熊本県阿蘇(二次医療圏)

CrossHealth / 薬局持久度レポート

1軒あたりの処方せんが、県内でいちばん少ない

阿蘇医療圏7市町村の薬局を、供給・高齢化・経営体力で見える化。市区町村ごとの詳細レポートは順次公開します。

対象 阿蘇医療圏 7市町村期間 2025年 → 2045年概要版・無料

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阿蘇医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)

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阿蘇医療圏は、阿蘇市・南小国町・小国町・産山村・高森町・西原村・南阿蘇村の7市町村からなる圏域です。薬局は27軒(県内8位タイ)。薬局1軒あたり処方せん10,656枚は熊本県10医療圏の最小値で、最大の有明(15,257枚)とは1.43倍の開きがあります。7市町村のうち6市町村は65歳以上人口がすでにピークを過ぎています。

7
阿蘇医療圏の市町村
27
圏内の薬局数
1
直近12ヶ月(2025年5月〜2026年4月)に閉じた薬局(承継・移転を除く)
-13〜+40%
経営体力の変化レンジ(市町村差)

経営体力(薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化・圏内での相対値)で見ると、いちばん沈むのが小国町(-12.8%)、いちばん伸びるのが西原村(+40.5%)で、その差は53.3ポイント。マイナス側は4市町村です。ただしこれは圏内での取り分の話で、圏全体の65歳以上人口は-17.7%と減ります。相対的に伸びる西原村も、絶対量では+15.6%です。65歳以上人口そのものが15%以上減るのは小国町・高森町・南小国町・阿蘇市・産山村です。高森町の高齢化率は現時点で47.2%、2045年には51.8%。小国町は総人口が-33.3%と圏内でもっとも減ります。薬局がいちばん多いのは阿蘇市の11軒で、圏内の40.7%を占めます(経営体力-3.7%)。閉局の面では、直近12ヶ月(2025年5月〜2026年4月)に出た廃止届は1件で、移転・承継されたものはなく、1軒がそのまま消えました(3.7%)。引き継がれなかった割合は100.0%で、熊本県全体(28.1%)より高い水準です。ただし廃止届1件の中での割合であり、1件で大きく動く数字です。圏内7市町村のうち5つが薬局8軒未満、産山村は薬局0軒です。1軒あたりの数値が振れやすい圏である点に注意してください。

地図 ── 地域差を見る薬局1軒あたり処方せんの、市町村ごとの将来

色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化(=経営体力)。緑=圏内で相対的に増える、赤=減る。いちばん赤いのが小国町(-12.8%)、いちばん緑なのが西原村(+40.5%)で、同じ阿蘇医療圏の中に53.3ポイントの開きがあります。産山村は薬局が無いため、経営体力の色は付けていません。

人口動態 ── 需要の源阿蘇医療圏は「人も減り、お年寄りも減る」

なぜ市町村ごとに明暗が分かれるのか。もとをたどると人口の動きです。阿蘇医療圏全体では、総人口は5.5万→4.1万人(-24.7%)、65歳以上は2.4万→1.9万人(-17.7%)と推移します。高齢化率は42.8%→46.8%。65歳以上のピークは圏全体で2025年——つまり起点の年で、すでに減少局面です。圏内7市町村のうち6市町村で65歳以上人口のピークは2025年(=すでに減少局面)です。熊本県全体(-3.0%)と同じ「減る」向きで、県平均より急な変化です。

総人口65歳以上
0万2万5万8万10万2025203020352040204520504万2万
実データ(社人研 将来推計人口・2023年推計)。65歳以上のピークは2025年(=起点年)。

ランキング ── 市町村差経営がしんどくなる市町村・楽になる市町村

小国町(-12.8%)から西原村(+40.5%)まで53.3ポイントの開き。マイナスは4市町村です。なお小国町・高森町・南小国町・南阿蘇村・西原村は薬局が8軒に満たないため、1軒あたりの数値は振れやすい点にご注意ください。産山村は薬局が無いため対象外です。

