鳥取県中部医療圏

CrossHealth / 薬局持久度レポート

徒歩10分の中にいるのは、住民の35.2%です

鳥取県中部医療圏の5市町村の薬局を、供給・高齢化・需要・徒歩アクセスで見える化。色は圏内でのシェア移動です。

対象 鳥取県中部医療圏 5市町村期間 2025年 → 2045年概要版・無料

この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。

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中部医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)

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中部医療圏の調剤薬局は53軒——鳥取県269軒の19.7%で、県内3医療圏でいちばん少ない圏です。5市町にある薬局のうち40軒が倉吉市に集まり、残る4町は6軒・4軒・2軒・1軒。65歳以上人口は2045年までに-10.9%減り、これは県内3圏で最も深い縮小です。そして徒歩10分以内に薬局がある場所に住んでいるのは、住民の35.2%(県全体53.0%)にとどまります。

5
圏内の市町村
53
圏内の薬局数
35.2%
徒歩10分以内に住む人の割合(直線近似)
-10.9%
圏全体の65歳以上人口の変化

面積で見ると、中部医療圏は薬局1軒あたり14.7km²で、県内でいちばん疎な東部医療圏(16.5km²)より「密」に見えます。ところが徒歩10分カバー率は35.2%と、東部の54.0%・西部の59.5%を大きく下回ります。倉吉市以外の4町では、薬局まで10分以内に歩ける人の割合が7.2%〜31.9%しかありません。人口で重みづけした所要時間の中央値は圏全体で16.7分(倉吉市は9.5分)です。圏の人口92,838人のうち60,123人が徒歩10分より遠くに住んでいる計算になります。面積あたりの薬局数は、住民から薬局までの距離の代わりにはなりません。

地図 ── 地域差を見る薬局1軒あたり処方せんの、圏内でのシェア移動

色は圏内での相対値です。圏全体の処方せんを、その市町村の65歳以上人口のシェアで割り振ったうえで、2025→2045の変化を見ています。プラスは「圏の中で取り分が増える側」、マイナスは「減る側」という意味で、処方せんの実数が増えるという意味ではありません(圏全体では-10.9%です)。

Lv1(県)の地図とは意味が違います。県の地図は絶対値(その医療圏の処方せんが実際に増えるか)で、鳥取県は3圏ともマイナスでした。このページの色は圏内での相対値です。湯梨浜町の+11.3%は「圏の中で取り分が増える」という意味で、中部医療圏の実数は-10.9%です。

徒歩アクセス ── 薬局まで歩いて何分か徒歩10分以内に住んでいるのは35.2%です

250mメッシュの人口を使い、最寄りの薬局まで歩いて何分かかるかを計算しました(直線距離×迂回係数1.3÷分速80mによる近似で、道路網を実際にたどった値ではありません)。中部医療圏では住民の35.2%が徒歩10分以内、57.9%が20分以内に住んでいます。10分より遠いところに住む人は60,123人、人口で重みづけした所要時間の中央値は16.7分です。県全体は53.0%で、この圏は3医療圏のなかで最も低い水準です。市町村では三朝町(7.2%)から倉吉市(51.5%)まで開きます。面積あたりの薬局数(1軒あたり14.7km²)とこのカバー率は順番が一致しません。面積は人の住まない山地も分母に入るためで、住民から薬局までの距離を見るにはこの徒歩カバー率のほうが近い指標です。

人口動態 ── 圏の中の時間差5市町村のうち4で、65歳以上人口はもう減っています

中部医療圏の総人口は92,838→72,046人(-22.4%)、65歳以上人口は34,649→30,857人(-10.9%)。高齢化率は37.3%→42.8%です。65歳以上人口がすでに2025年でピークを打っている市町村は4/5で、残る湯梨浜町のピークは2030年です。薬局のある自治体の高齢化率(2025年)は33.8%から42.3%まで開きます。

総人口65歳以上
0万2万5万8万10万2025203020352040204520507万3万
実データ(社人研 将来推計人口・2023年推計)。

医療計画からの引用県の医療計画は、この圏域をどう書いているか

この圏域を名指しした記述は、収録済みの計画本文からは見つかりませんでした。

県が公表した保健医療計画の本文を、原文のまま引用しています(要約・言い換えはしていません)。 並べているのは「県の計画にこう書いてある」という事実と、実データの数字です。計画の是非は論じません。

ランキング ── 圏内の落差この圏では、市町村どうしを比べられません

圏内の落差は24.6ポイント(三朝町 -13.3% 〜 湯梨浜町 +11.3%)ありますが、薬局が8軒以上ある自治体は倉吉市(40軒)だけです。残る4市町村は薬局1〜6軒です。1軒あたり処方せん・届出率・徒歩カバー率は、分母が1〜6軒だと1店の開廃で跳ねるため、この圏では市町村どうしの順位づけをしません。圏として厚いか薄いかは、圏全体の数字(薬局53軒・1軒あたり14.7km²・徒歩10分カバー率35.2%)で見てください。

