長崎県県央(二次医療圏)

CrossHealth / 薬局持久度レポート

県内で唯一、処方せん需要が増える

県央医療圏5市町の薬局を、供給・高齢化・経営体力で見える化。市区町村ごとの詳細レポートは順次公開します。

対象 県央医療圏 5市町期間 2025年 → 2045年概要版・無料

無料レポート

県央医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)

ここから先の数字を、出典と作成時点をつけてA4・6ページにまとめたものをお送りします。そのまま社内やご相談の資料にお使いいただけます。受け取る地域をお選びください。

無料・パスワード不要です。ご登録のメールに確認リンクをお送りし、そこからレポートをお読みいただけます。あわせて、隔週の便り(街の数字をひとつ、薬剤師の目で翻訳したもの)もお届けします。登録済みの方はログイン(対象地域は順次拡大しています)

県央医療圏は、諫早市・大村市・東彼杵町・川棚町・波佐見町の5市町からなる圏域です。薬局は137軒(長崎県の19.5%)。長崎県8医療圏で唯一、処方せん需要(65歳以上人口)が2045年までプラス(+4.7%)の圏です。ただし増えるのは圏の一部だけです。

5
県央医療圏の市町
137
圏内の薬局数
3
直近12ヶ月に閉じた薬局(承継・移転を除く)
-23〜+13%
経営体力の変化レンジ(市町差)

経営体力(薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化・圏内での相対値)を並べると、いちばん沈むのが東彼杵町(-23.0%)、いちばん保つのが大村市(+13.4%)で、開きは36.4ポイントです。この色は圏内での相対値で、大村市の+13.4%は「圏内で相対的に保つ」という意味です(絶対量では大村市の65歳以上は+18.7%)。現在の水準では、薬局1軒あたりの処方せんは大村市の11,501枚から諫早市の13,829枚まで開きます(薬局8軒以上の市町での比較)。素の最大は東彼杵町の69,604枚ですが、これは薬局1軒に自治体ぶんの処方せんを按分した計算値で、実測ではありません。閉局については、直近12ヶ月(2025年5月〜2026年4月)に出た廃止届5件のうち2件は移転・承継で事業が続き、そのまま消えたのは3軒(圏の薬局137軒の2.19%)でした。「引き継がれなかった割合」は60.0%(長崎県全体は46.7%)ですが、分母は5件しかなく、1件の増減で大きく動く数字です。圏どうしの順位づけには使えません。なお、かかりつけ・地域連携・在宅の届出率は、長崎県では元データ(GMIS)が未取込のため算出していません(下の注記。(→ この波で、厚生局の施設基準届出受理医療機関名簿で数え直した届出率をこのページに載せました。GMISの自己申告からは算出できないという直前の説明は、GMISについてはいまも有効です。)0%という意味ではありません)。

地図 ── 地域差を見る薬局1軒あたり処方せんの、市町ごとの将来

色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化(=経営体力)。緑=圏内で相対的に増える、赤=減る。いちばん赤いのが東彼杵町(-23.0%)、いちばん緑なのが大村市(+13.4%)で、同じ県央医療圏の中に36.4ポイントの開きがあります。この色は圏内での相対値である点にご注意ください。

徒歩圏 ── 「近くの薬局」の実像(直線近似)徒歩10分圏に住む人は59.6%(直線近似)

250mメッシュ人口(2025年推計)で見ると、県央医療圏で最寄り薬局まで徒歩10分圏(直線近似)に住む人は59.6%(県全体58.6%)、20分圏で80.9%です。徒歩10分圏の外には104,235人が住んでいます。市町別では大村市の76.0%から東彼杵町の18.2%まで開きます。この値は直線距離×迂回係数1.3÷分速80mの近似で、OSRMの実道路網による実測ではありません(実測化すると数ポイント下がる傾向があります)。航路・便数・公共交通は含みません。

人口動態 ── 需要の源県内で唯一、65歳以上が増える圏(+4.7%)

なぜ市町で差が出るのか。もとをたどると人口の動きです。県央医療圏全体では、総人口は25.8万→21.4万人(-17.1%)と減りますが、65歳以上は8.1万→8.5万人(+4.7%)と増えます。高齢化率は31.5%→39.8%へ。65歳以上のピークは圏全体で2040年です。ただし中身は一様ではありません。圏内5市町のうち3町(東彼杵町・川棚町・波佐見町)は65歳以上人口がすでに2025年でピークを打っており、これから増えるのは諫早市・大村市の2市だけ。その2市もピークは2040年・2050年で、「増える側」の中でも時間差があります。同じ圏の中に、県全体の縮図が入っています。