小国町
-12.8%
高森町
-11.1%
南小国町
-6.4%
──── ここから経営が楽になる地域(需要増)────
阿蘇市
-3.7%
南阿蘇村
+5.0%
西原村
+40.5%
薬局0の自治体(産山村)はランキング対象外です

県の医療計画県の医療計画は、この圏域をどう書いているか

県が公表した保健医療計画の本文を、原文のまま引用しています(要約・言い換えはしていません)。

⑤Aso‐Harmonyとは、阿蘇圏域の医師・薬剤師・看護師・理学療法士・介護士・保健師・栄養士・介護支援専門員等で構成された心不全患者を地域で見守る組織のことです。

熊本県保健医療計画(第8次) 第3編 圏域編 PDF 52ページ

【取組の方向性】・平時から阿蘇圏域災害保健医療連絡会議において、関係機関の担う役割や課題等を共有し、研修や訓練の実施により、連携体制の強化を推進します。

熊本県保健医療計画(第8次) 第3編 圏域編 PDF 54ページ

・阿蘇圏域における地理的特性として、山間部が多く、交通手段が限られる中で、医療資源が乏しいことから、住民の通院への負担が大きく、遠隔診療等による医療アクセスの向上が必要です。

熊本県保健医療計画(第8次) 第3編 圏域編 PDF 51ページ

並べているのは「県の計画にこう書いてある」という事実と、実データの数字です。計画の是非は論じません。

くわしい数字7市町村データ一覧

市区町村薬局高齢率
2025
1軒あたり処方せん
2025 → 2045
変化
阿蘇市1142.3%10,893 → 10,486-3.7%
高森町547.2%6,157 → 5,473-11.1%
南阿蘇村545.7%10,428 → 10,947+5.0%
小国町344.7%10,948 → 9,544-12.8%
西原村234.5%13,540 → 19,023+40.5%
南小国町142.6%18,269 → 17,104-6.4%
産山村044.8%薬局なし

※処方せん需要は阿蘇医療圏全体の実績(NDB)を市町村の高齢人口で按分した推計です。かかりつけ・地域連携・在宅の届出率は、熊本県では元データが未取込のため掲載していません。(→ この波で、厚生局の施設基準届出受理医療機関名簿で数え直した届出率をこのページに載せました。GMISの自己申告からは算出できないという直前の説明は、GMISについてはいまも有効です。)個店のランキングは作りません。

この地図の使い方(3段階のドリルダウン)

  • 熊本県(ひとつ上・Lv1)=10の二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
  • 阿蘇医療圏(このページ・Lv2)=7市町村で「同じ圏域の中の差」を見る。
  • 市区町村(詳細・Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。

阿蘇医療圏 7市区町村すべての詳細レポート(薬局持久度レポート会員向け・有料)

医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのかこの圏は郊外型(需要減)です

薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。阿蘇医療圏にいまある27軒それぞれについて、どちらの効き方が強いかを計算し、閉局の起こりやすさで重みづけて足し上げると、競争側の比率は0.00です(0.5以上なら都市型、それ未満なら郊外型)。この地域は郊外型(需要減)にあたります。需要の側は、この地域の総人口が2025→2045で-24.7%です。社人研の推計では、この地域は減り方が急な側(20年で15%超の減少)に入ります。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。

機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は92.9%です

薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。阿蘇医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は28軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 26軒=92.9%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 11軒=39.3%、在宅薬学総合体制加算 7軒=25.0%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 25軒=89.3%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。

