熊本県 › 菊池(二次医療圏)
CrossHealth / 薬局持久度レポート
県内でただひとつ、2050年まで増え続ける圏
菊池医療圏4市町の薬局を、供給・高齢化・経営体力で見える化。市区町村ごとの詳細レポートは順次公開します。
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菊池医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)
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菊池医療圏は、菊池市・合志市・大津町・菊陽町の4市町からなる圏域です。薬局は79軒(県内2位)。65歳以上人口の伸び+14.4%は熊本県10医療圏で最大、ピークは県内で唯一の2050年=推計期間の最後まで増え続けます。4市町のうち1市町は65歳以上人口がすでにピークを過ぎています。
経営体力(薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化・圏内での相対値)で見ると、いちばん沈むのが菊池市(-23.8%)、いちばん伸びるのが菊陽町(+20.4%)で、その差は44.2ポイント。マイナス側は1市町です。菊池市は高齢化率が現時点で36.4%(2045年には39.9%)と圏内で最も高く、総人口も-20.5%と圏内でもっとも減ります。薬局がいちばん多いのは合志市の25軒で、圏内の31.6%を占めます(経営体力+4.5%)。閉局の面では、直近12ヶ月(2025年5月〜2026年4月)に廃止届が3件出ましたが、いずれも移転・承継で事業が続いており、この圏から薬局がそのまま消えた例は0件でした。なお、菊陽町(総人口+3.8%)と大津町(+2.5%)は、熊本県49市町村で総人口が増える3自治体のうちの2つです。ただし本レポートの人口は2020年国勢調査を基準とする社人研推計で、2024年の半導体工場稼働に伴う社会増を織り込んでいません。実際の人口はこの推計より多い可能性がありますが、当データベースには実績人口系列が無いため、乖離の大きさは検証できません。
地図 ── 地域差を見る薬局1軒あたり処方せんの、市町ごとの将来
色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化(=経営体力)。緑=圏内で相対的に増える、赤=減る。いちばん赤いのが菊池市(-23.8%)、いちばん緑なのが菊陽町(+20.4%)で、同じ菊池医療圏の中に44.2ポイントの開きがあります。
人口動態 ── 需要の源菊池医療圏は「人は減るが、お年寄りは増える」
なぜ市町ごとに明暗が分かれるのか。もとをたどると人口の動きです。菊池医療圏全体では、総人口は18.9万→18.2万人(-3.5%)、65歳以上は5.0万→5.8万人(+14.4%)と推移します。高齢化率は26.7%→31.7%。65歳以上のピークは圏全体で2050年——推計期間の最後まで増え続けます。圏内4市町のうち1市町で65歳以上人口のピークは2025年(=すでに減少局面)です。熊本県全体では65歳以上が-3.0%と減る推計ですから、この圏域は県の平均とは逆を向いています。
ランキング ── 市町差経営がしんどくなる市町・楽になる市町
菊池市(-23.8%)から菊陽町(+20.4%)まで44.2ポイントの開き。マイナスは1市町です。
県の医療計画県の医療計画は、この圏域をどう書いているか
県が公表した保健医療計画の本文を、原文のまま引用しています(要約・言い換えはしていません)。
・菊池圏域では、日常生活圏が熊本市に及んでいる地域もあるため、在宅医療を受ける患者のうち、46.1%(令和4年度)が圏域外の医療機関を利用しています。
熊本県保健医療計画(第8次) 第3編 圏域編 PDF 46ページ
【取組の方向性】・将来の目指すべき医療提供体制の実現に向け、菊池地域医療構想調整会議において各種協議を行うとともに、病床機能の分化連携等に取り組みます。
熊本県保健医療計画(第8次) 第3編 圏域編 PDF 44ページ
・元々、平時の医療を熊本市地域に依存している菊池圏域では、単独での医療機関の確保には限界があり、熊本市との連携が必要となりますので、新興感染症等発生時における県の調整機能が重要です。
熊本県保健医療計画(第8次) 第3編 圏域編 PDF 47ページ
並べているのは「県の計画にこう書いてある」という事実と、実データの数字です。計画の是非は論じません。
くわしい数字4市町データ一覧
| 市区町村 | 薬局 | 高齢率 2025 | 1軒あたり処方せん 2025 → 2045 | 変化 |
|---|---|---|---|---|
| 合志市 | 25 | 25.2% | 13,688 → 14,299 | +4.5% |
| 菊陽町 | 21 | 22.1% | 10,225 → 12,315 | +20.4% |
| 菊池市 | 20 | 36.4% | 17,245 → 13,137 | -23.8% |
| 大津町 | 13 | 23.1% | 13,800 → 15,569 | +12.8% |
※処方せん需要は菊池医療圏全体の実績(NDB)を市町の高齢人口で按分した推計です。かかりつけ・地域連携・在宅の届出率は、熊本県では元データが未取込のため掲載していません。(→ この波で、厚生局の施設基準届出受理医療機関名簿で数え直した届出率をこのページに載せました。GMISの自己申告からは算出できないという直前の説明は、GMISについてはいまも有効です。)個店のランキングは作りません。
この地図の使い方(3段階のドリルダウン)
- 熊本県(ひとつ上・Lv1)=10の二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
- 菊池医療圏(このページ・Lv2)=4市町で「同じ圏域の中の差」を見る。
- 市区町村(詳細・Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。
医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのかこの圏は郊外型(需要減)です
薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。菊池医療圏にいまある79軒それぞれについて、どちらの効き方が強いかを計算し、閉局の起こりやすさで重みづけて足し上げると、競争側の比率は0.40です(0.5以上なら都市型、それ未満なら郊外型)。この地域は郊外型(需要減)にあたります。需要の側は、この地域の総人口が2025→2045で-3.5%です。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。
