福島県相双医療圏

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将来の需要を、数字にできない圏

相双医療圏(相馬市・南相馬市・広野町・楢葉町・富岡町・川内村・大熊町・双葉町・浪江町・葛尾村・新地町・飯舘村)の薬局を見える化しています。

データ更新: 2026-07-29Lv2(医療圏)出典: 公的統計のみ

この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。

相双医療圏の調剤薬局は54軒。社人研の2023年推計は、この圏の12市町村をいわき市とあわせた「浜通り地域」という1つの単位でしか推計していないため、この圏の将来需要・高齢化率・65歳以上のピーク年は算出できません。0ではなく、推計が存在しないという意味です。12市町村のうち6町村(富岡町・川内村・大熊町・双葉町・葛尾村・飯舘村)には保険薬局が無く、うち富岡町には病院1・診療所4・歯科2があります。ここに書いているのは推計単位と各時点の実測値という事実だけで、その背景の因果関係は、このデータからは判定できません。

地図 ── 地域差を見るこの圏の地図には、色を塗っていません

他の圏の地図の色(圏内での需要シェアの移動)は、市町村ごとの将来人口から計算します。相双医療圏では構成12市町村の個別推計が存在しないため、色を塗るための数字がありません。0でも横ばいでもなく「無い」ので、色は塗らず、薬局の軒数と閉局の件数だけを地図に載せています。

南相馬市:薬局33軒(将来推計なし)相馬市相馬市:薬局17軒(将来推計なし)相馬市広野町:薬局1軒(将来推計なし)広野町楢葉町:薬局1軒(将来推計なし)楢葉町浪江町:薬局1軒(将来推計なし)浪江町新地町:薬局1軒(将来推計なし)新地町富岡町:薬局なし富岡町川内村:薬局なし川内村大熊町:薬局なし大熊町双葉町:薬局なし双葉町葛尾村:薬局なし葛尾村飯舘村:薬局なし飯舘村
色は塗っていません(市町村別の将来推計が存在しないため)
薬局なし(富岡町・川内村・大熊町・双葉町・葛尾村・飯舘村)
市区町村そのものの形で塗り分けています。
市町村別の将来値が復帰する条件は、社人研がこの13市町村を個別に推計するか、別の公的推計を取り込んだときです。

人口動態(浜通り地域・2圏合算でのみ)「浜通り地域」としてなら、軌跡はこう見えます

いわき医療圏とあわせた「浜通り地域」(13市町村・薬局242軒)の総人口は421,046→331,391人(-21.3%)、65歳以上は144,882→140,183人(-3.2%)で、ピークは2025年です。この数字を相双といわきの2圏に割ることはできません。

実データ(社人研 将来推計人口・2023年推計。浜通り地域は一括単位)。

承継廃止届3件のうち、そのまま消えたのは1件でした(8ヶ月)

2025年4月〜2025年11月の8ヶ月で、相双医療圏の廃止届は3件(移転・承継2件・真の閉局1件)。年度末の3月を含む12ヶ月の参考窓でも同じ3件です。薬局54軒という小さな分母では1件で率が大きく動くため、率の順位づけには使いません。

徒歩アクセス(参考・直線近似)徒歩10分圏に住む人は36.5%(県平均53.7%)

最寄りの薬局まで徒歩10分以内に住む人口は圏全体で36.5%(20分以内では53.8%)。250mメッシュも浜通り13市町村を一括単位で持っているため、市町村別のカバー率は算出できません(圏の値はメッシュの医療圏列から算出しています)。この値は直線距離×迂回係数1.3÷分速80mの近似(fallback法)で、OSRM実道路網の実測ではありません。

医療計画県の医療計画は、この圏域をどう書いているか

県が公表した保健医療計画の本文を、原文のまま引用しています(要約・言い換えはしていません)。

○相双医療圏については、東日本大震災及び原子力災害による避難指示区域の解除や帰還者及び移住者の増加など復興の途上にあり、人口や入院医療の充足状況が変化していることから、これまでの医療圏を維持することとしました。

福島県医療計画(第8次)第8次福島県医療計画 全体版 PDF 36ページ

○相双地域には三次救急医療機関がないことから、引き続き、近隣圏域の三次救急医療機関との連携を図ります。

福島県医療計画(第8次)第8次福島県医療計画 全体版 PDF 374ページ

○相双地域では公立相馬総合病院と南相馬市立総合病院の2病院の連携により周産期協力施設としての機能を確保していきます。

福島県医療計画(第8次)第8次福島県医療計画 全体版 PDF 227ページ

並べているのは「県の計画にこう書いてある」という事実と、実データの数字です。計画の是非は論じません。

くわしい数字12市町村データ一覧

市区町村薬局高齢率
2025
1軒あたり処方せん
2025 → 2045
変化
南相馬市33未算出推計なし
相馬市17未算出推計なし
広野町1未算出推計なし
楢葉町1未算出推計なし
浪江町1未算出推計なし
新地町1未算出推計なし
富岡町0未算出薬局なし
川内村0未算出薬局なし
大熊町0未算出薬局なし
双葉町0未算出薬局なし
葛尾村0未算出薬局なし
飯舘村0未算出薬局なし

