岩手県釜石(二次医療圏)

CrossHealth / 薬局持久度レポート

処方せん需要が、県内でいちばん深く縮む圏です

釜石医療圏2市町の薬局を、供給・高齢化・経営体力・広さ・徒歩で見える化。市区町村ごとの詳細レポートは順次公開します。

データ基準:2025年市町村:2薬局:21軒

この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。

釜石医療圏は、釜石市と大槌町の2市町でできています(構成が2つのため、圏内ランキングは作らない薄型様式です)。薬局は21軒と県内で2番目に少なく(`small_n_area`)、処方せん需要は2045年までに-24.7%と県内9医療圏でいちばん深く縮みます。

21
薬局
県内の3.4%
-24.7%
処方せん需要(→2045)
65歳以上人口の変化と同じ
30.6km²
薬局1軒あたりの面積
市町村では29.5〜33.4km²(1.1倍)
45.3%
徒歩10分カバー(直線近似)
県全体は47.7%・OSRM実測ではありません

2市町の縮み方はほぼ同じ向き・同じ深さで(釜石市-23.9%・大槌町-27.1%)、圏内の開きは3.2ポイントと県内で最も小さい。つまりこの圏は「どこかが持ちこたえ、どこかが沈む」のではなく、圏全体が同じ速さで縮んでいく圏です。

地図 ── 地域差を見る薬局1軒あたり処方せんの、市町村ごとの将来

色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化(=経営体力・圏内での相対値)。緑=圏内で相対的に増える、赤=減る。いちばん緑なのが釜石市(+1.1%)、いちばん赤いのが大槌町(-3.3%)です。(構成が2市町のため、地図は2色の対比になります。)

大槌町:薬局6/1軒あたり処方せん -3.3%大槌町釜石市:薬局15/1軒あたり処方せん +1.1%釜石市
色=経営体力の変化(→2045・圏内での相対値)
減る増える
市区町村そのものの形で塗り分けています。

広さ ── 幾何の指標です薬局1軒あたりの面積は30.6km²です

この圏の面積は642 km²、薬局1軒あたり30.6 km²です(県平均は24.4 km²)。市町村では29.5 km²から33.4 km²まで1.1倍開きます。この圏では、2市町すべてで65歳以上が減ります(広さと向きの対応はありません)。ただし広さと需要の関係は相関であって因果ではありません。また薬局1軒あたりの面積は、道路も公共交通も冬の通行止めも含まない幾何の指標で、徒歩10分カバー率の代用ではありません

人口動態 ── 需要の源65歳以上そのものが、24.7%減ります

圏全体では、総人口は3.9万→2.5万人(-36.4%)、65歳以上は15,806→11,904人(-24.7%)になります。高齢化率は40.6%→48.1%。65歳以上のピークがすでに2025年という市町村が2(大槌町/釜石市)あり、そこに薬局21軒があります。2050年まで増え続ける市町村は0です。

総人口65歳以上
0万2万5万8万10万2025203020352040204520502万1万
実データ(社人研 将来推計人口・2023年推計)。

対比 ── 2つの市町圏内ランキングは作りません(構成が2つのため)

構成が2市町の圏では、順位は事実以上の意味を持ってしまいます。そこで対比だけを記します。経営体力の変化(圏内相対値)は釜石市が+1.1%、大槌町が-3.3%です。薬局が8軒以上あるのは釜石市だけで、1軒あたり14,589枚です。

大槌町
-3.3%
──── ここから経営が楽になる地域(需要増)────
釜石市
+1.1%

医療計画県の医療計画は、この圏域をどう書いているか

この圏域を名指しした記述は、収録済みの計画本文からは見つかりませんでした。

くわしい数字2市町村データ一覧

市区町村薬局高齢率
2025
1軒あたり処方せん
2025 → 2050
変化
釜石市1540.7%14,589 → 14,751+1.1%
大槌町640.5%12,440 → 12,035-3.3%

※処方せん需要は釜石医療圏全体の実績(NDB 2023年)を市町村の高齢人口で按分した推計です。閉局は圏の合計としてのみお読みください(市町村別は分母が小さすぎます)。**閉局率は算出していません。** かかりつけ・地域連携・在宅の届出率は、GMISの取り込みが済んでいないため空欄です(0%ではありません)。徒歩カバー率は直線近似の参考値です。

承継 ── 7ヶ月ぶんしか数えられませんこの窓では、薬局の廃止届は1件もありませんでした(2025年10月〜2026年4月(7ヶ月))

既定窓=号がそろう7ヶ月の廃止届は0件。14ヶ月まで広げた参考値(下限値)でも真の閉局0件・廃止届0件です。ただし0件は『閉局が無かった』という意味ではありません。休止・移転・届出の遅れは名簿に現れないことがあり、『この窓の名簿に出なかった』としか言えません。分母が21軒の圏では1件の重みが大きいため、率にもしていません

徒歩 ── 直線近似の参考値です徒歩10分以内に住む人は、およそ45.3%です(直線近似)

