内における薬剤耐性菌による新規感染症患者の約70%を70歳以上の高齢者が占めているのが現状です。

しかし高齢者施設では耐性菌を保菌しているだけでは無症状であることも多く対策が後回しにされがちです。

こうした現場の実情を踏まえ持続可能な対策を進めるための制度や体制の在り方が整理されました。

既に、国内では薬剤耐性菌による新規感染症患者の約 70%を 70 歳以上の高齢者が占めている。

(HGPI_Discussion-Points_20260930_Addressing-AMR-Measures-for-an-Era-of-Healthy-Lo.pdf, Page 3)

耐性菌を保菌しているだけでは以下のように対策が難しいため、AMR は感染症対策の優先度を判断する三つの視点には当てはまりづらい。そのため、施設内では対策が後回しになりやすい。

(HGPI_Discussion-Points_20260930_Addressing-AMR-Measures-for-an-Era-of-Healthy-Lo.pdf, Page 6)

一つ目の重要な論点は検査体制の明確化と費用負担の再設計です。

高齢者施設の多くは微生物検査の設備を持っておらず外部機関へ検査を委託しています。

全国老人保健施設協会の調査によると抗菌薬を使用した事例の93.5%で検査が行われていませんでした。

症状に基づき経験的な抗菌薬処方が行われている実態が浮かび上がっています。

また介護老人保健施設では日常的な検査費用が介護報酬に包括されるため施設の費用負担が制約となっています。

特別養護老人ホームでも無症状の入所者への予防的なスクリーニング検査は保険算定ができません。

施設の役割や医療提供体制の違いに応じた費用負担や制度上の仕組みを再設計することが求められます。

全国老人保健施設協会の調査によると、抗菌薬を使用した事例の 93.5%で検査が実施されていなかった。

(HGPI_Discussion-Points_20260930_Addressing-AMR-Measures-for-an-Era-of-Healthy-Lo.pdf, Page 8)

老健では、日常的な検査・投薬・処置が介護報酬上の施設サービス費に包括され、診療報酬で算定可能な医療行為が限られている。

(HGPI_Discussion-Points_20260930_Addressing-AMR-Measures-for-an-Era-of-Healthy-Lo.pdf, Page 8)

高齢者施設で AMR 対策を適切に行うためには、高齢者施設における検査の基本的な考え方を定めたうえで、施設の役割や医療提供体制の違いを踏まえ、必要な検査にかかる費用負担や制度上の支援の在り方を整理し、再設計することが求められる。

(HGPI_Discussion-Points_20260930_Addressing-AMR-Measures-for-an-Era-of-Healthy-Lo.pdf, Page 9)

二つ目の論点は抗菌薬使用状況の実態把握とサーベイランスの構築です。

医療保険では詳細なレセプト情報がNDBに集約されますが介護給付費明細書には具体的な処方内容が記録されません。

そのため介護保険の給付によって医療が提供された場合施設内での抗菌薬使用量が把握しにくい構造になっています。

さらにJANISやJ-SIPHEといった既存のサーベイランスシステムは主に医療機関を対象としています。

研究班が介護老人保健施設などを対象に行っている点有病率調査(PPS)は紙の調査票中心で負担が大きいのが現状です。

科学的介護情報システム(LIFE)や既存の診療録データを活用し高齢者施設に合わせた実態把握を進めることが示されました。

介護給付費明細書(介護レセプト)には、入浴介助やリハビリテーションなどのサービスの実施回数は記録されるが、日常的な検査・投薬・処置などの詳細は記録されない。

(HGPI_Discussion-Points_20260930_Addressing-AMR-Measures-for-an-Era-of-Healthy-Lo.pdf, Page 13)

JANIS や J-SIPHE は、微生物検査の結果を継続的に収集し、活用することを前提とした仕組みである。一方、高齢者施設では、日常的に微生物検査を実施する機会が限られている。

(HGPI_Discussion-Points_20260930_Addressing-AMR-Measures-for-an-Era-of-Healthy-Lo.pdf, Page 15)

これまで蓄積されてきた PPS の成果を活用しつつ、施設側の負担を抑えながら継続的に実施できる、高齢者施設の実情に応じたサーベイランスの仕組みが求められている。

(HGPI_Discussion-Points_20260930_Addressing-AMR-Measures-for-an-Era-of-Healthy-Lo.pdf, Page 15)

三つ目の論点は多職種連携や人材育成と縦割りを克服する行政基盤の整備です。

高齢者施設では日常ケアを通じて感染予防を行う介護職への体系的な教育機会が不足しています。

また医師や看護職に対する最新知見の共有や地域における専門的な支援体制の整備も急務となっています。

制度面では厚生労働省の医政局や感染症対策部や老健局に加え国土交通省など複数の部局が関連しています。

さらに自治体内部でも保健対応を担う保健部門と施設を管理する福祉部門の連携が必要です。

感染症対応に必要な財源を介護保険だけでなく医療保険や公費を含めてどのように分担するか整理することが提示されました。

介護職を対象とした研修では、標準予防策を中心とした内容が一般的であり、耐性菌を主題として扱う機会は少ない。

(HGPI_Discussion-Points_20260930_Addressing-AMR-Measures-for-an-Era-of-Healthy-Lo.pdf, Page 11)

厚生労働省内でも医政局、健康・生活衛生局感染症対策部、老健局のほか、サービス付き高齢者向け住宅など高齢者の住まいに関する施策を所管する国土交通省など、複数の省庁および部局が関わっている。

(HGPI_Discussion-Points_20260930_Addressing-AMR-Measures-for-an-Era-of-Healthy-Lo.pdf, Page 16)

感染症対策に要する費用を介護保険のみで支えるのではなく、医療保険や公費を含め、それぞれの制度がどの範囲を担うのかを整理することも重要である。

(HGPI_Discussion-Points_20260930_Addressing-AMR-Measures-for-an-Era-of-Healthy-Lo.pdf, Page 17)

世界保健機関(WHO)は2026年5月にAMR対策グローバルアクションプランを更新しました。

医療機関だけでなく高齢者施設などの長期ケア施設でも感染症対策を推進する方針が示されています。

これを受け日本でも2028年から新しいAMR対策アクションプランが開始される見込みです。

今後の検討にあたっては感染管理と生活の質の維持を両立させることが重視されます。

本人の意思の尊重や当事者参画による合意形成および耐性菌保菌者に対する偏見や差別の防止も重要となります。

高齢者の安心と安全な暮らしを地域社会全体で支える取り組みの進展が注目されます。

2026 年 5 月に 11 年振りに更新された世界保健機関(WHO: World Health Organization)などによる AMR 対策グローバルアクションプランでも、医療機関だけではなく、高齢者施設などの長期ケア施設に至るまで、全ての医療・介護の現場で感染症対策を推進すべきという方向性が新たに提示されている。

(HGPI_Discussion-Points_20260930_Addressing-AMR-Measures-for-an-Era-of-Healthy-Lo.pdf, Page 20)

高齢者施設における AMR 対策を推進するうえで、施設の種類や職種、立場の違いを越えて共通して持つべき視点を整理する。

(HGPI_Discussion-Points_20260930_Addressing-AMR-Measures-for-an-Era-of-Healthy-Lo.pdf, Page 18)


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