市町村別の詳細ページ(Lv3)相馬市南相馬市広野町楢葉町富岡町川内村大熊町双葉町浪江町葛尾村新地町飯舘村

※将来人口・高齢化率・1軒あたり処方せんの列は、全市町村で「—」です。0ではなく、市町村別の推計が存在しません。かかりつけ等の届出率は福島県では未算出です(GMIS未取込。(→ この波で、厚生局の施設基準届出受理医療機関名簿で数え直した届出率をこのページに載せました。GMISの自己申告からは算出できないという直前の説明は、GMISについてはいまも有効です。)0%ではありません)。

医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのかこの圏は郊外型(需要減)です

薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。相双医療圏にいまある54軒それぞれについて、どちらの効き方が強いかを計算し、閉局の起こりやすさで重みづけて足し上げると、競争側の比率は0.33です(0.5以上なら都市型、それ未満なら郊外型)。この地域は郊外型(需要減)にあたります。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。廃止届の名簿がそろっている期間が19ヶ月しかありません。この分類は2025〜26年の実績水準がこの先も続くと置いた場合の姿です。東北6県は画像PDFの廃止届が未回収で、閉局の捕捉が下限にとどまる可能性があります(統計的な下限の証拠は出ていませんが、回収の来歴から保守的に扱っています)。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。

機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は94.4%です

薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。相双医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は54軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 51軒=94.4%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 34軒=63.0%、在宅薬学総合体制加算 19軒=35.2%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 40軒=74.1%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。

このレポートの範囲と、正直な限界

  • 閉局の期間は2025年4月〜2025年11月の8ヶ月です。1年ぶんではありません。
  • ★この8ヶ月には年度末(3月)が入っていません。3月を含む12ヶ月の参考窓では廃止届が3件→3件、真の閉局が1件→1件に変わります。両方を見てください。
  • 閉局・廃止届の件数は2026-07-29時点の名簿によるもので、掲載の遅れにより今後も増える可能性があります(下限値です)。
  • 市町村どうしの閉局率を順位づけしていません。件数が一桁で、1件で大きく動きます。
  • かかりつけ・地域連携・在宅の届出率は未算出です(GMIS未取込・0%ではありません)。
  • 薬局数は2025年時点で固定しています。将来の店数は推計していません。
  • 徒歩カバー率は直線距離×迂回係数1.3÷分速80mによる近似(fallback法)で、OSRM実道路網の実測ではありません。実測化すると数ポイント下がる傾向があります。最寄りは市町村・医療圏の境界を越えて探しますが県境は越えないため、県境沿いは実際より低く出ることがあります。座標が福島県庁に落ちている9店は最寄り探索から除いています。
  • 閉局の市町村への割当ては住所文字列で行いました(届出住所ベース)。
  • 薬局9店の座標が福島県庁に落ちています。届出の市町村コードは正しいので集計には影響しませんが、市町村の重心と徒歩カバー率の供給点からは外しています。
  • 個別の薬局のランキング・名指しの閉局予測・出店の助言は一切含みません。
  • この圏の将来需要・高齢化率・65歳以上のピーク年は算出できません。社人研2023年推計が、この圏の12市町村を「浜通り地域」という一括単位でしか推計していないためです。0ではなく「推計が存在しない」という意味です。
  • 浜通り地域(いわき+相双)としての軌跡は出せますが、2圏に割ることはできません。
  • 薬局0軒の6町村(富岡町・川内村・大熊町・双葉町・葛尾村・飯舘村)は、GMISでも東北厚生局の保険薬局名簿(R8.7.1)でも0軒です。このうち富岡町には病院1・診療所4・歯科2があります。これらの町村は市町村別の人口も取れないため、人口規模との突き合わせはできていません。
  • この圏について、原発事故・避難指示と薬局数・閉局との因果関係は一切主張していません。書いているのは推計の単位と、時期を明記した実測値だけです。その判定は、このデータからはできません。
  • 市町村別の徒歩カバー率は算出できません(250mメッシュが浜通り13市町村を一括単位で持っているためです)。

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似ている地域

類似圏は見つかりませんでした。社人研の将来推計人口が市区町村別に無い(07209,07212,07541,07542,07543,07544,07545,07546,07547,07548,07561,07564)。福島県の浜通り13市町村は原発事故の影響で1つの『浜通り地域』(07999)として一括推計されており、市町村・医療圏に分解できない。

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