このレポートの範囲と、正直な限界

  • 【このレポートで言えること】地域単位(二次医療圏・市区町村)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
  • 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
  • 【処方せんの推計方法】阿蘇医療圏の院外処方せん実績(NDB 2023年・年間287,721枚)を、市町村ごとの65歳以上人口シェアで按分した推計です。実際の処方せんは市区町村別には公表されていません(NDBの最小単位が二次医療圏のため)。
  • 【「経営体力の変化」の意味】圏域全体の処方せん総数を現在の水準に固定したうえで、圏内での高齢人口シェアの移動だけを見た相対値です。圏全体として処方せんが増えるか減るかは、ひとつ上の階層(熊本県=Lv1)の需要指数で別に示しています(この圏域は2025年を100として2045年に82.3=実数としては減ります)。
  • 【薬局数は2025年で固定】市区町村別の推計では、薬局の数はいまのまま変わらないと置いています。新規開局・閉局による将来の店舗数の変化は含みません。
  • 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。
  • 【閉局の数え方と集計期間】九州厚生局の保険薬局廃止情報のうち、移転・承継を除いた「真の閉局」だけを数えています(阿蘇医療圏で1件)。廃止届は全部で1件出ていますが、そのうち0件は新しい機関コードが記載されており、別の担い手が事業を引き継いだ=その場所から薬局が消えてはいない、と読めます(内訳は clo_gross / clo_relo として別に保持)。集計期間は直近12ヶ月(2025年5月〜2026年4月)で、九州厚生局管轄8県でそろえた共通の窓です(福岡県・佐賀県・長崎県・大分県・宮崎県・鹿児島県・沖縄県の公開値と同じ期間)。全国比較のために暦年2025(2025年1月〜12月・12ヶ月)でも数えており、この圏域では真の閉局2件・廃止届2件です。いずれも生成時点(名簿の掲載遅れにより今後増える可能性があります)の値で、どちらの期間も、集計期間を覆う名簿の号がそろっていることを確認しています。
  • 【多年の件数は下限です】廃止の名簿には欠号が5号(2024-02・2024-03・2024-05・2024-06・2024-08)あり、暦年2023・2024の件数は下限(実際にはもっと多い)です。上の集計期間はこの穴の外なので影響を受けません(詳細は熊本県ページ=Lv1の data_gaps.issue_coverage)。
  • 【機能の届出率】厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」(8厚生局・47都道府県を同じ月の版でそろえたもの)で数え直し、掲載に切り替えました。分母は名簿に載る28軒で、地域支援・医薬品供給対応体制加算92.9%/かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定)39.3%/在宅薬学総合体制加算25.0%/電子的調剤情報連携体制整備加算(推定)89.3%です。かかりつけ薬剤師と電子的調剤情報連携体制の2項目は、令和8年度改定で届出名称が変わったため代理指標を用いた推定です(本文に明記)。届出は「その体制をとると届け出た」記録で、提供実績ではありません。
  • 【徒歩圏カバー率も掲載していません】250mメッシュ人口は熊本県分が投入済みですが、カバー率の算出は本レポートにはまだ入れていません=次回更新で追加予定です。
  • 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません。薬局の位置は届出上の市区町村コードで割り当てています(未割当0件)。
  • 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。
  • 【いま出していない数字】2045年の薬局店数の推計は、いまも出していません(参入と退出の数え方がそろわず、そのまま回すと全国で薬局が2割以上増える計算になってしまうため)。医療圏の「都市型/郊外型」分類は、供給の統計モデルが47都道府県フル学習になったので掲載に切り替えました。
  • 【小さすぎる分母】小国町・高森町・南小国町・南阿蘇村・西原村は薬局数が8軒に満たない自治体です。1軒あたりの数値は1店の開廃で大きく振れるため、傾向としてのみお読みください。
  • 【薬局が無い自治体】産山村には薬局がありません(熊本県では5自治体が該当し、うち1つがこの圏)。1軒あたりの指標は算出できないため空欄(null)にしています。また、その高齢人口分(圏内の約2.4%)はどの薬局の推計需要にも按分されていません。
  • 【災害との関係について】この圏には過去に地震・豪雨などの大きな災害を経験した地域が含まれます。本レポートの人口推計や閉局件数は、災害との因果関係を示すものではなく、当データベースからその判定はできません。個々の増減を災害と結びつけて読まないでください。

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阿蘇医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)

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