【Vol.13】転換する社会保障、始動するゲノムの国策。(2026年2月21日号)

はじめに
こんにちは、医療政策ウォッチャー編集長の木内翔太です。
第13号のニュースレターをお届けします。
今週は、社会保障の構造そのものを問い直す動きと、医療の最先端であるゲノム領域での新たな国策の始動が重なる、非常に濃密な一週間でした。
今週は、「負担と給付の再設計」「危機への共同備蓄」「データ駆動型医療」という3つの視点から、2026年の生存戦略を考える5つのニュースを厳選しました。
1つ目は、全世代型社会保障改革と賃上げ環境の整備について。
2つ目は、WHOと欧州委員会が進める医療物資の共同調達の潮流について。
3つ目は、抗インフルエンザ薬の備蓄内訳見直しとH5N1ワクチン有効性について。
4つ目は、いよいよ発足する「日本ゲノム医療推進機構」の全貌について。
5つ目は、WHOが発表した性感染症(STI)対策の統合ハンドブックについて。
今週も、足元の経営から世界の潮流までを繋げて、サクッと解説します。
全世代型社会保障改革と賃上げ環境の整備、厚生労働省が示す新たな方向性

導入
厚生労働省政策統括官より、令和7年度の全国厚生労働関係部局長会議に向けた説明資料が公開されました。人口減少と高齢化が加速する中、「全世代型社会保障」への転換と「賃上げ」が政策の二大柱として掲げられています。
事実
「給付付き税額控除」の制度設計を含めた、税と社会保障の一体改革の検討が指示されている。
2028年度までの改革工程として、医療DXによる効率化や経営情報の見える化が重点化されている。
物価高騰に対応するため、労務費の適切な価格転嫁を強力に推進し、賃上げ原資を確保する方針が示された。
3行要約
給付と負担の再設計
高齢者中心の給付から、全世代が支え合う仕組みへの転換。
「給付付き税額控除」により、中・低所得者の手取り増を目指す。
働き方に中立的な社会保障制度への抜本的改革。
医療DXと効率化
2028年度を目途に、医療・介護現場の生産性向上を推進。
生成AI活用や経営の「見える化」で、持続可能な体制を模索。
限られた人的資源で質を維持するための技術導入が必須に。
構造的な賃上げ
価格転嫁対策を強化し、中小・医療機関の賃上げ環境を整備。
公正取引委員会とも連携し、労務費の適正な支払いを要請。
経済の好循環と社会保障の持続性の両立を図る。
地域現場への影響
[経営・収益]
労務費の価格転嫁交渉が正当な経営努力として認められる土壌ができる。
経営情報の「見える化」が進むため、財務透明性がより求められる。
[連携・実務]
医療DX対応が地域連携の参加要件となる可能性が高まる。
自治体や他法人とのデータ連携が加速する。
[チャンス]
DX導入補助金や賃上げ促進税制などの支援策を積極的に活用できる。
引用
令和7年度 全国厚生労働関係部局長会議資料 www.mhlw.go.jp