東京都区西部(二次医療圏)

CrossHealth / 薬局持久度レポート

新宿区・中野区・杉並区——薬局653軒、需要は2045年に+33.5%

区西部医療圏3区の薬局を、供給・高齢化・経営体力で見える化。市区町村ごとの詳細レポートは順次公開します。

対象 区西部医療圏 3区期間 2025年 → 2045年概要版・無料

この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。

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区西部医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)

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区西部医療圏は新宿区・中野区・杉並区の3区からなり、薬局は653軒。65歳以上人口は2025→2045年で+33.5%増え(伸びは都内13医療圏で3位)、暦年2025(2025年1月〜12月)にそのまま消えた薬局は18軒(2.76%)でした。4年(4年(2022年1月〜2025年12月))の真の閉局率は年2.3%で都内5位です。

3
区西部医療圏の区
653
圏内の薬局数
18
2025年に閉じた薬局(承継・移転を除く)
+34%
65歳以上人口の変化(→2045)

区西部医療圏の総人口は130.0万→135.2万人(+4.0%)、65歳以上は26.0万→34.7万人(+33.5%)。高齢化率は20.0%→25.7%へ動きます。65歳以上人口は推計の終わり(2050年)まで増え続けます。圏内でピークを過ぎた自治体は0区です。閉局の側では、暦年2025(2025年1月〜12月)の廃止届46件のうち28件が移転・承継で続き、そのまま消えたのは18軒(真の閉局数は都内3位)。4年では真の閉局60件・年あたり2.3%です。経営体力(薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化・圏内の相対値)は、新宿区の-5.0%から杉並区の+3.8%まで開き、2区がマイナス側です。ただしこれは圏内でのシェアの取り合いを示す相対値で、65歳以上人口そのものは新宿区の+26.9%から杉並区の+38.6%まで(落差11.7ポイント)です。徒歩アクセスは、250mメッシュ実人口ベースの徒歩10分カバー率が99.7%(直線近似・下の注記)。

地図 ── 地域差を見る薬局1軒あたり処方せんの、区ごとの将来

色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化(=経営体力)。緑=圏内で相対的に増える、赤=減る。いちばん赤いのが新宿区(-5.0%)、いちばん緑なのが杉並区(+3.8%)です(薬局1〜2軒の自治体は1店の動きで値が跳ねるため、この比較から外しています)。赤い区も「高齢者が減る」とは限らず、圏内での取り分が薄くなる、という意味です。

新宿区:薬局230/1軒あたり処方せん -5.0%新宿区中野区:薬局165/1軒あたり処方せん -2.0%中野区杉並区:薬局258/1軒あたり処方せん +3.8%杉並区
色=経営体力の変化(→2045・圏内の相対値)
減る(-5%)増える(+4%)
市区町村そのものの形で塗り分けています。

人口動態 ── 需要の源3区すべてで、65歳以上は2050年まで増え続ける

区西部医療圏全体では、総人口は130.0万→135.2万人(+4.0%)、65歳以上は26.0万→34.7万人(+33.5%)と動きます。高齢化率は20.0%→25.7%へ。65歳以上人口は推計の終わり(2050年)まで増え続けます。圏内で65歳以上人口の伸びが最大なのは杉並区の+38.6%、最小は新宿区の+26.9%です。いま高齢化率がいちばん高いのは杉並区の20.8%、東京都全体は22.8%です。

総人口65歳以上
0万35万70万105万140万202520302035204020452050134万36万
実データ(社人研 将来推計人口・2023年推計)。

医療計画 ── 県の記述県の医療計画は、この圏域をどう書いているか

この圏域を名指しした記述は、収録済みの計画本文からは見つかりませんでした。

承継 ── 消えた薬局と、続いた薬局4年で60軒が、引き継がれずに消えました

暦年2025(2025年1月〜12月)の廃止届は46件、うち28件は移転・承継で事業が続き、そのまま消えたのは18軒でした。単年では振れるため、4年(4年(2022年1月〜2025年12月))でも数えています。真の閉局60件・移転承継86件です。4年の引き継がれなかった割合は41.1%で、東京都全体(40.4%)を上回ります。圏内では中野区の33.3%から杉並区の46.8%まで開きます。同じ日にまとめて出る移転・承継(管内をまたぐ法人再編)の日を除くと、この割合は41.1%→44.0%になります(東京都全体は40.4%→47.6%)。なお東京都全体では、閉局の起きやすさは区部7医療圏(2.06〜3.62%/年)と多摩5医療圏(1.23〜1.81%/年)で重なりませんが、引き継がれなかった割合は区部と多摩に分かれません。「消えやすさ」と「引き継がれにくさ」は別の指標です。

