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CrossHealth / 薬局持久度レポート
1軒あたりの処方せんが、県内でいちばん多い
有明医療圏6市町の薬局を、供給・高齢化・経営体力で見える化。市区町村ごとの詳細レポートは順次公開します。
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有明医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)
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有明医療圏は、荒尾市・玉名市・玉東町・南関町・長洲町・和水町の6市町からなる圏域です。薬局は65軒(県内4位)。薬局1軒あたり処方せん15,257枚は熊本県10医療圏の最大値です。いっぽう直近12ヶ月(2025年5月〜2026年4月)に、この圏から薬局がそのまま消えた例は0件でした。6市町のすべてで、65歳以上人口はすでにピークを過ぎています。
経営体力(薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化・圏内での相対値)で見ると、いちばん沈むのが和水町(-9.7%)、いちばん伸びるのが玉名市(+3.9%)で、その差は13.6ポイント。マイナス側は4市町です。ただしこれは圏内での取り分の話で、圏全体の65歳以上人口は-16.5%と減ります。相対的に伸びる玉名市も、絶対量では-13.3%です。65歳以上人口そのものが15%以上減るのは和水町・南関町・長洲町・玉東町・荒尾市です。和水町は高齢化率が現時点で45.4%(2045年には51.3%)と圏内で最も高く、総人口も-33.2%と圏内でもっとも減ります。薬局がいちばん多いのは玉名市の32軒で、圏内の49.2%を占めます(経営体力+3.9%)。閉局の面では、直近12ヶ月(2025年5月〜2026年4月)に廃止届が4件出ましたが、いずれも移転・承継で事業が続いており、この圏から薬局がそのまま消えた例は0件でした。
地図 ── 地域差を見る薬局1軒あたり処方せんの、市町ごとの将来
色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化(=経営体力)。緑=圏内で相対的に増える、赤=減る。いちばん赤いのが和水町(-9.7%)、いちばん緑なのが玉名市(+3.9%)で、同じ有明医療圏の中に13.6ポイントの開きがあります。
人口動態 ── 需要の源有明医療圏は「人も減り、お年寄りも減る」
なぜ市町ごとに明暗が分かれるのか。もとをたどると人口の動きです。有明医療圏全体では、総人口は14.5万→11.2万人(-22.5%)、65歳以上は5.5万→4.6万人(-16.5%)と推移します。高齢化率は37.7%→40.7%。65歳以上のピークは圏全体で2025年——つまり起点の年で、すでに減少局面です。圏内6市町のすべてで、65歳以上人口のピークは2025年(=すでに減少局面)です。熊本県全体(-3.0%)と同じ「減る」向きで、県平均より急な変化です。
ランキング ── 市町差経営がしんどくなる市町・楽になる市町
和水町(-9.7%)から玉名市(+3.9%)まで13.6ポイントの開き。マイナスは4市町です。なお和水町・南関町・長洲町・玉東町は薬局が8軒に満たないため、1軒あたりの数値は振れやすい点にご注意ください。
県の医療計画県の医療計画は、この圏域をどう書いているか
県が公表した保健医療計画の本文を、原文のまま引用しています(要約・言い換えはしていません)。
【取組の方向性】・平成29年度(2017年度)から、有明地域医療構想調整会議での協議を行っているところですが、特に郡部における有床診療所の減少等といった地域の実情に応じた医療提供体制の構築に向けて、病床機能を含めた医療機能の分化・連携を促進します。
熊本県保健医療計画(第8次) 第3編 圏域編 PDF 31ページ
特に、県北の有明圏域や県南の芦北圏域などの県境地域において、県外の患者の流出入割合が高くなっています。
熊本県保健医療計画(第8次) 第2編第1章 保健医療圏の設定と基準病床数 PDF 3ページ
並べているのは「県の計画にこう書いてある」という事実と、実データの数字です。計画の是非は論じません。
くわしい数字6市町データ一覧
| 市区町村 | 薬局 | 高齢率 2025 | 1軒あたり処方せん 2025 → 2045 | 変化 |
|---|---|---|---|---|
| 玉名市 | 32 | 36.2% | 12,593 → 13,087 | +3.9% |
| 荒尾市 | 22 | 37.6% | 14,693 → 14,915 | +1.5% |
| 長洲町 | 6 | 37.8% | 16,618 → 15,301 | -7.9% |
| 南関町 | 3 | 41.9% | 21,020 → 19,036 | -9.4% |
| 和水町 | 1 | 45.4% | 70,274 → 63,492 | -9.7% |
| 玉東町 | 1 | 37.3% | 32,427 → 32,376 | -0.2% |
※処方せん需要は有明医療圏全体の実績(NDB)を市町の高齢人口で按分した推計です。かかりつけ・地域連携・在宅の届出率は、熊本県では元データが未取込のため掲載していません。(→ この波で、厚生局の施設基準届出受理医療機関名簿で数え直した届出率をこのページに載せました。GMISの自己申告からは算出できないという直前の説明は、GMISについてはいまも有効です。)個店のランキングは作りません。
この地図の使い方(3段階のドリルダウン)
- 熊本県(ひとつ上・Lv1)=10の二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
- 有明医療圏(このページ・Lv2)=6市町で「同じ圏域の中の差」を見る。
- 市区町村(詳細・Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。
医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのかこの圏は郊外型(需要減)です
薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。有明医療圏にいまある65軒それぞれについて、どちらの効き方が強いかを計算し、閉局の起こりやすさで重みづけて足し上げると、競争側の比率は0.21です(0.5以上なら都市型、それ未満なら郊外型)。この地域は郊外型(需要減)にあたります。需要の側は、この地域の総人口が2025→2045で-22.5%です。社人研の推計では、この地域は減り方が急な側(20年で15%超の減少)に入ります。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。
