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CrossHealth / 薬局持久度レポート
地域連携と在宅の届出が、県内でいちばん薄い
両毛医療圏2市の薬局を、供給・高齢化・経営体力で見える化。市区町村ごとの詳細レポートは順次公開します。
この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。
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両毛医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)
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両毛医療圏は、足利市・佐野市の2市からなる圏域です。薬局は140軒(県内3位)。地域連携31.4%・在宅37.1%の届出率は、いずれも栃木県6医療圏の最低値です。圏の薬局の重心は宇都宮医療圏の重心から直線で約43kmと6医療圏でもっとも遠く、群馬県と接する県境の2市(足利市・佐野市)で構成されます——医療の「機能の厚み」が、地理の周縁で薄くなっていないかを見るための圏域です。2市のうち1市は65歳以上人口がすでにピークを過ぎています。
圏を構成するのは足利市と佐野市の2市だけです。足利市は薬局81軒・65歳以上人口のピークは2025年、佐野市は薬局59軒・ピークは2040年。経営体力(薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化・圏内での相対値)は足利市-1.2%、佐野市+1.6%です。65歳以上人口の絶対量では足利市-2.4%・佐野市+0.3%と動きます。閉局の面では、暦年2025(2025年1月〜12月)の真の閉局は1件(廃止届3件)しかなく、市町ごとに語れる粒度ではありません。そのため閉局の話は暦年2022〜2025の4年窓でそろえています。4年間に出た廃止届17件のうち12件は移転・承継で事業が続き、そのまま消えたのは5軒。薬局140軒に対する年平均の真の閉局率は0.89%です。消えた5軒は2市(足利市・佐野市)に分かれています。薬局数に対する4年の比率がいちばん高いのは足利市の3.7%(81軒中3軒)です(比較は薬局8軒以上の市に限ります)。4年に広げてもこの規模なので、市どうしの閉局率を順位として読むことはできません。件数そのものをご覧ください。なお栃木県全体では、廃止届の中に「ある調剤チェーンが同じ日にまとめて機関コードを付け替えたもの」(法人の一斉付け替え・関東信越ブロック全体で機械検出)が3件混ざっていますが、両毛医療圏には1件も含まれていません。この圏域の承継の数字は、そのまま読んで差し支えありません。
地図 ── 地域差を見る薬局1軒あたり処方せんの、市ごとの将来
色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化(=経営体力)。緑=圏内で相対的に増える、赤=減る。いちばん赤いのが足利市(-1.2%)、いちばん緑なのが佐野市(+1.6%)で、同じ両毛医療圏の中に2.8ポイントの開きがあります。
徒歩のものさし ── 薬局までの距離徒歩10分圏に住む人は62.4%(直線近似)
最寄りの薬局まで徒歩10分(直線近似)以内に住む人は、この圏域の推計人口の62.4%(県全体58.2%)、徒歩20分では84.8%です。徒歩10分を超える場所に住む人は約9.4万人、圏の中央値は徒歩7.9分。市ごとには佐野市の55.6%から足利市の68.0%まで開きます。この徒歩分は直線距離×迂回係数1.3÷分速80mの近似で、実際の道路をたどった実測(OSRM)ではありません。また最寄りの薬局は県内の薬局だけから探しているため、県境沿いで隣県の薬局が近い地区では実際より低め(下限)に出ます。
人口動態 ── 需要の源両毛医療圏は「人も減り、お年寄りも減る」
もとをたどると人口の動きです。両毛医療圏全体では、総人口は25.0万→20.1万人(-19.8%)、65歳以上は8.4万→8.3万人(-1.3%)と推移します。高齢化率は33.4%→41.1%。65歳以上のピークは圏全体で2040年です。圏内2市のうち1市(足利市)では、そのピークがすでに2025年——これから減っていく局面に入っています。65歳以上人口が2045年までに減る市は1あります。総人口が増える市は、この圏にはひとつもありません。栃木県全体では65歳以上が+4.7%とわずかに増える推計ですから、この圏域は県の平均とは逆を向いています。
医療計画 ── 県の記述県の医療計画は、この圏域をどう書いているか
この圏域を名指しした記述は、収録済みの計画本文からは見つかりませんでした。
4年の推移 ── この圏域の閉局は4年でしか語れませんこの圏域で、4年間に閉じた薬局と、引き継がれた薬局
