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CrossHealth / 薬局持久度レポート
大きな街が、ひとつも無い医療圏
西都児湯医療圏7市町村の薬局を、供給・高齢化・経営体力で見える化。市区町村ごとの詳細レポートは順次公開します。
西都児湯医療圏(西都市・高鍋町・新富町・都農町・川南町・西米良村・木城町)は、薬局32軒。宮崎県で最も薬局の少ない圏域です。けれども、宮崎県の7医療圏のなかでいちばん市町村の数が多いのもここ(7市町村)で、いちばん大きい西都市でも圏内薬局の31.2%しか占めません。他の6圏はどれも1つの市が63.2〜95.5%を抱えているので、「圏の中で市町村を比べる」ことが素直にできる唯一の圏域です。65歳以上人口は2045年までに-14.2%と減り、ピークはすでに2025年。7市町村すべてがピークを通過済みで、すべてで65歳以上人口そのものが減ります。それでも減り方はそろっていません。65歳以上人口の変化は-30.6%から-6.1%まで、24.5ポイント開きます。
西都児湯医療圏の特徴は、まず小ささが分散していることです。圏内で最も薬局が多い西都市が10軒、次が高鍋町8軒、新富町7軒——この3市町で圏内の78.1%を占め、残り4町村は合わせて7軒です。薬局0軒の自治体はありませんが、5町村が薬局8軒未満で、西米良村1軒・木城町1軒・川南町2軒・都農町3軒・新富町7軒という規模です。この圏域を読むときは、まず西都市・高鍋町の2市町(合わせて18軒・圏内の56.2%)を見てください。残りの町村は1軒の増減で数値が大きく動きます。つぎに、この圏域だけの数字があります。院外処方せん率68.6%——宮崎県計83.5%・全国80.7%をどちらも下回る、県内で唯一の圏域です(県内で最も高いのは日向入郷医療圏の92.3%)。圏内の医療機関では年間195,913枚が院内で出ており、薬局32軒あたりに直すと6,122枚。薬局に届いている13,369枚に対して46%にあたる量が、いま院内にあります。これは事実の記述で、そこに手を伸ばすべきだという話ではありません。人口の側を見ると、7市町村すべてが65歳以上人口のピークを2025年に通過済みです。総人口の減り方は西米良村の-31.8%から高鍋町の-21.5%まで。経営体力(薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化・圏内での相対値)では、いちばん伸びるのが新富町(+9.5%)、いちばん沈むのが西米良村(-19.1%)で、その差は28.6ポイントです。ただし圏全体の需要は-14.2%と減るので、プラスの市町も絶対量で楽になるわけではありません(絶対量では新富町も-6.1%)。広さの差は極端です。薬局1軒あたりの面積は高鍋町の5.5km²から西米良村の271.7km²まで49倍開きます。閉局については、この12ヶ月に出た廃止届2件のうち2件は移転・承継で事業が続き、そのまま消えたのは0軒でした。5年に広げても真の閉局4件・廃止届8件です(この5年ぶんは名簿の欠号により下限=実際はもう少し多いはず。直近12ヶ月のほうは影響を受けていません)。この件数は市町村どうしの比較に耐える量ではありません。閉局は圏の合計としてだけお読みください。
地図 ── 地域差を見る薬局1軒あたり処方せんの、市町村ごとの将来
色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化(=経営体力)。緑=圏内で相対的に増える、赤=減る。いちばん緑なのが新富町(+9.5%)、いちばん赤いのが西米良村(-19.1%)で、同じ西都児湯医療圏の中に28.6ポイントの開きがあります。この色は圏内での相対値である点にご注意ください。圏全体では処方せん需要が-14.2%と減る推計なので、緑の市町も絶対量では楽になりません(絶対量の変化は各市町村の chg_abs をご覧ください。圏内で最も浅い新富町でも-6.1%です)。薬局が8軒に満たない町村では、1軒の増減で色が大きく変わります。
人口動態 ── 需要の源7市町村すべてが、もう増えません
なぜ市町村で明暗が分かれるのか。もとをたどると人口の動きです。西都児湯医療圏全体では、総人口が9.0万→6.7万人(-25.7%)と減り、65歳以上も3.4万→2.9万人(-14.2%)と減ります。高齢化率は37.8%→43.7%へ上がりますが、それは総人口がもっと速く減るからです。65歳以上のピークは2025年——推計の起点の年で、つまり高齢者の実数はもう減りはじめている、という意味です。圏内7市町村はすべてがこのピーク済みの側にいます。宮崎県全体でも7医療圏のうち6圏がピーク済みで、県の65歳以上人口は2045年までに-5.3%減ります。増えるのは宮崎東諸県医療圏だけです。