三朝町
-13.3%
琴浦町
-9.0%
──── ここから経営が楽になる地域(需要増)────
北栄町
-2.6%
倉吉市
+2.5%
湯梨浜町
+11.3%

くわしい数字5市町村データ一覧

市区町村薬局高齢率
2025
1軒あたり処方せん
2025 → 2045
変化
倉吉市4036.7%7,848 → 8,042+2.5%
琴浦町640.1%19,804 → 18,022-9.0%
湯梨浜町433.8%25,775 → 28,688+11.3%
三朝町242.3%22,989 → 19,923-13.3%
北栄町138.3%101,623 → 99,027-2.6%

※処方せんはNDBの医療圏別実績(2023年)を65歳以上人口で按分した推計で、市町村別の実測ではありません。薬局数は2025年時点で固定しています。閉局は2026年1月〜2026年4月(4ヶ月)の集計で、移転・承継を除いています。この期間は12ヶ月に満たない(4ヶ月)ため、他県の12ヶ月窓・暦年2025の値とそのまま並べられません。また2026-06号時点の値で、名簿の掲載遅れにより今後も増える可能性があります。圏内の閉局は市町村あたり0〜1件なので、市町村どうしの比較には使えません(閉局の率は県計でのみ扱います)。届出率と1軒あたり処方せんは薬局8軒未満の町村では数字として読まないでください。徒歩カバー率は直線近似(OSRM実測ではない)で、個店のランキングは作りません。

医薬分業 ── この圏には、もう伸びしろがありません分業率85.3%は全国平均を上回っています

中部医療圏の院外処方せん率(医薬分業率)は85.3%で、鳥取県全体の76.1%も、全国の80.7%も上回ります(NDBオープンデータ・2023年)。院内で調剤されている処方せんは年間117,866枚です。県のページでは「分業率が全国平均まで上がったら院外は何枚増えるか」という算術を載せましたが、この圏はすでに全国平均を超えているため、その算術は成り立ちません(増分がマイナスになります)。つまりこの圏の処方せんは、分業が進むことで増える余地がほとんど残っていないということです。いっぽう高齢化による20年ぶんの需要の変化は1軒あたり-1,411枚で、こちらは減る側に働きます。

この地図の使い方(3段階のドリルダウン)

  • 鳥取県(Lv1)=3つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
  • 中部医療圏(このページ・Lv2)=圏内の市町村で「同じ圏域の中の差」を見る。
  • 市町村(Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。

中部医療圏 5市区町村すべての詳細レポート(薬局持久度レポート会員向け・有料)

医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのかこの圏は郊外型(需要減)です

薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。中部医療圏にいまある53軒それぞれについて、どちらの効き方が強いかを計算し、閉局の起こりやすさで重みづけて足し上げると、競争側の比率は0.44です(0.5以上なら都市型、それ未満なら郊外型)。この地域は郊外型(需要減)にあたります。需要の側は、この地域の総人口が2025→2045で-22.4%です。社人研の推計では、この地域は減り方が急な側(20年で15%超の減少)に入ります。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。名簿の欠号が45%あります。閉局の件数は下限値(実際はこれ以上)として扱ってください。中国地方は収録窓が短く、閉局率が過大側に振れている可能性があります。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。

機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は98.0%です

薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。中部医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は51軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 50軒=98.0%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 26軒=51.0%、在宅薬学総合体制加算 14軒=27.5%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 44軒=86.3%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。このページがこれまで載せていた届出率は、改定前の版の名簿を店名で突き合わせて数えたものでした。並べると、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)は今回51.0%/これまで58.5%(差-7.5ポイント)、地域支援・医薬品供給対応体制加算は今回98.0%/これまで32.1%(差+65.9ポイント)、在宅薬学総合体制加算は今回27.5%/これまで32.1%(差-4.6ポイント)です。差の主な理由は3つで、(1)令和8年度改定で後発医薬品調剤体制加算が地域支援・医薬品供給対応体制加算に統合されたこと(地域支援の届出率が跳ね上がる)、(2)かかりつけ薬剤師指導料が服薬管理指導料に統合され、代理指標に切り替えたこと、(3)これまでが店名の突き合わせ、今回が医療機関コードでの集計であること。どちらかが誤りという意味ではありません。これから先は、47都道府県を同じ月の版でそろえた今回の数え方を主に使います。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。

