宮城県仙台(二次医療圏)

CrossHealth / 薬局持久度レポート

県で唯一「増える」圏の中で、10/16の市区町村は減っている

仙台医療圏18市区町村の薬局を、供給・高齢化・経営体力で見える化。市区町村ごとの詳細レポートは順次公開します。

対象 仙台医療圏 18市区町村(自治体としては14)期間 2025年 → 2045年概要版・無料

この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。

仙台医療圏は、薬局823軒=宮城県の68.0%が集まる、県内最大の圏域です。うち624軒(75.8%)が仙台市の5区にあります。圏全体では65歳以上人口が2045年までに+23.0%増え、宮城県4医療圏のなかで唯一増える圏です。それでも圏内の市区町村を並べると、経営体力の差は47.8ポイント——宮城県の圏域差(37.8ポイント)より大きく開きます。

18
仙台医療圏の市区町村
823
圏内の薬局数
75.8%
仙台市5区にある薬局の割合
-34〜+14%
経営体力の変化レンジ(市区町村差)

この圏域は、仙台市という政令指定都市(5区)と、その周りの13市町村でできています。圏として見れば需要は+23.0%増える側ですが、内訳は真っ二つです。経営体力がプラスなのは6市区町村しかなく、残る10はマイナス。いちばん沈むのが山元町(-33.9%)で、総人口-25.4%・65歳以上-18.7%、65歳以上人口は2025年がピークです。いちばん伸びるのが富谷市(+13.9%)。仙台市5区の中でも向きは分かれ、-4.5〜13.1%と17.6ポイントの幅があります(1区がマイナス)。市を1つに束ねると65歳以上+28.5%の「増える市」で終わりますが、区に割ると内側の差が見えます。

地図 ── 地域差を見る薬局1軒あたり処方せんの、市区町村ごとの将来

色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化(=経営体力)。緑=圏内で相対的に増える、赤=減る。いちばん緑なのが富谷市(+13.9%)、いちばん赤いのが山元町(-33.9%)で、同じ仙台医療圏の中に47.8ポイントの開きがあります。この色は圏内での相対値である点にご注意ください。圏全体では処方せん需要は+23.0%増えます。

山元町:薬局5/1軒あたり処方せん -33.9%松島町:薬局4/1軒あたり処方せん -31.1%塩竈市:薬局33/1軒あたり処方せん -25.2%七ヶ浜町:薬局3/1軒あたり処方せん -21.1%亘理町:薬局9/1軒あたり処方せん -18.5%岩沼市:薬局28/1軒あたり処方せん -9.2%多賀城市:薬局29/1軒あたり処方せん -7.7%仙台市泉区:薬局111/1軒あたり処方せん -4.5%市泉区利府町:薬局15/1軒あたり処方せん -2.2%大和町:薬局15/1軒あたり処方せん -1.0%仙台市太白区:薬局123/1軒あたり処方せん +2.8%太白区名取市:薬局42/1軒あたり処方せん +6.0%名取市仙台市青葉区:薬局215/1軒あたり処方せん +6.2%青葉区仙台市若林区:薬局73/1軒あたり処方せん +9.8%若林区仙台市宮城野区:薬局102/1軒あたり処方せん +13.1%城野区富谷市:薬局16/1軒あたり処方せん +13.9%大郷町:薬局なし大郷町大衡村:薬局なし大衡村
色=経営体力の変化(→2045・圏内での相対値)
減る(-34%)増える(+14%)
薬局なし(大郷町・大衡村)
市区町村そのものの形で塗り分けています。

人口動態 ── 需要の源圏全体では増える。ただし4/18市区町村は、もう減りはじめている

なぜ市区町村で明暗が分かれるのか。もとをたどると人口の動きです。仙台医療圏全体では、総人口は153.2万→141.1万人(-7.9%)と減り、65歳以上は40.3万→49.6万人(+23.0%)と増えます。高齢化率は26.3%→35.1%へ。65歳以上のピークは2050年です。圏内18市区町村のうち、65歳以上人口が2025年ですでにピークを打っているのは4(山元町/松島町/塩竈市/大郷町)。逆に2050年まで増え続けるのは10市区町村です。

総人口65歳以上
0万40万80万120万160万202520302035204020452050136万50万
実データ(社人研 将来推計人口・2023年推計)。総人口は右肩下がり、65歳以上は2050年まで増加。

ランキング ── 市区町村の差経営が楽になる区・相対的にしんどくなる市町村

山元町(-33.9%)から富谷市(+13.9%)まで47.8ポイントの開き。マイナスは10市区町村で、プラスは6だけです。いま1軒あたりがいちばん厚いのは亘理町の33,659枚、いちばん薄いのは仙台市青葉区の9,736枚(いずれも薬局8軒以上の市区町村に限った値)。分母の小ささにはご注意ください。圏内には薬局8軒未満の自治体が3あり(山元町/松島町/七ヶ浜町)、そこでは1軒あたりの数値が大きく振れます(素の最大は七ヶ浜町の54,981枚ですが、これは薬局3軒に町ぶんの処方せんを按分した計算値で、実測ではありません)。

山元町
-33.9%
松島町
-31.1%
塩竈市
-25.2%
七ヶ浜町
-21.1%
亘理町
-18.5%
岩沼市
-9.2%
──── ここから経営が楽になる地域(需要増)────
仙台市若林区
+9.8%
仙台市宮城野区
+13.1%
富谷市
+13.9%
薬局0の自治体(大郷町・大衡村)はランキング対象外です