ランキング ── 市町村の差圏内で相対的に厚くなる市町・薄くなる町村
西米良村(-19.1%)から新富町(+9.5%)まで28.6ポイントの開き。ただしこの順位は、そのまま「いまの厚さ」ではありません。いま薬局1軒あたりの処方せんがいちばん少ないのは西米良村の4,751枚で、いちばん多いのが川南町の34,221枚。7.2倍の開きがありますが、川南町は薬局2軒・西米良村は1軒で、分母が小さいほど1軒あたりは大きく振れます。この圏域で薬局8軒以上あるのは西都市・高鍋町の2市町だけで、この2市町の1軒あたりは10,252〜13,551枚と1.32倍に収まります。広さの差も見ておきます。薬局1軒あたりの面積は高鍋町の5.5km²から西米良村の271.7km²まで49倍。圏全体では36.1km²で、宮崎県7圏のうち2番目に疎です。
くわしい数字7市町村データ一覧
| 市区町村 | 薬局 | 高齢率 2025 | 1軒あたり処方せん 2025 → 2045 | 変化 |
|---|---|---|---|---|
| 西都市 | 10 | 40.8% | 13,551 → 12,987 | -4.2% |
| 高鍋町 | 8 | 34.5% | 10,252 → 10,937 | +6.7% |
| 新富町 | 7 | 34.1% | 9,616 → 10,527 | +9.5% |
| 都農町 | 3 | 40.9% | 15,794 → 14,527 | -8.0% |
| 川南町 | 2 | 38.4% | 34,221 → 34,209 | -0.0% |
| 西米良村 | 1 | 42.8% | 4,751 → 3,842 | -19.1% |
| 木城町 | 1 | 38.9% | 22,401 → 20,921 | -6.6% |
※処方せん需要は西都児湯医療圏全体の実績(NDB)を市町村の高齢人口で按分した推計です。薬局8軒未満の町村では1軒あたりの値が大きく振れます。閉局は圏の合計としてのみお読みください(市町村別は件数が少なすぎます)。かかりつけ・地域連携・在宅の届出率は、宮崎県ではデータが未取込のため掲載していません(0%ではありません)。個店のランキングは作りません。
この地図の使い方(3段階のドリルダウン)
- 宮崎県(ひとつ上・Lv1)=7つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
- 西都児湯医療圏(このページ・Lv2)=7市町村で「同じ圏域の中の差」を見る。
- 市町村(詳細・Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。
このレポートの範囲と、正直な限界
- 【このレポートで言えること】地域単位(二次医療圏・市区町村)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
- 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
- 【処方せんの推計方法】西都児湯医療圏の院外処方せん実績(NDB 2023年・年間427,817枚)を、市町村ごとの65歳以上人口シェアで按分した推計です。実際の処方せんは市町村別には公表されていません(NDBの最小単位が二次医療圏のため)。
- 【★小さい分母にご注意ください】この圏域は薬局32軒で宮崎県内で最も少なく、7市町村のうち5町村が薬局8軒未満です(西米良村1軒・木城町1軒・川南町2軒・都農町3軒・新富町7軒)。1軒あたり処方せんは、薬局が1〜2軒の町村では1軒の増減で数値が倍近く動きます。市町村どうしを1軒あたりで比べるときは、西都市・高鍋町の2市町(合わせて18軒)だけを見てください。なおこの圏域に薬局0軒の自治体はありません。
- 【院内処方は含みません】この圏域では年間195,913枚が院内で出ており、院外処方せん率は68.6%です(宮崎県計83.5%・全国80.7%)。県内7圏で最も低く、県計と全国平均の両方を下回るのはこの圏域だけです。上の枚数はすべて院外=薬局に来た分だけの数字で、院内の枚数は含みません。分業率が動くかどうかは制度と地域の医療提供体制の問題で、本レポートはその是非を判断しません。
