障害福祉分野の生産性向上ガイドライン素案が公表 当事者視点のケア充実と業務改善の両立へ
令和8年11月6日に、第2回障害福祉分野における人材確保・生産性向上に関する検討会がオンラインで開催されました。
本検討会は、労働力人口が減少する中で、利用者視点に立った質の高い障害福祉サービスを提供し続けるための体制構築を目的に設置されたものです。
会議では、「障害福祉分野における生産性向上ガイドライン」の素案や今後の進め方などが議論されました。
第2回 障害福祉分野における人材確保・生産性向上に関する検討会
議事次第
令和8年11月6日(金)
(議事次第.pdf, Page 1)
今回提示されたガイドライン素案は、全体共通の考え方を示す共通編と、事業の類型ごとにまとめたサービス種別編の2層で構成されています。
サービス種別編では、居宅・相談系、通所系、施設・居住支援系、児童系の4つの類型に分類されています。
それぞれの類型において、記録や請求業務、スケジュール作成、夜間見守り、情報連携などの課題に応じた改善策が整理される予定です。
この取組は単なる省力化や人員削減を目的とするものではなく、当事者視点に立ったケアの充実と職員の働きやすさ向上を両立させるものと定義されています。
介護保険分野の「介護サービス事業における生産性向上(業務改善)に資するガイドライン」及び令和7年に策定された「障害福祉現場における生産性向上の基本的な考え方」を基に障害福祉サービス事業における生産性向上ガイドラインを策定することで如何か。
(01_資料1 障害福祉分野における生産性向上ガイドライン等について.pdf, Page 3)
ガイドライン素案では、障害福祉の現場で業務改善を円滑に進めるための5つの標準的なステップが示されました。
具体的には、共感をつくる、課題を見える化する、解決策を考える、試してみる、振り返る、という手順が整理されています。
改善を行う際は、法人の理念や目指す姿を職員間で共有し、共通の理解を得ることが重要とされています。
また、一度に全体を変えるのではなく、小規模な事業所や一部の業務から小さく試し、段階的に広げていく進め方が推奨されています。
(第2章)改善を進める5つのステップ
• 共感をつくる
• 課題を見える化する
• 解決策を考える
• 試してみる
• 振り返る
(01_資料1 障害福祉分野における生産性向上ガイドライン等について.pdf, Page 18)
検討会では、実際の障害福祉現場における介護テクノロジー導入の実証調査概要も報告されました。
実証では、記録・請求ソフト、ビジネスチャット、AI技術、見守り支援機器の4つのテーマについて、業務効率化や支援の質への影響が検証されています。
あわせて示されたプランでは、生産性向上に向けた主要な数値目標(KPI)が設定されました。
ICT活用等により業務量の縮減を行う事業所の割合を、現況の32.3%から2026年には50%、2029年には90%以上へと拡大させる計画です。
さらに、自治体によるワンストップ相談窓口の全都道府県への設置や、指定申請手続き等のシステム共通化も進められます。
ICT活用等により業務量の縮減を行う事業所の増加:32.3%(現状)→50%(2026年)→90%以上(2029年)
都道府県ワンストップ窓口設置数の増加:4(現状)→10以上(2026年)→47(2029年)等
(05_参考資料2 省力化投資促進プランー障害福祉ー(令和7年6月13日).pdf, Page 3)
厚生労働省とこども家庭庁は、実証調査で創出された効果や関係団体からのヒアリング意見を踏まえ、ガイドラインの完成を目指します。
さらに、SNSや動画、漫画などを活用した広報を展開し、現場における生産性向上の正しい理解と取組の定着を後押ししていく考えです。
障害福祉現場における環境整備と支援の質向上の両立に向け、今後の具体的な展開が注目されます。
「生産性向上ガイドライン」等の普及・展開による、障害福祉現場における生産性向上の取組の推進
(01_資料1 障害福祉分野における生産性向上ガイドライン等について.pdf, Page 4)
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