総人口65歳以上
0万8万15万22万30万20252030203520402045205020万8万
実データ(社人研 将来推計人口・2023年推計)。

ランキング ── 市町差相対的に保つ市町・先に細る市町

東彼杵町(-23.0%)から大村市(+13.4%)まで36.4ポイントの開き。マイナスは4自治体です。圏内には薬局8軒未満の自治体が2つあり(東彼杵町・川棚町)、そこでは1軒あたりの数値が大きく振れます。波佐見町は8軒ちょうどで、1軒の開廃で数値が大きく振れます。

東彼杵町
-23.0%
川棚町
-13.4%
──── ここから経営が楽になる地域(需要増)────
波佐見町
-12.6%
諫早市
-3.8%
大村市
+13.4%

県の医療計画県の医療計画は、この圏域をどう書いているか

県が公表した保健医療計画の本文を、原文のまま引用しています(要約・言い換えはしていません)。

●医療圏別の医師数は、長崎と県央圏域に、重症の小児患者を受け入れる高度な小児医療施設や慢性期の小児患者を受け入れる医療機関が集中しているため、ほかの圏域と比較して医師数が多くなっています。

長崎県医療計画 小児医療 PDF 4ページ

並べているのは「県の計画にこう書いてある」という事実と、実データの数字です。計画の是非は論じません。

くわしい数字5市町データ一覧

市区町村薬局高齢率
2025
1軒あたり処方せん
2025 → 2045
変化
諫早市7033.1%13,829 → 13,301-3.8%
大村市5227.4%11,501 → 13,043+13.4%
波佐見町834.6%13,474 → 11,770-12.6%
川棚町635.8%16,920 → 14,659-13.4%
東彼杵町143.1%69,604 → 53,584-23.0%

※処方せん需要は県央医療圏全体の実績(NDB)を市町の高齢人口で按分した推計です。閉局は圏の合計としてのみお読みください(市町別は件数が少なすぎます)。機能の届出率は長崎県では算出していません(GMIS未取込)。(→ この波で、厚生局の施設基準届出受理医療機関名簿で数え直した届出率をこのページに載せました。GMISの自己申告からは算出できないという直前の説明は、GMISについてはいまも有効です。)個店のランキングは作りません。

この地図の使い方(3段階のドリルダウン)

  • 長崎県(ひとつ上・Lv1)=8つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
  • 県央医療圏(このページ・Lv2)=5市町で「同じ圏域の中の差」を見る。
  • 市町(詳細・Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。

県央医療圏 5市区町村すべての詳細レポート(薬局持久度レポート会員向け・有料)

医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのかこの圏は郊外型(需要減)です

薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。県央医療圏にいまある137軒それぞれについて、どちらの効き方が強いかを計算し、閉局の起こりやすさで重みづけて足し上げると、競争側の比率は0.47です(0.5以上なら都市型、それ未満なら郊外型)。この地域は郊外型(需要減)にあたります。需要の側は、この地域の総人口が2025→2045で-17.1%です。社人研の推計では、この地域は減り方が急な側(20年で15%超の減少)に入ります。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。

機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は96.3%です

薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。県央医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は136軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 131軒=96.3%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 94軒=69.1%、在宅薬学総合体制加算 56軒=41.2%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 114軒=83.8%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。