機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は92.5%です
薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。有明医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は67軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 62軒=92.5%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 41軒=61.2%、在宅薬学総合体制加算 31軒=46.3%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 59軒=88.1%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。
このレポートの範囲と、正直な限界
- 【このレポートで言えること】地域単位(二次医療圏・市区町村)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
- 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
- 【処方せんの推計方法】有明医療圏の院外処方せん実績(NDB 2023年・年間991,680枚)を、市町ごとの65歳以上人口シェアで按分した推計です。実際の処方せんは市区町村別には公表されていません(NDBの最小単位が二次医療圏のため)。
- 【「経営体力の変化」の意味】圏域全体の処方せん総数を現在の水準に固定したうえで、圏内での高齢人口シェアの移動だけを見た相対値です。圏全体として処方せんが増えるか減るかは、ひとつ上の階層(熊本県=Lv1)の需要指数で別に示しています(この圏域は2025年を100として2045年に83.5=実数としては減ります)。
- 【薬局数は2025年で固定】市区町村別の推計では、薬局の数はいまのまま変わらないと置いています。新規開局・閉局による将来の店舗数の変化は含みません。
- 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。
- 【閉局の数え方と集計期間】九州厚生局の保険薬局廃止情報のうち、移転・承継を除いた「真の閉局」だけを数えています(有明医療圏で0件)。廃止届は全部で4件出ていますが、そのうち4件は新しい機関コードが記載されており、別の担い手が事業を引き継いだ=その場所から薬局が消えてはいない、と読めます(内訳は clo_gross / clo_relo として別に保持)。集計期間は直近12ヶ月(2025年5月〜2026年4月)で、九州厚生局管轄8県でそろえた共通の窓です(福岡県・佐賀県・長崎県・大分県・宮崎県・鹿児島県・沖縄県の公開値と同じ期間)。全国比較のために暦年2025(2025年1月〜12月・12ヶ月)でも数えており、この圏域では真の閉局0件・廃止届4件です。いずれも生成時点(名簿の掲載遅れにより今後増える可能性があります)の値で、どちらの期間も、集計期間を覆う名簿の号がそろっていることを確認しています。
- 【多年の件数は下限です】廃止の名簿には欠号が5号(2024-02・2024-03・2024-05・2024-06・2024-08)あり、暦年2023・2024の件数は下限(実際にはもっと多い)です。上の集計期間はこの穴の外なので影響を受けません(詳細は熊本県ページ=Lv1の data_gaps.issue_coverage)。
- 【機能の届出率】厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」(8厚生局・47都道府県を同じ月の版でそろえたもの)で数え直し、掲載に切り替えました。分母は名簿に載る67軒で、地域支援・医薬品供給対応体制加算92.5%/かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定)61.2%/在宅薬学総合体制加算46.3%/電子的調剤情報連携体制整備加算(推定)88.1%です。かかりつけ薬剤師と電子的調剤情報連携体制の2項目は、令和8年度改定で届出名称が変わったため代理指標を用いた推定です(本文に明記)。届出は「その体制をとると届け出た」記録で、提供実績ではありません。
- 【徒歩圏カバー率も掲載していません】250mメッシュ人口は熊本県分が投入済みですが、カバー率の算出は本レポートにはまだ入れていません=次回更新で追加予定です。
- 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません。薬局の位置は届出上の市区町村コードで割り当てています(未割当0件)。
- 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。
- 【いま出していない数字】2045年の薬局店数の推計は、いまも出していません(参入と退出の数え方がそろわず、そのまま回すと全国で薬局が2割以上増える計算になってしまうため)。医療圏の「都市型/郊外型」分類は、供給の統計モデルが47都道府県フル学習になったので掲載に切り替えました。
- 【小さすぎる分母】和水町・南関町・長洲町・玉東町は薬局数が8軒に満たない自治体です。1軒あたりの数値は1店の開廃で大きく振れるため、傾向としてのみお読みください。
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似ている地域
全国335の二次医療圏から、人口規模・高齢化率・薬局の薄さ・医薬分業率で似ている圏を、同じ県を除いて探しました(この圏は基準に合う候補が少なく、5圏に満たない場合があります)。
- 岩手県胆江 →1,171km高齢化率人口規模医薬分業率
- 愛媛県新居浜・西条 →271km1軒あたり面積1軒あたり人口医薬分業率人口規模
- 石川県能登中部 →733km1軒あたり人口医薬分業率人口規模
- 鳥取県東部 →435km医薬分業率1軒あたり人口人口規模
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