徒歩アクセス ── 250mメッシュ実人口徒歩10分カバー率は99.7%(直線近似)

250mメッシュの実人口で測ると、この圏域の徒歩10分カバー率は99.7%、徒歩10分を超える住民は3,769人です(20分カバー率100.0%)。区別では杉並区の99.4%から新宿区の100.0%まで。この徒歩分は直線距離×迂回係数1.3÷分速80mの近似で、実際の道路網・地形・信号は考慮していません(OSRM実道路網による計算が使えない環境で生成したためのフォールバック法。下の注記)。川や崖で迂回が生じる場所では、実際の徒歩時間はこれより長くなります。

地域の差 ── 区の差需要が減る区・増える区

新宿区(-5.0%)から杉並区(+3.8%)まで。マイナスは2区です。現在の1軒あたり処方せんは新宿区の10,849枚から杉並区の17,608枚まで1.62倍の開きがありますが、住民の数で按分した推計値なので、昼夜間人口の差が大きい区ほど実態から外れます。絶対値の比較より、変化の向き(増えるか減るか)を見てください。個店のランキングは作りません。

新宿区
-5.0%
──── ここから需要が増える地域────
中野区
-2.0%
杉並区
+3.8%

くわしい数字3区データ一覧

市区町村薬局高齢率
2025
1軒あたり処方せん
2025 → 2045
変化
杉並区25820.8%17,608 → 18,285+3.8%
新宿区23018.9%10,849 → 10,310-5.0%
中野区16519.7%15,601 → 15,295-2.0%

※処方せんは区西部医療圏全体の実績(NDB)を区の高齢人口で按分した推計です。昼夜間人口は反映していません。個店のランキングは作りません。

この地図の使い方(3段階のドリルダウン)

  • 東京都(ひとつ上・Lv1)=13の二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
  • 区西部医療圏(このページ・Lv2)=3区で「同じ圏域の中の差」を見る。
  • 区市町村(詳細・Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。

区西部医療圏 3市区町村すべての詳細レポート(薬局持久度レポート会員向け・有料)

医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのかこの圏は都市型(競争淘汰)です

薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。区西部医療圏にいまある653軒それぞれについて、どちらの効き方が強いかを計算し、閉局の起こりやすさで重みづけて足し上げると、競争側の比率は0.89です(0.5以上なら都市型、それ未満なら郊外型)。この地域は都市型(競争淘汰)にあたります。需要の側は、この地域の総人口が2025→2045で+4.0%です。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。

機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は79.1%です

薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。区西部医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は681軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 539軒=79.1%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 381軒=55.9%、在宅薬学総合体制加算 283軒=41.6%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 557軒=81.8%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。このページがこれまで載せていた届出率は、改定前の版の名簿を店名で突き合わせて数えたものでした。並べると、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)は今回55.9%/これまで63.6%(差-7.7ポイント)、地域支援・医薬品供給対応体制加算は今回79.1%/これまで46.4%(差+32.7ポイント)、在宅薬学総合体制加算は今回41.6%/これまで51.1%(差-9.5ポイント)です。差の主な理由は3つで、(1)令和8年度改定で後発医薬品調剤体制加算が地域支援・医薬品供給対応体制加算に統合されたこと(地域支援の届出率が跳ね上がる)、(2)かかりつけ薬剤師指導料が服薬管理指導料に統合され、代理指標に切り替えたこと、(3)これまでが店名の突き合わせ、今回が医療機関コードでの集計であること。どちらかが誤りという意味ではありません。これから先は、47都道府県を同じ月の版でそろえた今回の数え方を主に使います。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。