くわしい数字18市区町村データ一覧

市区町村薬局高齢率
2025
1軒あたり処方せん
2025 → 2045
変化
仙台市青葉区21524.2%9,736 → 10,336+6.2%
仙台市太白区12326.2%13,914 → 14,304+2.8%
仙台市泉区11130.3%15,326 → 14,630-4.5%
仙台市宮城野区10221.7%11,290 → 12,764+13.1%
仙台市若林区7322.3%12,016 → 13,193+9.8%
名取市4224.9%12,699 → 13,464+6.0%
塩竈市3336.0%14,839 → 11,097-25.2%
多賀城市2927.2%16,009 → 14,770-7.7%
岩沼市2828.6%12,104 → 10,988-9.2%
富谷市1624.0%21,303 → 24,256+13.9%
利府町1528.2%18,075 → 17,672-2.2%
大和町1523.5%12,415 → 12,289-1.0%
亘理町934.3%33,659 → 27,416-18.5%
山元町543.4%27,504 → 18,180-33.9%
松島町441.6%35,236 → 24,295-31.1%
七ヶ浜町335.1%54,981 → 43,403-21.1%
大郷町041.9%薬局なし
大衡村030.1%薬局なし

※処方せん需要は仙台医療圏全体の実績(NDB)を市区町村の高齢人口で按分した推計です。閉局は圏の合計としてお読みください(市区町村別の率は出していません)。届出率(かかりつけ等)はGMISの取り込みが済んでいないため算出していません(0%ではありません)。個店のランキングは作りません。

この地図の使い方(3段階のドリルダウン)

  • 宮城県(ひとつ上・Lv1)=4つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
  • 仙台医療圏(このページ・Lv2)=18市区町村で「同じ圏域の中の差」を見る。
  • 市区町村(詳細・Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。

このレポートの範囲と、正直な限界

  • 【このレポートで言えること】市区町村単位の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。地域の持続可能性を映すためのものです。
  • 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは扱いません。個店のランキングや「この店は無くなる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。
  • 【この地図の色は圏内での相対値です】Lv1(宮城県)の色は絶対値(その医療圏の処方せんが実際に増えるか)ですが、このページの色は仙台医療圏のなかでのシェア移動を示します。意味が違います。
  • 【市区町村別の処方せんは実測ではありません】NDBの最小公表単位が二次医療圏のため、仙台医療圏の実績(2023年・11,037,053枚)を各市区町村の65歳以上人口で按分した推計です。薬局8軒未満の市町村では極端に跳ねます(素の最大は七ヶ浜町の54,981枚で、薬局3軒の按分値)。本文の「いま最も厚い」は薬局8軒以上の市区町村に限った値です。
  • 【閉局は圏の合計で読んでください】既定窓(2025年6月〜2026年4月(11ヶ月))の真の閉局は圏で14件(うち当社データベースにあるのは7件で、残りは厚生局の原本から復元したぶんです)。市区町村に割ると1つあたり0〜数件しかないため、**市区町村別の閉局率は出していません。他県との比較も出していません。**
  • 【廃止届=閉局ではありません】廃止届のなかには、同じ日に新しい機関コードが発行される移転・承継が混ざります。このレポートで「閉局」と呼ぶのは、新しいコードが出ていない届出だけです。
  • 【届出率は算出していません】薬局機能情報提供制度(GMIS)の機能フラグ9項目がすべて0の薬局が、この圏では815軒/823軒=99.0%あります。県単位で取り込みが進んでいない状態で、**0%ではなく「未算出」です。**
  • 【薬局の届出が0軒の市町村】大郷町/大衡村の2町村は、GMISでも厚生局の保険薬局一覧でも0軒でした。2つの独立した名簿で同じ結果になったという事実だけをお伝えします。そこに薬局を出すべきかどうかは、このレポートでは扱いません。
  • 【薬局が少ない市町村の数字は振れます】圏内で薬局8軒未満なのは山元町(5軒)/松島町(4軒)/七ヶ浜町(3軒)です。1軒あたり処方せんは1店の増減で大きく動くため、これらの市町村どうしを順位づけしないでください。
  • 【薬局数は2025年で固定】1軒あたり処方せんの将来値は、薬局の数がいまのまま変わらないと置いた場合の数字です。
  • 【高齢人口=需要の代理指標】処方せんの多くを高齢者が占めるという前提を置いています。受診率・在宅化率・オンライン服薬指導・後発品比率などの制度変更は織り込んでいません。
  • 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、ドラッグストア専業(調剤なし)は含みません。位置は届出上の市区町村コードで割り当てています。
  • 【仙台市の区の数え方】仙台市は政令指定都市で、医療圏マスタも将来推計人口も「区」単位です。本ページの市区町村は18(仙台市5区+13市町村)ですが、自治体の数として数えると14です。「N市区町村のうち何」という言い方をするときは、どちらの数え方かを必ず添えてください。
  • 【徒歩アクセスはこのページでは出していません】250mメッシュの人口基盤には宮城県分が31,272セル入っているので、市区町村の詳細版(Lv3)では「徒歩10分以内カバー率」を出せます。
  • 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。
  • 【東日本大震災について】沿岸の市町では人口の見通しが内陸より厳しく出ますが、本レポートはその理由を特定していません。将来推計人口は過去の実績から機械的に延ばしたもので、個別の出来事を原因として織り込む設計にはなっていないためです。「震災の影響でこうなった」という読み方はしないでください。

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