この圏で、最寄り薬局まで徒歩10分以内に住む人はおよそ45.3%(岩手県全体では47.7%)、徒歩20分以内では65.4%です。10分を超える住民は約21,274人。ただしこれは直線距離×迂回係数1.3÷分速80mの近似値で、実際の道路網(OSRM)による実測ではありません(OSRM不可のため直線近似)。実測にすると数ポイント下がる傾向があります。

この地図の使い方(3段階のドリルダウン)

  • 釜石市(Lv3候補・本命)
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医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのかこの圏は郊外型(需要減)です

薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。釜石医療圏にいまある21軒それぞれについて、どちらの効き方が強いかを計算し、閉局の起こりやすさで重みづけて足し上げると、競争側の比率は0.00です(0.5以上なら都市型、それ未満なら郊外型)。この地域は郊外型(需要減)にあたります。需要の側は、この地域の総人口が2025→2045で-36.4%です。社人研の推計では、この地域は減り方が急な側(20年で15%超の減少)に入ります。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。廃止届の名簿がそろっている期間が16ヶ月しかありません。この分類は2025〜26年の実績水準がこの先も続くと置いた場合の姿です。東北6県は画像PDFの廃止届が未回収で、閉局の捕捉が下限にとどまる可能性があります(統計的な下限の証拠は出ていませんが、回収の来歴から保守的に扱っています)。この県で数えられた「本当の閉局」は14件と少なく、1件の増減で率が動きます。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。

機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算は、名簿の全店が届け出ています

薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。釜石医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は21軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 21軒すべて、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 12軒=57.1%、在宅薬学総合体制加算 8軒=38.1%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 18軒=85.7%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。

このレポートの範囲と、正直な限界

  • この地図の色は圏内での相対値(圏の高齢人口シェアの移動)です。県版(Lv1)の色は絶対値で、意味が違います。
  • ★**閉局率は市町村別にも圏別にも出していません。** 既定窓(2025年10月〜2026年4月の7ヶ月)の廃止届は9医療圏のうち8圏で5件未満・残る盛岡も9件しかなく、率にすると1件で大きく動くためです。件数だけをお読みください。圏どうし・県どうしの閉局の順位づけにも使えません。
  • 閉局の既定窓は7ヶ月で、1年ぶんではありません。処理月2025年9月ぶんの一覧表が手元に無く、2025年11月・2026年5月・2026年6月ぶんはPDFがあってもテキスト層が無いため、この3本は**目視で読み取って復元**しています(店名・開設者名は記録していません)。復元7行のうち5行はその後2026年8月のOCR再収穫でDBの名簿に取り込まれ、二重計上しないよう集計から除いています(OCRでも取り込めなかった行が1件残ります)。DBだけの値(下限値)は `clo_db_only` に併記しています。
  • 名簿は処理月2026年6月分まで(東北厚生局・2026年7月28日取得)を収録した生成時点の値です。名簿の掲載遅れにより、今後も件数が増える可能性があります。
  • ★**かかりつけ・地域連携・在宅の届出率は出していません。0%ではありません。** GMIS機能情報が岩手県では625軒中25軒(4.0%)にしか入っていないためです。
  • 市町村別の処方せんは実測ではありません。釜石医療圏全体のNDB実績(2023年)を各市町村の65歳以上人口で按分した推計です。
  • 薬局1軒あたりの面積は徒歩カバー率の代用ではありません。道路・公共交通・冬期の通行止めを含まない幾何の指標です。
  • 徒歩カバー率は直線距離×迂回係数1.3÷分速80mの近似値です(OSRM不可のため直線近似)。実際の道路網で計算すると数ポイント下がる傾向があります。計算方式の全国統一(OSRM化)は実装波で行います。最寄り薬局は市町村の境界を越えて岩手県内から探しています(県境は越えないため、県境沿いは実際より低く出ることがあります)。
  • ★広さと需要の関係は相関であって因果ではありません。「広いから薬局が減る」とは読まないでください。
  • 薬局数は2025年時点で固定しています。2045年の薬局店数の推計は、いまも掲載していません(参入と退出の数え方がそろわないため)。医療圏の「都市型/郊外型」の分類は、供給の統計モデルが47都道府県フル学習になったので掲載に切り替えました。
  • 多年・暦年推移・前年比は作れません。名簿が12ヶ月ぶんしか無く、そのうち号が欠けているためです。
  • 個店のランキング・名指しの閉局予測・出店戦略の助言は一切含んでいません。地域単位の事実のみです。
  • 釜石医療圏は、東日本大震災(2011年3月11日)の沿岸被災地にあたります。本レポートは震災と、薬局数・閉局・人口・処方せんとの因果を一切主張しません。データは震災の12〜14年後のもの(将来推計人口=社人研2023年推計・NDB処方せん=2023年・閉局名簿=2025〜2026年)で、震災前後を比べる設計になっていません。廃止届の0件を『震災後も薬局が減らなかった』と読むこともできません(休止・移転・届出の遅れは名簿に現れないことがあります)。
  • 廃止届の0件は『閉局が無かった』という意味ではありません。休止・移転・届出の遅れは名簿に現れないことがあり、『この窓の名簿に出なかった』としか言えません。
  • この圏は構成市町村が2つしかないため、圏内ランキングを作らない薄型様式です(順位が事実以上の意味を持つため。対比だけを記しています)。

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