このレポートの範囲と、正直な限界

  • 【このレポートで言えること】地域単位(二次医療圏・区市町村)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
  • 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
  • 【処方せんの推計方法】区西部医療圏の院外処方せん実績(NDB 2023年・年間9,612,305枚)を、区ごとの65歳以上人口シェアで按分した推計です。実際の処方せんは区市町村別には公表されていません(NDBの最小単位が二次医療圏のため)。
  • 【按分の限界:昼夜間人口】按分は、そこに住んでいる65歳以上の人数を基準にしています。昼間人口が夜間人口を大きく上回る(または下回る)地域では、実際の処方せんは通勤・通学者からも来るため、住民ベースの按分は実態から外れます。「薬局1軒あたり処方せん」の絶対値を地域間で比較する用途には使わないでください。
  • 【「経営体力の変化」の意味】圏域全体の処方せん総数を現在の水準に固定したうえで、圏内での高齢人口シェアの移動だけを見た相対値です。圏全体として処方せんが増えるか減るかは、ひとつ上の階層(東京都=Lv1)の需要指数で別に示しています(この圏域は2025年を100として2045年に133.5)。65歳以上人口そのものの変化(chg_abs)は新宿区の+26.9%が圏内最小です。
  • 【薬局数は2025年で固定】区市町村別の推計では、薬局の数はいまのまま変わらないと置いています。新規開局・閉局による将来の店舗数の変化は含みません。
  • 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。
  • 【閉局の数え方と集計期間】関東信越厚生局の保険薬局廃止情報のうち、移転・承継を除いた「真の閉局」だけを数えています。既定の集計期間は暦年2025(2025年1月〜12月)です。単年では件数が振れるため、承継率については4年(2022年1月〜2025年12月)の集計を併記しています。4年ぶんの値を、他県の単年値と並べないでください。また、名簿の掲載遅れにより、固定窓の件数は生成後も増える可能性があります(2026-07-29時点の値)。
  • 【一斉承継】同じ廃止日に移転・承継がまとめて出る日(管内をまたぐ法人再編)を、日付を決め打ちせず管内10都県の分布から機械的に検出し、除いた版(ex_mass)を併記しています。真の閉局(主指標)はほとんど影響を受けません。
  • 【閉局の位置の割り当て】廃止届の住所(区市町村名)から割り当てています。東京都の廃止情報 全2,030件が住所で解決でき、未割当は0件です。
  • 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません。薬局の位置は届出上の市区町村コードで割り当てています。
  • 【機能の届出率】かかりつけ薬剤師指導料などの届出状況は薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告に基づきます。この圏域の分母は653店です。届出=実際の提供実績ではありません。
  • 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。
  • 【いま出していない数字】2045年の薬局店数の推計は、いまも出していません(参入と退出の数え方がそろわず、そのまま回すと全国で薬局が2割以上増える計算になってしまうため)。医療圏の「都市型/郊外型」分類は、供給の統計モデルが47都道府県フル学習になったので掲載に切り替えました。
  • 【徒歩カバー率はフォールバック法(OSRM不可のため直線近似)】徒歩分は直線距離×迂回係数1.3÷分速80mの近似です。OSRM(実道路網)が使えない環境で生成したためで、実際の道路・地形・信号・坂は考慮していません。都県境の外(埼玉・神奈川・千葉・山梨)の薬局は候補にしていないため、都県境沿いではカバー率が実際より低く出ます。メッシュ人口(mesh_backbone_250m)は2020年国勢調査ベースの推計です。OSRM実道路網への置き換えは別波で行います。
  • 【小さすぎる分母について】この圏域には薬局8軒未満の自治体はありません。ただし単年の閉局件数は区市町村あたり数件なので、1件の増減で率が大きく動きます。承継率は4年ぶんの値を主にお読みください。

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区西部医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)

薬局の分布と、同じ医療圏の市区町村どうしの落差を1冊にまとめました。出典と作成時点を入れてあるので、そのまま社内やご相談の資料にお使いいただけます。受け取る地域をお選びください。

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類似圏は見つかりませんでした。同一県を除いた全国330圏あまりの中に、5軸すべてが許容幅(ロバストz 0.75以内)に収まる圏がありません。この圏は全国的に特異です(無理に近い圏を当てはめない方針)。

もっとも近かったのは埼玉県さいたまですが、「1軒あたり面積」が基準を超えました。

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