このレポートの範囲と、正直な限界

  • 【このレポートで言えること】地域単位(二次医療圏・市町)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
  • 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
  • 【処方せんの推計方法】県央医療圏の院外処方せん実績(NDB 2023年・年間1,845,014枚)を、市町ごとの65歳以上人口シェアで按分した推計です。実際の処方せんは市町別には公表されていません(NDBの最小単位が二次医療圏のため)。
  • 【「経営体力の変化」の意味】圏域全体の処方せん総数を現在の水準に固定したうえで、圏内での高齢人口シェアの移動だけを見た相対値です。プラスでも、その市町の処方せんが絶対量で増えるという意味ではありません。圏全体として処方せんが増えるか減るかは、ひとつ上の階層(長崎県=Lv1)の需要指数で別に示しています(この圏域は2025年を100として2045年に104.7)。
  • 【薬局数は2025年で固定】将来の推計では、薬局の数はいまのまま変わらないと置いています。新規開局・閉局による将来の店舗数の変化は含みません。
  • 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。
  • 【★閉局の数え方と集計期間】九州厚生局の保険薬局廃止情報のうち、移転・承継を除いた「真の閉局」だけを数えています(県央医療圏で3件)。廃止届は全部で5件出ていますが、そのうち2件は新しい機関コードが記載されており、別の担い手が事業を引き継いだ=その場所から薬局が消えてはいない、と読めます(内訳は clo_gross / clo_relo として別に保持)。集計期間は直近12ヶ月(2025年5月〜2026年4月)で、九州ブロックで統一した窓です(福岡県版など各県の公開値とそのまま並べられます)。大阪府・千葉県の公開値(暦年2025)と比べるときは、参考値として持っている暦年2025の数字(この圏域は真の閉局3件)をお使いください。初版の窓(2025年6月〜2026年5月)の値は真の閉局3件です。件数は2026年7月30日時点の名簿(2026年6月21日までの記録)による値で、名簿の掲載遅れにより今後も増える可能性があります。
  • 【年ごとの推移は参考値・2023年と2024年は下限です】JSONの clo_by_year は参考値です。名簿の号が2024年前後で5号欠けていることが号復元検証で確認されており(欠号: 2024-02・03・05・06・08)、2023年・2024年の件数は下限(実際はこれ以上)として読んでください。既定窓(2025年5月〜2026年4月)はこの欠号の影響を受けていません(無傷)。
  • 【閉局は市町別に読まないでください】この圏域の真の閉局3件は長崎県全体でも14件しかない事象の一部です。市町ごとに割ると0〜2件となり、1件の増減で率が数ポイント動きます。市町別の閉局数はJSONには入れていますが、市町どうしの順位づけや「この市は閉局が多い」という読み方には使えません。
  • 【機能の届出率】厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」(8厚生局・47都道府県を同じ月の版でそろえたもの)で数え直し、掲載に切り替えました。分母は名簿に載る136軒で、地域支援・医薬品供給対応体制加算96.3%/かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定)69.1%/在宅薬学総合体制加算41.2%/電子的調剤情報連携体制整備加算(推定)83.8%です。かかりつけ薬剤師と電子的調剤情報連携体制の2項目は、令和8年度改定で届出名称が変わったため代理指標を用いた推定です(本文に明記)。届出は「その体制をとると届け出た」記録で、提供実績ではありません。
  • 【★徒歩カバー率は直線近似】徒歩10分圏カバー率59.6%は、250mメッシュ推計人口(2025年・257,740人)と県内の薬局から、直線距離×迂回係数1.3÷分速80mで近似した値です(walk_access.access_method = "fallback_haversine")。OSRM実道路網による実測ではなく、実測化すると数ポイント下がる傾向があります。最寄り薬局は市町・医療圏の境界を越えて探しています(越境あり・県境は越えません)。直線は海をまたいで測られるため、島では海をへだてた薬局を拾いうる近似です。公開済みの長崎医療圏Lv2にはまだこの軸が無く、次回更新で8圏そろえる予定です。
  • 【小さすぎる分母】東彼杵町・川棚町は薬局8軒未満で、1軒あたりの数値は1店の開廃で大きく振れます。傾向としてのみお読みください。本文では8軒未満の市町の比率は語っていません。
  • 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません。薬局の位置は届出上の市町コードで割り当てています(未割当0件)。この圏域に薬局0軒の市町はありません。
  • 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。
  • 【いま出していない数字】2045年の薬局店数の推計は、いまも出していません(参入と退出の数え方がそろわず、そのまま回すと全国で薬局が2割以上増える計算になってしまうため)。医療圏の「都市型/郊外型」分類は、供給の統計モデルが47都道府県フル学習になったので掲載に切り替えました。

無料レポート

県央医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)

薬局の分布と、同じ医療圏の市区町村どうしの落差を1冊にまとめました。出典と作成時点を入れてあるので、そのまま社内やご相談の資料にお使いいただけます。受け取る地域をお選びください。

無料・パスワード不要です。ご登録のメールに確認リンクをお送りし、そこからレポートをお読みいただけます。あわせて、隔週の便り(街の数字をひとつ、薬剤師の目で翻訳したもの)もお届けします。登録済みの方はログイン(対象地域は順次拡大しています)

Requestまだ公開されていない地域も、リクエストできます公開されたら、メールでお知らせします(無料)。 今すぐ必要な方は会員の優先生成へ。

似ている地域

全国335の二次医療圏から、人口規模・高齢化率・薬局の薄さ・医薬分業率で似ている圏を、同じ県を除いて探しました。

お仕事のご依頼

自治体・薬剤師会・研究者の方へ。この地域のより詳しい分析や、地域医療構想調整会議・研修でそのまま使える資料の作成を承ります(圏域ブリーフ ¥100,000〜)。個店のランキングや出店指南は行いません。

お問い合わせ →