このレポートの範囲と、正直な限界

  • 【このレポートで言えること】地域単位(二次医療圏・市町村)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。個々の薬局の経営状態は扱いません。
  • 【言えないこと】個店のランキング・名指しの閉局予測・出店の助言は作りません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
  • 【★このページの色は圏内の相対値です】圏全体の処方せんを65歳以上人口のシェアで割り振ったうえでの変化です。県のページ(Lv1)の色は絶対値で、意味が違います。中部医療圏の実数は-10.9%で、鳥取県は3圏ともマイナスです。
  • 【★徒歩カバー率は直線近似です】徒歩分=最寄りの薬局までの直線距離×迂回係数1.3÷分速80m(時速4.8km)で計算しています。OSRM(実際の道路網)による実測ではありません。実測に置き換えると数ポイント下がる傾向があります(大阪・千葉での新旧比較より)。冬期の積雪・通行止め・公共交通は含みません。最寄りの薬局は市町村・医療圏の境界を越えて探しますが、県境は越えないため、県境沿いでは実際より低く出ることがあります。分子分母は250mメッシュの2025年推計人口(鳥取県8,910セル)です。
  • 【★閉局の集計期間が12ヶ月ありません】中国四国厚生局の廃止機関一覧表は処理月2025-07〜2026-06の12ヶ月ぶんしか索引に無く、さらに鳥取県だけ処理月2025-08・2025-12が欠けています。連続してそろうのは2026年1月〜2026年4月(4ヶ月)だけで、参考として2025年7月〜2026年4月(10ヶ月)・下限も併記しています。他県の12ヶ月窓・暦年2025の値とそのまま並べないでください。また固定窓の件数は2026-06号時点の値で、名簿の掲載遅れにより今後も増える可能性があります。
  • 【★閉局は県計でのみ読んでください】既定窓の真の閉局は鳥取県全体で2件、中部医療圏では1件です。市町村別は0〜1件で、率にすると1件で大きく振れます。圏別・市町村別の閉局率はJSONに入れていますが、順位づけには使えません。
  • 【★廃止届=閉局ではありません】鳥取県で収録されている廃止届111件のうち72件は移転・承継で、うち30件はたった2つの廃止日(2023-03-31・2026-04-30・2026-05-31)にまとまって出されたものです(機関コードの一括再発行)。廃止届の総数を閉局として読まないでください。
  • 【★薬局の数え方は、出典で変わります】このページの薬局数はGMIS(薬局機能情報提供制度・2025-12-01時点)の数です。中国四国厚生局の現存保険薬局一覧(令和8年7月1日現在)と突き合わせると、鳥取県計で269軒 vs 264軒、市町村ごとの差は最大2軒あります。したがって本レポートは「薬局が1軒も無い自治体」という言い方をしません
  • 【市町村別の処方せんは実測ではありません】NDBの最小公表単位が二次医療圏のため、圏の実績を65歳以上人口で按分した推計です。薬局が1〜数軒の町の「1軒あたり101,623枚」のような値は実測ではなく、1店の開廃で跳ねます。
  • 【★「全国平均まで分業が進んだら」の算術は、この圏では出せません】中部医療圏の院外処方せん率85.3%は全国平均80.7%を上回っているため、県のページに載せた増分の計算をこの圏に当てはめると値がマイナスになります。増分は算出せず null にしています。
  • 【処方せんは院外だけの数字】中部医療圏の院外処方せん率は85.3%で、院内の117,866枚は含まれていません。「1軒あたり12,895枚」は薬局に来ている分であって、地域の処方総量ではありません。
  • 【薬局数は2025年で固定】開局・閉局による店数の変化は含みません。2045年の店数の推計は県ページと同じく外しています(都市型/郊外型の分類は掲載に切り替えました)。
  • 【機能の届出率】GMISの自己申告です。中部医療圏は9つの機能フラグがすべて0の店が4/53店=7.5%で、県全体は5.6%です。ただし薬局が1〜数軒の町村では0.0%/100.0%に張り付くため、市町村どうしの比較はできません。
  • 【小さい分母】5市町村のうち4が薬局8軒未満です(三朝町2軒・琴浦町6軒・北栄町1軒・湯梨浜町4軒)。薬局が8軒以上あるのは倉吉市だけで、1軒あたり処方せん・届出率・徒歩カバー率はこの1つだけを数字として読んでください。
  • 【面積は距離ではありません】薬局1軒あたり14.7km²という値は、人の住まない山地も分母に入ります。住民から薬局までの近さを見るには、このページの徒歩カバー率(35.2%)のほうが近い指標です。実際、面積あたりの薬局数と徒歩カバー率は鳥取県の3医療圏で順番が一致しません。
  • 【医療圏の区分】国土数値情報A38由来の医療圏マスタ(NDBの335圏と一致・第8次医療計画準拠)に従っています。
  • 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。

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中部医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)

薬局の分布と、同じ医療圏の市区町村どうしの落差を1冊にまとめました。出典と作成時点を入れてあるので、そのまま社内やご相談の資料にお使いいただけます。受け取る地域をお選びください。

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