両毛医療圏の暦年2025(2025年1月〜12月)の真の閉局は1件、廃止届でも3件しかありません。単年では市ごとの比較になりませんので、閉局の話は4年ぶん(2022〜2025年)でそろえています。4年の真の閉局は0件→4件→0件→1件、移転・承継は6件→1件→3件→2件。4年合計では真の閉局5件・移転承継12件で、引き継がれなかった割合は29.4%(県全体は26.1%)です。なお栃木県全体では、廃止届の中に「ある調剤チェーンが同じ日にまとめて機関コードを付け替えたもの」(法人の一斉付け替え・関東信越ブロック全体で機械検出)が3件混ざっていますが、両毛医療圏には1件も含まれていません。この圏域の承継の数字は、そのまま読んで差し支えありません。
2市の対比 ── ランキングは作りません足利市と佐野市
この圏は2市のみで構成されるため、圏内ランキングは作っていません(順位が事実以上の意味を持ってしまうため)。経営体力は足利市-1.2%・佐野市+1.6%です。
くわしい数字2市データ一覧
※処方せん需要は両毛医療圏全体の実績(NDB)を市の高齢人口で按分した推計です。薬局が8軒に満たない市では1軒あたりの値が大きく振れます。閉局は4年(2022〜2025年)の列で見てください。個店のランキングは作りません。
この地図の使い方(3段階のドリルダウン)
- 栃木県(ひとつ上・Lv1)=6の二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
- 両毛医療圏(このページ・Lv2)=2市で「同じ圏域の中の差」を見る。
- 市町(詳細・Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。
医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのかこの圏は郊外型(需要減)です
薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。両毛医療圏にいまある140軒それぞれについて、どちらの効き方が強いかを計算し、閉局の起こりやすさで重みづけて足し上げると、競争側の比率は0.44です(0.5以上なら都市型、それ未満なら郊外型)。この地域は郊外型(需要減)にあたります。需要の側は、この地域の総人口が2025→2045で-19.8%です。社人研の推計では、この地域は減り方が急な側(20年で15%超の減少)に入ります。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。名簿の欠号が32%あります。閉局の件数は下限値(実際はこれ以上)として扱ってください。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。
機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は87.9%です
薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。両毛医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は140軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 123軒=87.9%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 80軒=57.1%、在宅薬学総合体制加算 44軒=31.4%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 119軒=85.0%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。このページがこれまで載せていた届出率は、改定前の版の名簿を店名で突き合わせて数えたものでした。並べると、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)は今回57.1%/これまで63.6%(差-6.5ポイント)、地域支援・医薬品供給対応体制加算は今回87.9%/これまで31.4%(差+56.5ポイント)、在宅薬学総合体制加算は今回31.4%/これまで37.1%(差-5.7ポイント)です。差の主な理由は3つで、(1)令和8年度改定で後発医薬品調剤体制加算が地域支援・医薬品供給対応体制加算に統合されたこと(地域支援の届出率が跳ね上がる)、(2)かかりつけ薬剤師指導料が服薬管理指導料に統合され、代理指標に切り替えたこと、(3)これまでが店名の突き合わせ、今回が医療機関コードでの集計であること。どちらかが誤りという意味ではありません。これから先は、47都道府県を同じ月の版でそろえた今回の数え方を主に使います。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。
このレポートの範囲と、正直な限界
- 【このレポートで言えること】地域単位(二次医療圏・市町)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