- 【「経営体力の変化」の意味】圏域全体の処方せん総数を現在の水準に固定したうえで、圏内での高齢人口シェアの移動だけを見た相対値です。プラスでも、その市町村の処方せんが絶対量で増えるという意味ではありません。圏全体として処方せんが増えるか減るかは、ひとつ上の階層(宮崎県=Lv1)の需要指数で別に示しています(この圏域は2025年を100として2045年に85.8)。
- 【薬局数は2025年で固定】市町村別の推計では、薬局の数はいまのまま変わらないと置いています。新規開局・閉局による将来の店舗数の変化は含みません。
- 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。
- 【閉局の数え方と集計期間】九州厚生局の保険薬局廃止情報のうち、移転・承継を除いた「真の閉局」だけを数えています(西都児湯医療圏で0件)。廃止届は全部で2件出ていますが、そのうち2件は新しい機関コードが記載されており、別の担い手が事業を引き継いだ=その場所から薬局が消えてはいない、と読めます。集計期間は完全な12ヶ月がそろう2025年5月〜2026年4月(12ヶ月)で、廃止日の月次分布に欠落が無いことを確認したうえで2021年5月〜2026年4月(5年)の値(真の閉局4件・廃止届8件)も併記しています。他県の公開値と直接は並べられません(集計期間の違いに加えて、厚生局ブロックによる名簿の捕捉率の違いがあるため。次の項目)。
- 【★5年ぶんの数字は「下限」です】九州厚生局の廃止名簿は、名簿PDFのファイル名から「号」を復元すると2024年に5号が欠けています(2024-02・2024-03・2024-05・2024-06・2024-08号)。廃止の届は出た月の1〜3ヶ月後の号に載るため、2023-12〜2024-06の7ヶ月は件数が実際より少なく出ています。5年窓(2021年5月〜2026年4月(5年))はこの期間を含むので、この圏域の真の閉局4件・廃止届8件は下限(少なくともこれだけはあった)としてお読みください。既定の12ヶ月窓(2025年5月〜2026年4月(12ヶ月))はこの欠けの外にあり、影響を受けません。
- 【★閉局データの限界】同じ12ヶ月窓で薬局1軒あたりの廃止届を数えると、九州8県は3.78〜9.55%で、東海北陸6県(1.42〜2.65%)とは1点も重なりません=地方厚生局ブロックごとにレンジがまとまります。この圏域や宮崎県の閉局率を、他の地方の都道府県と直接比べてはいけません。宮崎県内の医療圏どうし・市町村どうしは同じ名簿なので比較できます(ただし件数が少なすぎるので、市町村別は上の項目のとおり読まないでください)。
- 【閉局は市町村別に読まないでください】この圏域の真の閉局0件は、宮崎県全体でも10件しかない事象の一部です。市町村ごとに割ると0〜0件となり、1件の増減で率が数ポイント動きます。市町村別の閉局数はJSONには入れていますが、市町村どうしの順位づけや「この市町村は閉局が多い」という読み方には使えません。なお宮崎県では、閉局136件すべてに座標があり、市町村に配れない廃止届は0件でした(圏の合計 = 県計)。
- 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません。薬局の位置は届出上の市区町村コードで割り当てています。
- 【★機能の届出率は出していません】かかりつけ薬剤師指導料・地域連携薬局・在宅対応の届出率は、宮崎県では掲載していません。薬局機能情報提供制度(GMIS)の届出データが当データベースに未取込で、集計すると全店0%になってしまうためです。0%は「届け出ている薬局が無い」という意味ではなく、単にデータが無いという意味です。他県版(大阪・千葉・兵庫ほか)にはこの軸があり、宮崎版には無い、という違いがあります。
- 【面積の使い方】薬局1軒あたりの面積(km²/軒)は、行政区域ポリゴンの球面積を薬局数で割ったものです。人が住んでいない山地も面積に含まれるため、「住民から薬局までの距離」ではありません。250mメッシュによる徒歩アクセス率は、宮崎県分のメッシュが未投入のため出せません。
- 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。
- 【名前が似ている単位】このページの「西都児湯医療圏」は西都市・高鍋町・新富町・西米良村・木城町・川南町・都農町の7市町村を指します。隣の「宮崎東諸県医療圏」は宮崎市・国富町・綾町の3市町で、宮崎県全体のことではありません。
- 【いま出していない数字】2045年の薬局店数の推計と、医療圏の「都市型/郊外型」分類は掲載していません(Lv1と同じ理由・供給の統計モデルを再学習中のため)。
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