機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は94.0%です
薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。菊池医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は83軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 78軒=94.0%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 51軒=61.4%、在宅薬学総合体制加算 39軒=47.0%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 76軒=91.6%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。
このレポートの範囲と、正直な限界
- 【このレポートで言えること】地域単位(二次医療圏・市区町村)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
- 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
- 【処方せんの推計方法】菊池医療圏の院外処方せん実績(NDB 2023年・年間1,081,238枚)を、市町ごとの65歳以上人口シェアで按分した推計です。実際の処方せんは市区町村別には公表されていません(NDBの最小単位が二次医療圏のため)。
- 【「経営体力の変化」の意味】圏域全体の処方せん総数を現在の水準に固定したうえで、圏内での高齢人口シェアの移動だけを見た相対値です。圏全体として処方せんが増えるか減るかは、ひとつ上の階層(熊本県=Lv1)の需要指数で別に示しています(この圏域は2025年を100として2045年に114.4=実数としては増えます)。
- 【薬局数は2025年で固定】市区町村別の推計では、薬局の数はいまのまま変わらないと置いています。新規開局・閉局による将来の店舗数の変化は含みません。
- 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。
- 【閉局の数え方と集計期間】九州厚生局の保険薬局廃止情報のうち、移転・承継を除いた「真の閉局」だけを数えています(菊池医療圏で0件)。廃止届は全部で3件出ていますが、そのうち3件は新しい機関コードが記載されており、別の担い手が事業を引き継いだ=その場所から薬局が消えてはいない、と読めます(内訳は clo_gross / clo_relo として別に保持)。集計期間は直近12ヶ月(2025年5月〜2026年4月)で、九州厚生局管轄8県でそろえた共通の窓です(福岡県・佐賀県・長崎県・大分県・宮崎県・鹿児島県・沖縄県の公開値と同じ期間)。全国比較のために暦年2025(2025年1月〜12月・12ヶ月)でも数えており、この圏域では真の閉局1件・廃止届2件です。いずれも生成時点(名簿の掲載遅れにより今後増える可能性があります)の値で、どちらの期間も、集計期間を覆う名簿の号がそろっていることを確認しています。
- 【多年の件数は下限です】廃止の名簿には欠号が5号(2024-02・2024-03・2024-05・2024-06・2024-08)あり、暦年2023・2024の件数は下限(実際にはもっと多い)です。上の集計期間はこの穴の外なので影響を受けません(詳細は熊本県ページ=Lv1の data_gaps.issue_coverage)。
- 【機能の届出率】厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」(8厚生局・47都道府県を同じ月の版でそろえたもの)で数え直し、掲載に切り替えました。分母は名簿に載る83軒で、地域支援・医薬品供給対応体制加算94.0%/かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定)61.4%/在宅薬学総合体制加算47.0%/電子的調剤情報連携体制整備加算(推定)91.6%です。かかりつけ薬剤師と電子的調剤情報連携体制の2項目は、令和8年度改定で届出名称が変わったため代理指標を用いた推定です(本文に明記)。届出は「その体制をとると届け出た」記録で、提供実績ではありません。
- 【徒歩圏カバー率も掲載していません】250mメッシュ人口は熊本県分が投入済みですが、カバー率の算出は本レポートにはまだ入れていません=次回更新で追加予定です。
- 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません。薬局の位置は届出上の市区町村コードで割り当てています(未割当0件)。
- 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。
- 【いま出していない数字】2045年の薬局店数の推計は、いまも出していません(参入と退出の数え方がそろわず、そのまま回すと全国で薬局が2割以上増える計算になってしまうため)。医療圏の「都市型/郊外型」分類は、供給の統計モデルが47都道府県フル学習になったので掲載に切り替えました。
- 【半導体立地と推計の限界】本レポートの人口はすべて社人研『日本の地域別将来推計人口(2023年推計)』で、2020年国勢調査を基準人口としている。菊陽町の半導体工場の稼働(2024年)に伴う社会増は、基準人口の時点では実績として存在しない。したがってこの推計は、菊陽町・大津町の実際の人口動態を過小に見積もっている可能性がある。乖離の大きさは本分析では検証できません(実績人口系列が未収録のため)。この圏の需要の伸び+14.4%は、実態より低めに出ている可能性があります。数値の上方修正はしていません。
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菊池医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)
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- 京都府山城南 →506km1軒あたり面積高齢化率1軒あたり人口医薬分業率人口規模
- 愛知県西三河南部東 →634km高齢化率1軒あたり面積
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