- 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
- 【処方せんの推計方法】両毛医療圏の院外処方せん実績(NDB 2023年・年間1,683,144枚)を、市ごとの65歳以上人口シェアで按分した推計です。実際の処方せんは市町別には公表されていません(NDBの最小単位が二次医療圏のため)。院内で処方されている分は含みません。
- 【「経営体力の変化」の意味】圏域全体の処方せん総数を現在の水準に固定したうえで、圏内での高齢人口シェアの移動だけを見た相対値です。圏全体として処方せんが増えるか減るかは、ひとつ上の階層(栃木県=Lv1)の需要指数で別に示しています(この圏域は2025年を100として2045年に98.7)。
- 【薬局数は2025年で固定】市町別の推計では、薬局の数はいまのまま変わらないと置いています。新規開局・閉局による将来の店舗数の変化は含みません。
- 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。
- 【閉局の数え方と集計期間】関東信越厚生局の保険薬局廃止情報のうち、移転・承継を除いた「真の閉局」だけを数えています。既定の集計期間は暦年2025(2025年1月〜12月)で、両毛医療圏の真の閉局は1件(廃止届3件・うち移転承継2件)でした。1圏・1年では件数が少なすぎるため、本文では暦年2022〜2025の4年合計(真の閉局5件・移転承継12件)で述べています。件数は2026年7月29日時点の名簿によるもので、名簿の掲載遅れにより今後も増えることがあります。
- 【法人の一斉付け替え】保険薬局の廃止情報には、1つの法人が同じ日にまとめて機関コードを付け替える動きが混ざります(関東信越10都県の合計で「同じ廃止日・同じ屋号の承継が20件以上」という条件で機械的に検出しています)。両毛医療圏には1件も含まれていません。このページの承継・引き継がれなかった割合は、差し引きの前後で変わりません。
- 【単年と4年で印象が変わります】1医療圏・1年あたりの廃止届は多くて十数件です。単年の数字(とくに0件)を地域の固定的な性質として読まないでください。本文の市町比較は暦年4年の合計だけで行っています。
- 【名簿に欠号はありません】栃木県の名簿は2021.11号〜2026.7号の57ヶ月が連続してそろっており、薬局の行が0件の号は「名簿が無い」のではなく「その月に廃止届が無かった」ことを、同じ名簿の医科・歯科の行で確認しています(詳細はLv1ページ)。
- 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません。薬局の位置は届出上の市町コードで割り当てています。閉局は座標の点内判定で割り当てていますが、全件について届出住所と一致することを確認済みです。
- 【機能の届出率】かかりつけ薬剤師指導料などの届出状況は薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告に基づきます。この圏域は全140店に届出データがあり、分母は薬局数と一致します。届出=実際の提供実績ではありません。
- 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。
- 【徒歩カバー率は直線近似】徒歩10分圏カバー率62.4%は、直線距離×迂回係数1.3÷分速80mの近似で、実際の道路をたどった実測(OSRM)ではありません(walk_access.access_method = "fallback_haversine")。実測化すると数ポイント下がる傾向があります。また最寄りの薬局は県内からだけ探しているため、県境沿いで隣県の薬局が近い地区では実際より低め(下限)に出ます。冬期の通行止め・公共交通は含みません。
- 【いま出していない数字】2045年の薬局店数の推計は、いまも出していません(参入と退出の数え方がそろわず、そのまま回すと全国で薬局が2割以上増える計算になってしまうため)。医療圏の「都市型/郊外型」分類は、供給の統計モデルが47都道府県フル学習になったので掲載に切り替えました。
- 【薬局が0軒の自治体】この圏域にはありません(栃木県には薬局0軒の自治体がひとつもありません)。
- 【表示の丸めについて】この圏域の需要の変化(chg -1.2%)と65歳以上人口の変化(e65_chg -1.3%)は、丸める前の真の値がどちらも−1.25付近にあり、計算順序の違いで小数第1位の表示が0.1ポイントずれています。数値の誤りではありません(詳細はLv1ページの identity_rounding_edge)。
- 【この圏は薄型レポートです】構成が2市のみで、圏内の順位付け・ランキングは行っていません(順位が事実以上の意味を持ってしまうため)。数値表・地図・人口動態・徒歩カバー率は他圏と同じ基準で掲載しています。
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